41 待つ者
よろしくお願いします。
二人は今、城の門まで来ている。
城の周りは深い堀で囲われており、城門から橋が架けられている。
「この程度の橋で我らを防げるとでも思っているのか」
「そうだな」
エリオットの独り言にロルカが答える。
以前、城の周りは広大な花畑になっており、所々に椅子やテーブルがあり、園芸師や農夫達の憩いの場になっていた。
「パステルナークが参上したと王に伝えよ」
城門に架けられた橋の前でロルカが叫ぶように言う。
門の番人達が何やらヒソヒソ話をしているように見えたが、やがて一人の番人が城の中へ入って行った。
暫くして番人が帰ってくると、また番人同士が話をしているようであった。
「お通りください」
と番人の一人が、これもまた叫ぶように言うと橋の向こうの城門が開く。
ロルカとエリオットを乗せた鹿が橋を渡る。
城門まで来ると番人達が片方の手と片膝を地に着けて礼をしている。
もう片方の手には槍を持っている。
その中の一人、おそらく番人の長であろう男が声を掛けてくる。
「どなたかは存じませんが、その立派なツノを持つ白い鹿に乗り、そして今は誰もが口にすることがなくなったパステルナーク様の御名を語る方。我ら一同、お待ちしておりました。どうかお気を付けて。パステルナーク様の御名を語る方よ、正義と真実の下、神々のご加護がありますよう」
ロルカは剣の事は言わず、いつものように静かに頷く。
この者達は妖魔に魅入られていなく、従わされているだけなのか?
多分そうであろう。
パステルナークを待っており、神の加護をと願ってくれているのだから。
そして、この時もまたロルカは、パステルナークとは何者かと不思議に思う。
ありがとうございました。




