205号室 笛田 茉由
平子は205号室のインターホンを鳴らした。平子はドキドキしていた。なぜなら荷物の宛先に「笛田茉由」と書かれていた。もしかしたらあの「転生探偵」の作者:フエダマユかもしれない。きっとそうに違いないと平子は思っていた。すると、「ガチャッ」と扉が開いた。中から美人な女性:笛田が出てきた。平子は憧れの人を目の前に本来の目的を忘れ笛田に見惚れていた。平子はハッと我に返って笛田に受け取りサインと引き換えに荷物を渡した。平子はちらっと家の奥を覗くと「小説家になろう」のページを開いたパソコンが置いてあるのが見えた。平子の中でフエダマユと205号室の笛田茉由が同一人物だと確信に変わった。平子はまだ笛田をじっと見つめていた。
「あのー、、」
困惑した表情の笛田は平子に声をかけた。
「あ、すいません。最近ここのマンションの担当になった平子です。よろしくお願いします。」
平子は笛田に自分の名前を覚えてもらえるように挨拶をした。笛田はニコッと笑顔を作って「よろしくお願いします」と返した。
平子は今日の出来事を石飛に話さずにはいられなかった。
「ふーん。でも本当にあのフエダマユかどうかはまだわからなくない?偶然かもしれないし」
石飛は冷静に言い放った。しかし平子は別人だと疑うことはしなかった。