第29話 最終迷宮への『手がかり』・後編
アイテムポーチを開くと、これまでに手に入れたドロップアイテムがずらりと表示された。
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『アイテムポーチ』
・星妖精のインク(緑) ×7
・星妖精のインク(赤) ×9
・星妖精のインク(青) ×6
・星妖精のインク(銀) ×6
・星妖精のインク(茶) ×8
・星妖精のインク(黄) ×5
・星妖精のカケラ ×3
・マナストーン(小) ×374
・ナイト=ペイン(剣) ×1
・マナストーン(中) ×3
・神絵師の最上インク(黒) ×6
・神絵師の最上インク(白) ×5
・マナストーン(大) ×1
・ダンジョンコア(☆2) ×1
・緑小鬼の牙 ×52
・緑小鬼の首飾り ×7
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手に入れたドロップアイテムはこんな感じ。
ナイト=ペインはすでに確認済みなので、それ以外のアイテムの詳細を見ていく。
まずは、星画天蓋で手に入れた『インク』。
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【星妖精のインク】
このインクを用いて星の絵を描き、その絵に魔力を流すと星妖精を召喚できる。召喚した星妖精はマナストーンで動く。
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【神絵師の最上インク】
このインクを用いれば、どんなモンスターでも召喚できる。星妖精のインクと併用可。召喚したモンスターはマナストーンで動く。
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「なるほど、モンスター召喚用アイテムか。
どうせなら、絵が上手い人に使ってほしいな」
というわけで、
村人の中から絵が上手い人を募集してみた。
すると、1人の日本人男性がスッと手をあげた。
「俺に任せてもらえないだろうか?」
どことなく秋葉原とかにいそうな感じのおじさん。
絵がうまそうな雰囲気を放っている。
なんか親近感が湧くし、この人でいいだろう。
「よろしく頼む」
俺は彼にインクを渡す。
彼はコクリとうなづき、さっそく描き始めた。
――スサササササッ!
彼は手慣れた手つきて、筆を走らせる。おそらく、前の世界で絵関係の仕事をしていたのだろう。
まさに、神絵師だ。
「ここをこうして……これで、完成だ!」
「ふぅ!」と達成感に満ちた息を吐く。
彼が全力を出して描ききったモノ。
それは、
――『萌えキャラ』だった。
(わぁ、すごくカワイイ!
――って、オイ!)
途中からなんとなく気がついていたけど、まさか本当に2次元の萌えキャラを描き切るとは。
他人の目を気にせず好きなものに全力を出せるその心意気、嫌いじゃないけど予想外すぎて反応に困る。
(……しかも、なんか見たことある絵だな)
「……なぁ、このキャラって」
「あぁ、そうだ。
ホロチャンに所属している大人気VTuber。
『恋詩ほのか』ちゃんだ!」
(ホロチャンのファンじゃねーか!)
「その、なんだ……著作権とか大丈夫なのか?」
「フッ、ところどころ手を加えてある。
パクリではない、オマージュだ。
それに、この世界に著作権などない!」
(この男、強すぎる……)
彼はその後、ホロチャンのVTuberを全員描ききった。彼の表情には、一切の罪悪感がない。
こうして生まれたVTuberたちは村の広告塔に就任し、非常に多くの移住者を集めることになるのだが、この話はまた今度でいいだろう。
ちなみに、この男は自分のことを『馬茶豚彦』と名乗った。偽名だとは思うが、そこまでやられたら俺はもう何も言えない。完敗だ。
(まぁ、なんだかんだ仲良くなれそうだな。
悪友にほしいタイプだ)
「よし、次に行こう」
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【マナストーン】
特定アイテムのエネルギー源となる。
換金用アイテムでもある。
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これは、既知情報だ。
すでに建築用ゴーレムのエネルギー源として使用したことがあるので、多くは触れなくて良いだろう。
次だ。
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【星妖精のカケラ】
【緑小鬼の牙】
【緑小鬼の首飾り】
アイテム交換所で手に入る『魔導書ガチャ券』との交換ポイントに還元できるアイテム。
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「魔導書ガチャ……唐突なガチャ要素来たな」
魔導書……読むとスキルを覚えられるらしい。
記載されているスキルはランダムだが、ガチャの種類によってピックアップスキルや排出率が決まっているようだ。
例えば、『星妖精のカケラ』。
これは『銀の魔導書ガチャ(魔)券』と交換できるらしい。魔法攻撃系のスキルが高確率で手に入るガチャのようだ。
レアスキル排出率は、銅→銀→金の順に上がる。
ガチャは100Ptで1回引けるらしい。
星妖精のカケラは1個で10Pt。
ぜんぜん足りない。
まぁ、ガチャはまた今度でいいだろう。
そして、最後。
ダンジョンコアを確認する。
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【ダンジョンコア(☆2)】
☆1〜☆5までのコアを集めると、最終ダンジョン『災厄』へ招待される。
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「見た目、めっちゃドラゴンボ○ルだな!」
透明なオレンジ色の球体。
真ん中に、赤い星が2つ入っている。
某人気マンガに出てくるアレである。
ただ、全部で5つ集めればOKらしい。
緑色の龍(シェンロ○)も出てこなさそうだ。
(個人的には、願いを叶えてくれた方が嬉しいんだが。いや、強敵と戦える方がいいか……?)
ダンジョンコアを5つすべて集めた時の特典。
それは、最終ダンジョン『災厄』に挑戦する権利だった。
「災厄……いったい、どんな迷宮なんだ?」
気になったので、 『i tube』や『i board』を使って調べてみることにした。
しかし、
「……ぜんぜん検索に引っかからないな」
災厄についての情報は何1つ手に入らなかった。
それもそのはず。ダンジョンコアを手にしたのは、俺が初なのだから。
最終ダンジョン『災厄』が存在するという情報自体が、人類にとって大きな進歩なのだ。
なんなら、世界に向けて発信するべき情報だろう。
面倒くさいので、たぶんしないが。
「うーん、気になるなぁ。
どっかに災厄の情報落ちてないかなぁ」
そんな風にヤキモキしていると、
「そんなに眉をひそめてどうしたの?」
「わたしも絵を描きたい!」と1人で星妖精の絵を描いていたルナリアが、俺の表情が優れないことに気がつき、首を傾げた。
ちなみに、ルナリアの絵は『非常に個性がある』ので、斬新な星妖精たちが量産されてしまった。ルナリアの膨大な魔力をもらった絵たちは非常にエネルギッシュではあったが、どこか挙動がおかしい。
「『災厄』っていう迷宮について何か知らないか?」
「知ってるよ」
「そりゃ知らないよな。
すまん、すまん。
――いや知ってるんかい!」
――ビシッ!
思わず芸人みたいに突っ込んでしまった。
「うん、昔、おじいちゃんが話してた」
「(ゴクリ)。
……おじいちゃんはなんて言っていたんだ?」
俺は、固唾を飲んでルナリアの回答を待つ。
彼女は記憶を辿るように少し目を瞑ってから、
「わたし、あんなに真剣なおじいちゃんを初めて見たわ。おじいちゃんは、あの時、こう言っていたの」
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もし災厄に招かれたのなら、
たとえ目の前で何千何万の命が奪われようと、
仲間たちが人形のように引き裂かれようと、
あの者たちが邪悪の限りを尽くそうと、
決して、戦いを挑んではならない。
自分のことだけを考えて必死に逃げなさい。
――あれはもはや、迷宮ではない。
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※補足情報
…おじいちゃんは『2回』災厄を経験しています。
つまり、ルナリアが旅立つ前に1回。
ルナリアが旅立った後にもう1回。
2回目はルナリアの故郷で開かれました。
2回目のことは、ルナリアは知っていません。
今は、まだ。




