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異なる世界に生まれ変わったようです  作者: ツナマヨ
2章3歳編
12/35

君の名・・・ゲフンゲフン

昨日Wi-Fi変えたんだけどなんかオンラインゲームが前よりカクついてんだが・・・ちくしょうめぇ

「ふむふむ、なるほど。は?」


 あれから俺は泣きやんだ天使ちゃんからここに至るまでの経緯を聞いた。簡単に要約すると堅苦しい家が嫌になって抜け出して気ままに遊んでいたところ、俺を見つけて遊んでいたらしい。

 でもその日一箇所にとどまりすぎたせいか、家の兵に目をつけられ今日待ち合わせしていたところに待ち伏せされていて連行。そこを俺が阻止したらしい。結局家に帰っているらしいから何かしらして俺や倒れた兵などを運んでくれたのだろう。

 

 さて本題はここからだ。この抜け出してきた家というのが”辺境伯家”らしい。しかもこの抜け出してきた理由が先ほども言ったように堅苦しいからだ。


 なんともまぁ・・・呆れる。まぁ3歳からしてみれば自分の立場や責任とかよくわかってないんだろうな。ここはまだなんとかなったから厳重注意で終わるだろうが。しかしこれはこの天使ちゃんの話だ。


 俺になると話は変わってくる。なんせ俺はあろうことか家の兵二人をダウンさせ天使ちゃんを連れ去ろうとした悪人ポジに見られてしまうかもしれないからだ。


 天使ちゃんが話してくれればどうにかなるかもしれないが「この子は騙されているんだ」と決めつけられてしまうかもしれないからだ。どうかそうならないように・・・神よ私をお導きください。


 これから起こるであろう事象に胃をキリキリと痛める。


「う〜、てかこれ姉ちゃんになんて言おうか」

「・・・?」

「あ、いやこっちの話だから。気にしなくていいよ」

「・・・そう?」

「そうそう」


 忘れていたが俺は今宿に泊まっている身もし今姉が帰ってきたら今頃大騒ぎだろう。あ、大騒ぎでまた思い出した。リア姉ちゃん・・・うっ頭が。

 なんかこれから起こるこの家での騒動よりダブルシスターからの説教の方が怖い・・・特にまだ怒ったところを見たことがないリナ姉ちゃんの方が・・・今回は多分怒られるんだろうな。


「あ〜帰りたくなくなってきた。もう自分ここに住んでいいっすか?」

「っ・・・ここに・・・住む?」

「え、あ違う違う。冗談だよ冗談」

 

 俺みたいなやつがこの家に住むなんて嫌だよな。実際遊んでたってさっき言ってたし。天使ちゃん改め小悪魔ちゃんに改名した方がよさそうだ。


「なんだ・・・残念」

「・・・」


 改正やっぱり天使ちゃん。ああ、天国はここだったんだね。ん?天使ちゃんが動き出した。ってなんでこっち寄ってきてんの!?あ、俺の上に乗って!?いや、これから私に酷いことするんでしょ!?エロ同人みたいに!?いや、むしろして!!!!


 急なことで錯乱してゆく思考。気分はさながら最高といったところか。


 しかしこんなお気楽なのは俺の方だけだったようで表情のわかりにくい顔からもそれがひしひし伝わってくる。


「どうして・・・助けたの?」

「・・・それ聞く?」


 まさかの・・・いや聞かれるかもと思っていたけど・・・うーむ、ぼかすか。


「いや〜、ちょうど誰か助け・・・」

「嘘・・・」


 え、何この子嘘発見器か何かで?じっと見つめてくる瞳はまるでこちらの全てを見透かしてきそうな感じがする。これは・・・いうしかないか。


「いや、そのさ最初はただ・・・多分助けたいっていう思いだけだったんだと思う」

「・・・」


 真剣にじっと見つめてくる。これは続けろってことかな。


「でもさ途中でその、君の顔を見て思ったんだ。君にあんな顔をして欲しくないって」

「・・・顔?」

「そう、最初会った時の顔ってさ俺にとってなんだけどとても暖かくて落ち着くような顔してたんだ。でも連れてかれた時の顔がなんだか・・・本当に何にも感情が入ってない。抜け殻みたいな表情みたいに見えて」

「・・・わかるの?」

「いや、感じだけどね?当たってた?」

「・・・」


 しかしいくら待ってもその答えは返ってこず、静寂の中なぜか急に顔を俺の胸に埋め出した天使ちゃんだった。


 そしてそんなことされてレイの心がバグらないわけがなく『もうこれは天使じゃなく、大天使ですわ』となっていたのだが、その時にある一つのことに気づく。 


 前世でもとても可愛い人のことやキャラのことを大天使〇〇と天使+名前とよくある名付け方があるのだが、先ほどそれと同じようなことを考えていて『そういえばまだ名前知らない』と気づいたのだ。


「そういえばさ、俺まだ名前言ってなかったよね。俺はレイ、ファミリーネームはなくて本当にレイって名前だけ」


 少し静寂が居心地悪いので新たに明るくなれそうな話題に切り替えることも兼ねて聞いてみる。


「・・・レイ・・・レイ」


 噛みしめるように繰り返す天使ちゃん。ああその綺麗な声で俺の名前を呼んでくれる・・・それだけで俺はもう死んでもいい。

 そして復唱が止んでしばらくするとボソッと「・・・ミシェル」とだけ呟くとまた黙り込んでしまった。

 

 だが俺はその言葉を聞いただけでなぜか満たされた気持ちになり、ミシェルと同じく何度も何度も復唱をした。

ちなみにミシェルの話がいきなり飛ぶのはせってゲフンゲフン。キャラの性格上です。

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