ルーク先任曹長
「それじゃあ、そろそろ夕飯時だし、君の直属の上官になるケルベロス中隊の中隊長であるルーク先任曹長に挨拶に行こうか。」
「ぜ…是非!お願いします。」
「そんなにガチガチに固まらなくてもいいよ。私の弟だからね。」
「余計ですよ…」
「まぁ、いじられれたりすることはないから。優しい子だからね。」
ザビーダ少尉に従って艦内を進んでいくと、他の乗組員達と会う。少尉から今は敬礼を返さなくても良いと言われていることから、お辞儀をして通過する。
「ここだ。ルークの部屋は。因みにその隣が私の部屋になる。我々には別に執務室とかはないからね。ちょっとまってて。できれば、ルークの体面を保つためにも覗かないでくれるか?」
「畏まりました…?」
俺が疑問に思いながらそう答えると、彼は何も言わずにノックすることもなく、ルーク先任曹長のドアを蹴り破り中に入っていった。
「あ…兄貴!ノックぐらいしてよ!」
「お前…ここは軍隊の旗艦であることは知っているよな?」
「わ…わかってるよ!」
「ならば…そこの横の裸の女性は何だ?」
「彼女は僕の側近で…」
「側近?」
「いえ…婚約者で男爵令嬢のエリーダ二等軍曹だよ…です。」
「そうか…婚約者ができたことも知らなかったが。軍の旗艦でわざわざ体を重ねたと?」
「…申し訳ございません。」
「外にお前の部下となるストライダー小隊の小隊長を連れてきている。今直ぐ、シャワーを浴びろ。君もなるべく早く戻れ。私は彼とダイニングにいよう。」
そう言って、ザビーダ少尉は俺が待つ廊下に出てきた。
「悪いな。アホな弟で。」
「いえ…(笑)」
「言ったろう?固まらなくていいと。優しい子だけど、アホな子でもあるんだ。でも、彼女のように本当に好かれるんだよ。」
「良い人であることはよく分かりました。」
「仕方ないから先に食事をとろうか。」




