表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇を斬る音は無し  作者: 織風 羊
38/63

38 飢えと疫病

よろしくお願いします。



 大地に二頭の鹿の四本の脚が降り立つと土煙が宙を舞う。

ぐいと脚をしっかりと大地に収めたかと思うと二頭の鹿が王都目指して走り出す。


 まばらに草木の茂る大地を疾走すると、その雑草さえも大地から消え、乾いた大地に代わっていく。


 白い鹿は土埃を上げながら更に王都へと走る。


 都の建物がゆっくりと大きく見えるようになってくると、眼前には板で囲んだだけの小屋も見えてくる。


 ほとんど横一列に並んで見える小屋の集合体は、ゆっくりと円を描くように都に沿って伸びているようである。


ロルカ達がその集落と呼べるような場所まで来ると、板を挟んで老人達が横になっている。


 そこまで来るとロルカは鹿を降り、老人の傍まで近づき、


「なんということだ」


 と呟く。


 そこに横たわっている者達は、老人もいるが、痩せ細って皺だらけになった若い人達も居た。


「疫病だ」


 とパステルナークが答える。


「食べる物もろくに与えられず、過度に労働させられ、働けなくなったらここへ連れて来られ、そして、ある者は飢えて死に、生き長らえられれば疫病にかかって、いずれ死に至る」


 エリオットの釣り上がった目が切れるように細くなっている。


「彼等を助けることは出来ないのか」


 とロルカが言うと、


「どの薬草が効くかを確かめなければならない、そして飢えている者だけではなく、すべての人々に食事が必要だ」


 とパステルナークが答える。


「行くぞ」


 とエリオットが言うと互いに頷き合い、ロルカは再び鹿に跨った。

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ