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闇を斬る音は無し  作者: 織風 羊
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46/63

46 人と鹿

よろしくお願いします。



 瞬時に一体を狙ったアラゴンの大型のクノーが何度も空を切る。


 その間に一体、コクトーが銀色に光るツノで妖魔を空中に投げる。


 今戦っている人と鹿は戦闘には慣れていない。

打ち損じた妖魔達がアラゴンとコクトーを飛び越えてロルカとエリオットを追う。


 無数に居る妖魔達を完全に制圧できる事は不可能であった。


「また討ち損じたか」


 妖魔の血か自分自身が受けた傷の血か、全身傷だらけになったアラゴンが叫ぶ。


「気を付けて、アラゴン、左後方からまた一体の妖魔が来ます」


 これも白毛を赤く染めたコクトーがアラゴンに伝える。


 一方、ロルカとエリオットは二階の間を走り抜け、三階へ続く階段を登り始めている。


 一階の大広間では尚もアラゴンとコクトーが死闘を続けている。


 次から次へと襲いかかってくる妖魔達は、アラゴンに破岩術を使わせる時間を与えない。


 金属と金属がぶつかり合う硬い音が響く。


 力任せに振ったアラゴンのクノーが、シユウの鋼でできた頭に弾き返される。


 その隙に疾走してきた銀色に光るツノがクノーを弾き返したシユウの胸を貫く。


 コクトーがツノを引くと無数に空いた穴からシユウの体液がほとばしる。


 まさに満身創痍の死闘である。


 次の妖魔を仕留めるために鹿が走る。


 その上空から一体のシユウが加速をつけて落下し鹿に襲い掛かる。


 危険を察知したのは今度はアラゴンの方が先であった。

が、アラゴンは振り返りざまに妖魔達の体液で湿った床に脚を取られ転がり

後頭部を強打する。


しかし、体液のために床を滑りながらも仰向けになった状態から片手を突き出し

広げた手を拳に変えて勢いよく開く。


 空中で束の間、静止した妖魔が首だけを残して爆裂する。


「助かった」


 と安堵する間も与えまいと、仰向けになったアラゴンの胸を目掛けてシユウの槍が突っ込んでくる。

ありがとうございました。

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