自身の正体3
「生きてる…?アキ」
未だに震える声で俺はアキに声をかけた。
時間が分からない中、冷たい土の上で空を見た。
夜明け前だったのがいつの間にか太陽が昇っていた。
「あぁ…生きてるよ
迂闊だったな…そもそも転生したら確定で人間に転生するって思ってたのが間違いだった
俺はそういう転生系の作品をよく知らないから…」
「俺もこういう展開の作品はたいして知らないな
何回も言ってるけどこれからどうする?」
震える体を無視して立ち上がる。
「あいつらを見ると人里で暮らすのも一苦労だな」
アキも同じように起き上がる。
「ラグナ…だったか?奴が言ってた魔人特有の魔力の性質さえどうにかできれば人里にいることも可能だろうな…」
「確かにそうだけどさ、どうやって魔力とかを学ぶんだよ
それって知らない格闘術を独学で学ぶよりも大変じゃないか?」
「それはそうだな…プランは三つだ」
アキは指を三本立てて口を開いた。
「一つ目はこのまま迫害されても耐えて人里に残るか
二つ目は独学で魔力やそういう物を学んでいくか………」
最後の一つを言う直前、アキの体が一瞬硬直したような気がした。
「同じようなを魔人の集落見つけてそこで学ばせてもらうか」
俺は驚いていた。
痛みで思考が回っていなく大した思考を俺は出来ていない。
それなのに同じぐらい暴行を受けたアキは思考を全く止めていなかった。
いったいどうしてそこまですぐ立ち直れるのだろう。
「まあ…一つ目は論外だとして二つ目も俺は出来る予感がしない
消去法として三つ目しかないんじゃないか?
けどそうなると問題点が出てくるよ?」
俺はアキを見て体が鼓舞されていた。
言葉を遮るようにアキは続けた。
「あぁ分かってる魔人の集落がどこにあるか分からないし早く自衛の手段を見つけないと先に人に殺される……どうしようか…」
アキは血にまみれた体を見ながら言った。
「魔人の集落が分からない……? 自衛の手段を見つけないといけない…?」
俺は解決策を考える。
極限状態の体では思考はまとまらない。
その摩耗した脳みそはある方法を提示していた。
リスクが馬鹿ほどデカいがもし成功したらその両方を達成することができる。
「なあアキ…ラグナってさ魔人を恨んでるんだよな?
でクソほど強いじゃん?」
アキもその方法に気づく、瞳孔が大きくなり怖いほど俺を一瞥する。
「ラグナって魔人の集落知ってんじゃね?」




