新たなる火種
「それは、真なのですか?」
「ええ…叔父上。誠です。つい昨日のことです。」
「護衛には精鋭部隊が複数ついていたのでは?」
「それすらも破る実力者が相手方にいたのだ。」
「敵は判明にしているのですか?犯人は分かっておらんが、やつの背後にいる存在は判明している。」
「それは?」
「独立星系連合…つまり、反帝国をかかげている自由貿易機構に加盟している国々だ。」
「確かに彼らは帝国を敵視しておりますが、戦争に踏み切るほど愚かではないはず。そもそも、彼らには戦争できるほどの軍隊がないはずでは?」
「そう思っていたのだが…。これを見てくれ。」
「これは…」
「大規模なバトルドロイド製造ラインだ。かの国々の至るところに見つかっている。いつ勃発しても可笑しくない。」
「それでは総力戦となりますな。」
「うん。だけど…できれば短期集中で終わらせたい。だから、叔父上に最初に報告してるんだ。」
「何をしてほしいのだ?」
「他の3つの方面軍による大規模攻勢をかける。そうすれば敵の主力はこちらに向くだろう?その間に敵本拠を急襲してほしい。その上で娘を救い出してくれ。」
「それは…」
「これは帝国の存亡と威厳を掛けた闘いだ。頼むよ。」
「ササッと片付けて見せましょう。ただし、この大戦終了後には、部下たちにも最高の褒美を期待しております。」
「うん。もちろんだよ。」
バタンっ…
「へ…陛下!一大事です。自由貿易機構が我々帝国に宣戦布告を告げてきました。」
「始まったか…」
「わかった!全方面軍総司令を呼び出せ!各官僚たちもブリーフィングルームに集めろ!行けっ!」
「承知致しました!」
「叔父上もご準備を。」
「あぁ…。少し着替えてくるとしよう。」




