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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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イケメンの暴走。

迷走中。


「私はそろそろ学校に戻りますね。」



そう言い残してメロは席を立った。自分の分のお金はしっかりテーブルに置かれていた。別に構わないのに。

一人になった私は追加で抹茶シフォンを注文してスマホを確認。どこからも連絡はきていない。今日はこのまま帰っても良さそうだ。たまにはゆっくり湯船に浸かりたい。

この後の至福の時間に思いを馳せていると、横の椅子が引かれた音がした。ビックリして視線をやれば、少し前に見た顔が不機嫌なのを隠そうともせずこちらを見ている。



「デート終わった?」

「え?まぁ終わったけど。もしかして学校からずっと付いてきてたの?」



付けられていたとしてもメロが気付きそうなものだが。そもそもこのイケメンがストーカー行為をするわけないだろう。



「悪い?何処行くのか気になっちゃ。」



ストーカー行為していたよ。店員に注文をしたレイル君はぶすくれたままだ。いや、悪いからね?

彼の対応に困っていると、今度は前からガタガタと音がした。見れば隣の彼とよく似た顔が。



「カイル様まで…?」

「俺はそこの弟のような邪な気持ちはないから安心してくれ。」



どうやら今の私とレイル君の会話を聞いていたようだ。たまたま見かけて一人だったから声を掛けようと店に入ったら、ほんの少しの間にレイル君が現れていたようで。



「それとサラ、もう俺は王子じゃないから様はいらないとこの前言ったはずだが?」

「いや、キラキラ王子スマイル振り撒いておいて何を仰る…。」



一度役所に顔を出してくれた時に言われたのだが正直無理だ。オーラ半端ない。直視出来ない、顔赤い自信がある。



「サラ…兄さんのことが好きなの?」

「へ!?何言ってんのかな!?」

「だって僕の時と反応違うじゃん!」



突如騒ぎだしたレイル君に店内の視線が痛い。彼はそのままカイル様にも噛み付き始めたが、そっちは軽くあしらわれている。うーん、流石兄弟。日常茶飯事なのかな?

そんな二人の様子をほっこり見ていたいが、まずは彼の誤解を解かなければ。



「私はカイル様のこと好きじゃないよ。あー、えっと、恋愛的な意味でね。このまま独身貴族貫こうかなって思ってるし。」



前世今世通して彼氏というものに縁のなかった私。勿論好きになった人はいたけども、だいたい告白する前に彼女がいるのが発覚して散っていたので残念ながら彼氏いない歴=年齢だ。



「サラ、流石にそれは勿体無いぞ?」

「え、でも私需要ないと思いますし…。」

「はぁ?」



何言っちゃってんのこの子!と叫びながら肩をつかまれてグワングワンされる。待ってほしい、私今カップ持ってるんですけど?中身零れてるんですけど?カイル様、コーヒー堪能してないで弟止めてくださいよ!



「独身とか絶対許さないよ?なんなら僕が結婚してあげるから。」



凄くときめく台詞言われているけど、コーヒー飛び散った顔と服で言うもんじゃないから。「プロポーズするなら綺麗にしろよ。」「あ、いけない。」じゃないですから。兄弟揃ってズレてますね。



「お気持ちだけで…。」



あ、また般若の顔になった。











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