大会まであと少し ①
城内の騎士が集う訓練場に第二騎士団はいた
「というわけで来たる7日後に国で行われる武闘会に我が第二騎士団が参加する事となった。今回は異例ではあるが王立っての希望で隣国随一と名高いユリウスの龍騎士団との決戦の場を設けられた。ついては、、、」
訓練場の敬礼台に登る1人の少年は響く声で団員に語りかける
副団長の1人である俺もあいつを下から見上げた
イルside
約2年前、この国に突如現れたその少年は身を
震わせ意識を失った状態だった
城内にカイルが帰還した姿をイルは今でも覚えている
まるで大事なものを壊さないように大切に抱き抱えているようだった
瞬間、その風貌にイルは眼を奪われた
白い肌に銀翼の髪をもつ美しい少年
イルの胸に静かで熱い何かが脈打った瞬間だったー
意識を取り戻したシルスにカイルは騎士団の入団を勧めた
最初はあの身なりだし、カイルが連れてきた事もあって城内ではあらぬ噂を出す奴もいた
"あんな餓鬼に何が出来るんだっ"
"どうせカイルの女だろう"
"何処ぞとも知らぬ奴を招いて総長は何考えてんだか"
正直、その頃の俺も連中達と同じような考えを抱いていた
あんな華奢で女みたいな身なりのただの子供。
そんな奴に騎士団なんて到底できたもんじゃない、、と。
奴が来て1年、噂が城内で浸透した頃
第二騎士団では一つの朗報が届けられた
「え?シルスが第二騎士団長だとっ?」
思わず声を荒げるイルに対し、冷ややかな口調で言葉を交わすテル
「ああ、'あの'無能な第二騎士団長様が亡くなったんで枠が空いたらしい」
「だからって、、なんであんな奴に⁈せっかく団長が死んで体制を変えるチャンスだってのに!今度は子供のお守りかよっ」
今思え返せば当時の第二騎士団長は本当に屑野郎だった
騎士団の中でも特に若い輩の集合体だった俺たちは血の気がある奴ばかりで何かと騒動を起こしていた
だが、1番イラつくのはやる気のない上司と戦場にでた時、仲間が倒れてもピクリとも動かず安全な後衛で身を固める屑団長だった
まぁ、最後はあっさり矢で射抜かれて死んだけどな
だからこそ、屑野郎が死んだ今が体制を変えれる機会だと双子は考えていた・・のにーー
「ふざけやがって⁉︎なんで俺達があんな女みたいなやつにっ!!」
イルは怒りのままに思い切り拳を壁にぶつけた




