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闇を斬る音は無し  作者: 織風 羊
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37/63

37 大地を飛べ

よろしくお願いします。



 森を抜けると断崖絶壁の丘に出た。


 今、エリオットとロルカは、その丘から向こうに見える王都を見ている。


 栄えている。

妖魔に支配されているどころか、都は活気に満ちている。

とロルカは思う。


 その姿を見てエリオットが言う


「ロルカ、念通力を使え」


 ロルカは言われた通り、目で見るのではなく目を瞑り念通力を使って王都を見直した。


脳裏に王都が映って来ると、その都を気味の悪い黒い靄が覆っている事に気付く。


「これは?」


 ロルカの疑問にパステルナークが答える


「都は今、貧富の差が激しく、王都には富める者しか住んでいない。王都の周りには疫病が蔓延り、貧しい者達だけが住んでいる。念通力を使い耳を済ませてみよ、聞こえるだろう正直で貧しい者達の呻き声が、やがてその声は恨みと憎しみに変わり、犯罪と争いが支配する」


 ロルカは敢えて念通力を使わなかった。

それどころか耳を塞ぎたいような気分であった。


「パステルナーク様、行きましょう」


 エリオットはそう言うとベルレーヌに頷き、白い牝鹿は一気に崖を飛び降り、まさに飛ぶようにして岩壁を駆けることもなく、この高い断崖から舞い降りる。


 まだベルレーヌが大地に着かない内に、コクトーが念通力でロルカに語り駆ける。


「さぁ、我々もベルレーヌの後を追いましょう」


 そう言うとコクトーも丘の土を蹴ると一息に空に舞い、風を切るようにして遥か下の大地へと飛んだ。

ありがとうございました。

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