厳罰
「つまり、ゲイル伍長は儂から直接降格されたにも関わらず、すぐに同様の行動をしたと?それも他の上官達に無礼をしたうえで?」
「左様でございます。閣下。」
「そして?このバカ共もそれに同調したと?」
「左様で。」
「…とのことだが、君は彼らを一体どのように教育しているのだ?アーゼル先任曹長。」
「…私の不徳の致すところかと。」
「そういう答えを聞きたいのではない。どのように?」
「…」
「まさかとは思うが…他の下士官たちに丸投げしてるわけではあるまいな?」
「…」
「なんと…貴様には帝国陸軍としてのプライドはないのか!!」
「…」
「ないようですね。」
「仕方ない…。此奴も優秀な兵士ではあったが大隊の指揮官には向かなかったということか。」
「どうされるのですか?」
「まず、ゲイル伍長含め3名は厳罰とする。二等兵からとする。訓練自体は完了してるから、本部に戻り次第、所属を決めるとしよう。アーゼルについては、一等軍曹まで二階級降格とする。一個小隊の隊長として、再度やり直せ。こやつらよりも優秀でお前の指示をしかと聞く下級軍曹達をつけてやる。それでしっかりと励むのだ。」
「畏まりました。励みます。」
「アーゼル…。1つ言っておく。儂はお前が南部方面軍に来たときから期待しておる。統率力も単独での戦闘技術も他からも傑出している。当時を思い出し、励むのだぞ?」
そう言って、総司令閣下は彼の方に手を置き、そういった。
アーゼル一等軍曹は肩を震わせて涙を流している。彼は軍人としては立派な者だ。これから努力すればきっとより高位の存在となるだろうな。
「何をしておる。たかだか、兵卒の分散でいつまでわしの前で立っているのだ。出ていけ!もし…再度、エドワードにちょっかいをかけたら今度はただではすまんぞ。本人にもお前たちからの脅迫、暴行などが行われた場合の殺害許可を出しておく。今後は、しかと反省して、一からやり直せ。」
「…はい。」
「声が小さい!!!」
「「「はいっ!!!」」」
「よし、出ていけ。、」
「失礼致します!!!」
今度、同じようなことがあったらその場で俺が殺してやる。




