表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染を寝取られたけど、そんなもので俺のあいつへの愛が冷めるわけねえ!!  作者: 雨夜 フレ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/32

いずれ来る罰だった。

「あれやばくない?」

「ふふ、あれが噂の……」


学校に入るとさらに強く陰口が聞こえてくる。


「桃花大丈夫か?」

「……うん」


とても大丈夫な顔ではない。

顔面蒼白だった。


そうして教室に入る。


クラスは静まり桃花だけに視線が行く。

だが、それは一瞬ですぐに元の喧騒に戻る。

それに少し安心したのがいけなかった。


「みんなおはよう」

「……桃花……」


桃花の友達はみんな固まり言葉を発さない。


「み、みんな?」

「桃花、本当なの?西木君を裏切って堂本と付き合ってたって……」


彼女はためらいだがはっきり告げる。


「……本当だよ……」


クラス中が静まり返る。


「私、噂は嘘だって思ってた……最低だよ……」


それだけ言って桃花の前から友達たちは去っていく。

俺はすかさず桃花の近く。


「桃花、席に着こう……」

「……」


返事はない。

ただ力なく席に座る桃花。


担任がひどく苦い顔で教室に入ってくる。


「沢渡、放課後職員室に来なさい」

「……はい」


そこでみんな事実だと再度認識する。

そうしていじめは始まった。

放課後、靴箱の前で桃花は固まっていた。


「桃花どうした?」

「……何でもないわ」


そういう桃花の顔は今にも泣きそうで見ていられないほどだった。

桃花は手を後ろに回し何かを隠していた。


「なんだよそれ?」

「なんでもない!」

「いいから見せろ」


俺は叫ぶ桃花から強引に取る。


「桃花、これ……」


典型的ないじめだった。

桃花の靴には画びょうがびっしり入っていた。

そして紙が入っており中には「ビッチ、死ね」など安易な悪口が書かれていた。


「桃花、教師に言おう」


俺が教員室に行こうとすると桃花は俺の服の裾をもって止める。


「いいの……」

「何がいいんだよ!!これも海斗のせいだろ!?」

「かもしれない……けど」


桃花はつかむ手を強く握る。


「私がいけないから……」

「桃花……」


彼女はこれを罰だと思っている。

確かに彼女のしたことは許してはいけない。

だが、何の関係のない他人からここまでやられるいわれもないはずだ。


「やっぱり……」

「光、私受け止めるから……だからやめて?」


その顔は今にも泣きそうで必死に耐えているそんな様子だった。

俺はそんな顔させたくなくて止まる。


「分かった……」

「……ありがとう」


そうしてその日はおとなしく帰宅した。

だが、いじめはエスカレートしていきついに桃花は学校にこれなくなった。


陰から聞こえる。


「やっと来なくなったね?」

「うん。ざまあないね?」


何も知らないやつらが自分の怒りを解消するためだけに怒る。

そして、責める。

よくあることだ。

よくあることで、桃花が悪い。


そう、思えるはずもなかった。


俺は帰り際桃花の家に行った。


インターホンを押すと桃花のお母さんが出る。


「おばさん、俺です」

「光君……入って」


俺は家の中に入るとリビングには疲れ切ったおばさんがいた。


「おばさん……」

「いいの……これはいずれ桃花が受けないといけないことだから」


おばさんは分かっている。

桃花はそれ相応のことをしたと。

だが、そんな言葉で納得できるはずない。

娘が苦しむ姿を納得できるわけがないのだ。


「光君……私は仕方ないことだと思っているの」

「はい」

「でもね、それでも、私の娘なの……一番の被害者のあなただからこそ言うわ。絶対に桃花を助けないで」


それはきっと、おばさんなりの答えなのだろう。

自分の犯した罪に向き合ってほしい。

自分で這い上がって答えを見出してほしい。

そういうおばさんなりの願いなのだろう。


「……分かりました。ただちょっとだけいいですか?」


俺はあるものをおばさんに渡す。


「これを渡せばいいのね?」

「はい、彼女なら立ち上がれるって俺は知ってますから」

「分かったわ。ありがとう」


そうして俺は桃花の家を去った。

その様子を桃花は窓から見ていた。


「光……ごめん」


彼女は今も戦っていた己の罪と。

そして、彼への愛のはざまで。









読んでいただき、ありがとうございます。

気に入っていただけたら、ブックマークや評価で応援してもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ