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後編 悪心か善心か、立場によって変わる

「魔道具には一番新しい使用者の魔力が残る。…魔道具を盗んだ可能性もある以上、ディセンド公が一連の襲撃と関わっているなど信じたくはなかった」


 苦渋に満ちた顔。王太子はまだ私への情が残っているらしい。


「ディセンド公が無実であると証明するため、徹底的に調査したさ……だが出てきたのはむしろ黒であると見られる証拠ばかり。貴公が何者かに嵌められたと思って調べ続けても、無実に至るものが出てこないっ…」


「…バルノワ、今一度問う。そなたが一連の事件の首謀者だと言われているっ、申し開きがあるなら聞こう…!」


 悲痛な形相で私を見る王。

 王は私が首謀者だとしてもどうにか減刑できる材料を欲している。


 今までの私なら王に応え、王の意志に沿うよう動いただろう。


「いいえ、何も申すことはありません」


 今の私は、期待に応えてやらない。


「…な、何故だ!そなたが、このベルデュエルに誠心誠意仕えてくれていたそなたがっ、そのようなことをするはずがないっ!」


「人とは多くの一面を持つものです。ベルデュエルに仕えていた私も一面の一つ…様々な者と相対する立場であられる陛下ならば知っておられるでしょう」


「だがっ、だが!到底信じることは出来ん!嵌められたのだろう!?薄汚い欲望を持つ誰かに嵌められたのだそなたは!!」


「私の言動は私が己の意志で全て行っております。そこに他者の意志の介入などありはしません」


「そんな、有り得んっ。何かの間違いだ!間違いでなくてはならんのだ!!」


 半狂乱になって叫ぶ王のなんと哀れなことか。悲しみ、怒り、疑問、失望、不信…。渦巻く感情が王の中で暴れている。


 目だけで謁見の間を見渡すと他の貴族も似たり寄ったりの様子。


 無理もない。私は欲を見せず、ただ真摯に貴族たちと接してきた。誠心誠意、清廉潔白。貴族社会での私のイメージは確固たるもので、だからこそ私の世話になった貴族も多い。

 どんなに目下の者相手でもその姿勢は変わらず、弱みを見せても全くつけ込むことをしない。そうした振る舞いを私が社交界デビューした十五の頃、否、それ以前から続けてきた。


「バルノワ、そなたはずっと理想の貴族を貫き続け疲れたのだっ、そうに違いない!一時の気の迷いだったのだろ、そこを悪しき者に利用されたのだっ。…そうだ!近頃魔族どもが動きを見せていると聞く、そなたがおかしくなったのは魔族のせいに違いない!」


 ああ、昔から変わらない。この王はやはりかつての、偏見に凝り固まった目を私に向けた、肉親だった頃のままだ。


 この身に流れる半分は王の血。


 しかし私に王子を名乗る資格はない。闇の属性を示した者が王家の一員にいるのは外聞が悪いと、王弟のもとへ養子に出されたのだから。

 前ディセンド公爵。その方が私の養父であり育ての親。私が尊敬する人物の一人。すでにこの世から離れてしまった、亡き恩人。


「…申し上げたでしょう。私の意志に介入した者はいないと」


「っ…理由を、聞かせてほしい。何故バルノワ兄上がこんなことを!」


「シーリアス殿下、公の場でその呼び名は不適切です」


「そんなことを言っている場合かっ!お答えを、兄上!」


 私の忠告にも耳を貸さないとは、王太子もよほど私の悪行がこたえたらしい。世間的には従兄弟という関係になっており、王太子もそれを疑っていないためプライベートでは私を「兄」と呼ぶ。仲も良好。


「……復讐か?恨んでいるのか我をっ」


「父上?恨みとはなんですか!?どういうことですか!?」


「バルノワ、そなたを王家の一員としなかったから、“シュヴァルツ”を死んだ者としてそなたを弟の子としたことを恨んでおるのか!?」


「“シュヴァルツ”…病で亡くなったとされる私の前に生まれた第一王子の名ですよね、父上。まさかバルノワ兄上が、その――」


「めったなことを言うものではありません、シーリアス殿下。発言にはお気をつけを」


 やれやれ、危ういな。王も王太子も。私がさえぎらなければ公の場でした明確な証言になってしまっただろう。

 王家が自分の都合で王子を追い出したと、他国や自国の貴族につつかれる言質をとられてどうする。そこから王子を追い出した理由を追及され、王家に忌み子が生まれた事実が明るみになればベルデュエルに未来はない。


 さえぎった一番の理由は私がベルデュエル王家の王子だと他国に広まり、面倒な厄介ごとに巻き込まれたくないからだが。


 王家への復讐うんぬんという動機はいっさいない。私は国崩しをやってみたかっただけだ。



「いいでしょう、私が王国を揺るがす事態を引き起こした訳をお話しいたします」


 さすがに潮時だろう。王侯貴族たちに絶望と危機感は与えられた。あとは私が引き際を誤らなければいい。


「私は―――」



「ディセンド公爵を、バルノワ様を闇の道へ追いやったのは、このベルデュエルの価値観と王家、ディセンド公爵家が原因なのです!」



 ……は?


「闇属性が不吉だと王家が追い出したから、親に捨てられた思ったバルノワ様が歪んでしまったのは仕方ないこと。また歪んでしまったバルノワ様を前ディセンド公爵様が冷遇したから孤独に陥ったのですわ!」


 この女は何を言っているんだ?あまりに堂々と捏造した私の動機を語り出したから思考が止まったではないか。

 うん、意味が分からない。やはり私はこのディザイア子爵令嬢が苦手、というより生理的に受け付けないな。馬鹿すぎて…行動が予測不能すぎて気味が悪い。許可した覚えもないのに私の名を呼ぶな虫唾むしずが走る。


 あとふざけるなこの阿婆擦あばずれが!養父上ちちうえを侮辱して上から目線で私の過去を捏造するんじゃない。養父は本当にあの王の弟かと疑いたくなるほど尊敬できる偉大な人だった。そんな人をこの女はっ…許せん。


 そして何を勝手に王家が私を追い出した理由を暴露しているんだ。先ほど私が王太子の言葉を止めた意味がないじゃないか。


 隠していた私の魔法属性を貴様が知っているのもげせぬ。



『…やっぱりこの人間(ヒューム)の女は大っ嫌いだわ!なんでこんなのが“フェレス”の目の前に存在しているの!?アタシの“フェレス”がけがれちゃうっ』


 静かにことの推移を見守っていたテネブライがとうとう我慢できずに叫んだ。私にしか聞こえていない彼女の声に合わせて、左肩に熱い感覚が広がる。


『何故自分が世界の中心みたいに思えるの?ここは、この世界プレアソードはっ、現実なのよ…全ての生き物が意志を持って動いている。物語に出てくる作者の意志通りに動く人形キャラクター舞台装置はいけいではないのに!』


 慟哭じみた激しい怒りの奔流が伝わってくる。彼女がここまで怒る理由を私は知らない。だが、ディザイア子爵令嬢のせいであることは分かる。


 テネブライをこんなにも悲しませ、怒らせるとは…ことごとく私の地雷を踏み抜く女だなぁ。



 ふつふつと湧く怒り。ディザイア子爵令嬢を殺してやりたくなる。

 そんな私の思いを微塵も察することなくディザイア子爵令嬢の一方的な語りは続いている。


「孤独になり心が闇に蝕まれたバルノワ様は流れの旅人と名乗る獣人ビーストの親子の口車に乗せられ、王国に巣食う下劣な賊の仲間になってしまったのです……おかわいそうに優しさを心に残していたバルノワ様は賊たちの不幸な身の上話を聞き国への悲哀を募らせていきました。そして賊たちはバルノワ様の優しさにつけ込み、利用した…っ」


 大きな瞳が潤み、目じりに大粒の雫がたまる。今にも零れ落ちそうな涙を浮かべ全身を震わせながら思いのたけをぶつけるディザイア子爵令嬢。

 この女の異常性に気づいていない者の目には健気な少女としてさぞかし同情的に映ることだろう。


 知るはずがない情報を嘘を混ぜてさも真実のごとく喋っていなければ。


「バルノワ様!わたしは貴方が本当は誰よりも優しく情にあふれた方だと知っています。貴方が罪人として裁かれた影響で領地が傾かないよう、領民や公爵家の人たちのために入念に準備し手配しているのでしょう?今までいなくなった貴族たちの領地も襲撃や不祥事で領主が不在になっても立て直せるよう、自ら綿密に調査した優れた良い貴族を後任にあてがったのでしょう?」


 知らないことはないのだと胸を張るディザイア子爵令嬢にイラつく。確かにそうなるよう手配していたが、公爵家のこと以外は理由が見当はずれ。私はなにも優しさから他貴族の後任を用意したのではない。


「そもそも襲撃された貴族も不祥事が明るみになった貴族も全員後ろ暗い所がある人たちばかりでした。わざと族たちにそういう貴族しか狙わせないように仕向けていたんでしょうっ。王国のうみを取り除く行為でもあったんでしょう!?」


 いや、汚点を裏工作でつくった清い貴族もいたぞ。


「お認めくださいバルノワ様!罪を犯したのは貴方が優し過ぎたからだと。陛下に問われたのに余計なことを言わず自分だけに罪があるように語ったのは、利用されていても情がある賊たちを逃がすためなのだと!」


「そう…だったのかバルノワ?やはりそなたは、国の忠臣だったのか!」


「兄上…なんて尊い御心をお持ちなのかっ…。言ってくれればいくらでも話を聞き共にあったのに…!」


 ディザイア子爵令嬢め、余計なことを言っているのは貴様だ。私の心を虚言で塗り固めるんじゃないっ。急に王も王太子も復活したぞ。面倒な。


 周囲の貴族たちも感動の面持ちで見つめるな、それはこの女の妄想だ!



『ねえ“フェレス”。もうこの人間の女は消してもいいんじゃないかしら』


 私もそう思ったところだぞテネブライ。



 そろそろ仲間達・・・もじっとしていられなくなる頃合いだろうし、な。




 ああ、何故王が迂遠な話をほとんどせずに首謀者のことを言いだしたのかさすがに分かった。自分で遠ざけておきながらあの王、未だに私を肉親…己の子として見ているのか。代々我が国の王族は情に厚いが、王のそれは優しさではなく甘さだ。


 そもそも政治のために親子の関係を捨てたくせに、今なおその関係にすがっているのが見苦しい。

 そりゃあ幼い時は捨てられたことに絶望し、多少恨みはしたがそんなもの、成人する社交界デビュー前にはきれいさっぱりなくなっていた。仲間達との出会いは劇的で、毎日が楽しかったからな。


 加えて王がいなくとも養父上ちちうえが立派に親を務めてくれた。養母上ははうえもいたし、テネブライもそばにいてくれたのだから寂しいだとか愛に飢えるだとかはなかった。

 養父や養母が不幸にも亡くなってしまったのは本当に悲しかったが、仲間達が心を埋め、慰めてくれた。



 素晴らしい人たちに囲まれていたのに、どうして王を父と恋しがり、縋らねばならん?王は無条件に私も同じ気持ちでいると思っているようだが、断じて否だ。


 分かってしまうと、滑稽に過ぎる!


「…くっ…ふふっ…ふはははははははっ!!」


『クスクス。ご機嫌ね“フェレス”!何がそんなにも面白いの?』


 突然私が笑い出したことで唖然とする周囲に構わず、テネブライの問いに答える。


「ははっこれが笑わずにいられるかっ。王は捨てた子が未だに実の親を切り捨てるとは微塵も思っておらず、王太子は女に振り回されているのに無邪気に兄の存命と悪行を喜び、王太子の婚約者はどこからか知った情報のみで妄想を繰り広げて周囲を惑わす!滑稽だろう?王国始まって以来随一の愚かさだっ!」


『あら、ホント。字面だけ見るとバカバカし過ぎておかしいわ!』


「こんな奴らが国の中枢とは、笑わせてくれる。いつほろびてもおかしくないぞ、私が動かなくても近い未来に亡んでいただろうよ!」




 何せ仲間内で「デカいことやってみたいよなー。国崩しとかやってみる?いいなそれ!」という遊び感覚で始まった計画だ。

 私もこの国に見切りをつけていたし、いっそどこまでいけるか楽しみつつ全力で準備してまさかここまで国が無能とは思っていなかった。


 例え計画が途中でばれて途絶えても緩やかに亡びるよう、そこそこ優秀で清い中流から上流の貴族は軒並み最初に排除した。

 現在計画はほぼ最終段階。つまり残っているのは汚職まみれのずる賢い者かとても優秀だが国への忠誠心がない者、威張り散らすプライドだけは高い無能。


 …仲間達が優秀過ぎたのか?いや、やはりこいつらが不出来なのだろう。


 あまりに無能だから退屈で、最後に断罪されてやって本音をばらしてやろうと筋書きを途中変更。いつばれるかとワクワクして待っていたのに、ちらちら怪しい点を残しても私へ辿たどり着いてくれず、もう直接国を襲撃して亡ぼした方が早いという意見まで仲間から出る始末。

 仕方ないから王太子が気づかなかったら亡ぼそうと仲間と約束し、やきもきして今に至る。




 といった内情を謁見の間で喋った。


「シーリアス殿下がお気づきくださって良かったですよ!…まあ、鍛冶師を王族の命令で吐かせなかったのは甘すぎる処置で未熟だと思いますが」


 いくら信念を曲げない鍛冶師でも国で商売を続けられないと困るし、国を揺るがす大事件の首謀者を追っていると言えば大抵の鍛冶師は協力してくれただろう。私に忠誠を誓ってくれている彼はそれでも口を割らなかったかもしれないが、今回に限ってはあらかじめ権力で命令されたら答えるよう言っておいた。


 その前に気づいてほしい。なかなか手掛かりをつかめない賊が王太子襲撃の際だけ武器の制作印を見せるという愚を犯した不可解さに。


 やれやれと溜息をつく。


「お分かりいただけましたか?私は国の忠臣ではありません。私は私の娯楽ために逆賊となったのですよ」


 笑いながら言ってやる。私は誰かのためなどと自己犠牲あふれる精神も偽善も持ち合わせていない。


「う…嘘よ…バルノワ様がそんな考え方をするはずがないわ!だって、貴方は優しくて思いやりがあって…」


「では逆に聞きたいのですが、ディザイア子爵令嬢。私と関わりがほとんどなかった貴女がどうして私のことを全て知っているように話せるのですか?勝手に私の思想を決めつけないでいただきたい、不愉快だ」


「それは、だって、学園に在籍していた頃にも卒業後も何度も話す機会があったじゃないですか」


「話す?一方的に喋ることは会話とは呼ばないと思いますが」


「そんな、ひどい。あんなに心配したのに、優しく微笑んでくださったのにっ」


「貴族なら愛想笑いが出来て当然です。心配したのはディザイア子爵令嬢の独断。初めに必ず言いましたよね、仕事があるのでお戻りくださいと」


「でもっちゃんと話を聞いてくれて」


「理想の貴族を体現するならどんな相手でも話しかけてきた人を放置するのは悪手です。話したくなくともね。だから最低限の相槌しかしなかったでしょう」


 ショックを受けたような顔で私を見つめてくるが、貴様の感情など知ったことではない。


「そんな…おかしいわ…だってバルノワ様は悪役にならざるをえなかっただけで本当はとても良い人のはずなのに…断罪シーンで『あの時気にかけてくれたのは貴女だけだった』って言って心情を吐露してヒロインが王家に減刑を訴えて……」


 ぶつぶつとディザイア子爵令嬢が独り言をもらしている。不気味だ。止めろ私を変な目で見るな。


『この人間ヒュームには何を言っても無駄よ“フェレス”。思い込みが激し過ぎて矯正は不可能だから。まったく、“フェレス”を汚れきった目で見ないでほしいわ』


 イライラした声音でテネブライが告げる内容に納得。

 思い込みが激しいのも考えものだな。はた迷惑だ。さっさと誰か子息が、ああ、婚約者の王太子でもいいか、とにかくこの女に惚れている男が首輪とリードを着けてほしいものだ。


 私とディザイア子爵令嬢のやりとりの最中、王族は誰も言葉を発さなかったがいいのかそれで。




「では計画も話し終えてしまいましたし、もう話すことがありませんよね。これにて失礼させていただきます」


 王の許可を得ずに立ち上がり、礼をとる。慇懃無礼な態度はご愛嬌。



 この後は国外に逃亡して行方をくらませ、ひとまず獣人ビースト竜人ドラゴニアンが多く住むと言われる混沌大陸にでも向かうつもりだ。


 船を使わなければならないのは少々厄介だが、亡き友人の故郷を訪れたかったので面倒だとは感じない。仲間達の内それなりの数が同行したいと言っていたから道中退屈することはないだろう。


 仲間と国外旅行か。胸が躍る。



 踵を返し意気揚々と出入り口へ足を踏み出すと、まあ当然のごとく後方に控えていた二人の騎士たちが慌てて動き出す。ただし、私を止めようと動いているのは来るときに左側にいた騎士のみ。


 止めようとした騎士を退けようと魔法を発動させ――


「お待ちくださいっバルノワ様!わたしはっわたしは本当は貴方のことがっ」


「その軽薄で耳障りな口を閉じろ低能女」


 ――ようとした所で、背後からディザイア子爵令嬢が小走りで私に近寄り触れようとしてきたのを防ぐべく、私と令嬢との間に人が現れた。


 私の仲間の一人、ヴェルデ・イー・フルスタ。国境の砦がある領地を治めるフルスタ伯爵家の次男。心安らぐ新緑色の髪と瞳を持つ細身の男。私の二つ年下で王太子と同輩だ。

 将来有望と評判の美形文官で、私が断罪されていたのを眺める重鎮たちの列にいた。冷たい印象を受ける風貌が、ディザイア子爵令嬢を見てさらに鋭利な空気を纏っている。


 私が終わったと言ったために、もう関係ない部外者の振りをやめて私のそばへ駆けつけたのだろう。


「先ほどから黙って聞いていれば頭のおかしな話ばかり…。閣下は貴様のことを不快だと言っただろう、その辺の頭が弱い子息と同じだと思うなっというか近寄るな!恥を知れ目障りだ消えろ、男を侍らすことしか考えてない雌犬がっ!」


「なっな、なにを、言ってっ。失礼じゃないですか貴方っ!」


「止めろヴェルデ。このご令嬢のために思考時間をいてやる必要はない」


「っは!そうですね、こんな女のために無駄な時間を使ってしまった…行きましょう閣下、皆準備を整え終えてます」


「ああ」


 隣に――心もち半歩後ろに――ヴェルデが並び、再び歩を進めようとする、が。


「待てバルノワっ、まさかヴェルデ・イー・フルスタも共犯者なのか!?」


 歩き出す前に王から叫ばれる。…今日は出ばなをくじかれることが多い日だ。


「だったら何だというのです?」


「そ、そやつはラーフィレの教師で宰相補佐ではないか!」


「ええ、そうですね。だから?」


「…っ…そんな…馬鹿な……ありえん…」


 パクパクと口を動かすが言葉になっていないぞ王よ。


 御年十四になられるラーフィレ第二王女殿下の一時的な家庭教師役を任されるほどヴェルデは上から評価されていた。しかも学園卒業後すぐに宰相補佐に任命されるほどの優秀で信頼厚い人物でもある。


 下手をしたら私と同じくらい逆賊であることが信じられない人物ではないだろうか。

 ほら、謁見の間にいる貴族たちの何人かは目をこれでもかと開いているし。宰相は驚きすぎて顔色が白くなっている。


「ヴェルデっ…こんなことをして、フルスタ伯爵家はどうするんだ!国への反逆は大罪だ!一族郎党死刑になってしまうぞ!?」


「ご随意に。私はそれで構いません。数年前の流行り病で運悪く一族の大半が亡くなっていますし、残っている一族の者も私にとって大切な存在ではなく、かつ利益にもならない者しかいませんから」


「…ひ、非道だ!お前には血も涙もないのか!?」


「貴方にどう思われようと知ったことじゃない」


 学友であった王太子の非難もなんのその、ヴェルデはばっさり切り捨てる。仲間には優しいがそれ以外に容赦ないからなぁ、ヴェルデは。


「変よ…おかしいわ…ぜんぜんシナリオと違うじゃないっ…こんな展開有り得ないわ。どこか、どこかで選択肢をミスった?いいえ、わたしの選択は完ぺきだったはず。でもじゃあどうして…」


 またぶつぶつ独り言を言っている、この女は頭大丈夫か?

 一人で百面相しながらつぶやく言葉を拾うと「攻略対象」だの「乙女ゲーム」だの「フラグ」だのと言っている。


 …?なんだ?今一瞬これらの言葉の意味を理解していたような気がするが。こうりゃくたいしょう、おとめげーむ、ふらぐ…分からない。どういう意味の言葉だ。


 昔からこうだ。時折自分で言った言葉や考えたことで混乱することがあった。その度にテネブライに尋ねるのだが大した意味はないと有耶無耶にされる。

 日常生活で不便に思うこともないのでまあいいかと流すのが常だ。


 今回の事も忘れよう。



「そうだわ!わたしと同じ転生者がいてシナリオを変えたのよっ。何で今まで気づかなかったのかしら」


 ディザイア子爵令嬢の中で結論が出たらしい。


「転生者がわたしだけじゃない可能性を考えていなきゃダメだったのに…でもバルノワ様本人は行動パターンを変えていないからそばの誰かが転生者なのかも…バルノワ様!お尋ねしたいのですけど、近くにすごく未来予測が当たる人っていませんか!?もしくはまるで未来を知っているみたいに動いている人とか、次々と今までにない発明をしている人とか」


「…心当たりはありませんね」


「そんなはずありません!いるはずです!ベルデュエル人っぽくない奇妙な行動や考え方をするベルデュエルの人とかっ」


 それは貴様だろう、とツッコんではいけないのか。


「はあ…もういいでしょうか?時間の無駄です。…ヴェルデ!行くぞ」


「はい!」


「待ってくださいっ、話は終わってません!」


「まだ言うのですか」


 これ以上とどまっていたら国外逃亡に差支さしつかえるし、仲間達も待たせているだろうから早く退場したいのだが。



 それと、私の騎士も限界みたいだからな。



「とても、とても重要なことなのです!わたしが本当にお慕いしているのは――」


「お黙りなさい!それ以上この御方の耳に煩わしいことを入れないでくださいますっ?」



 ほら、騎士様が出てきてしまった。


「貴女は、女狐カメリア!」


「まあ、女狐だなんて口が悪いですわよ。淑女失格だわ」


 上品に口元を隠して微笑する、腰に剣を装備した鮮やかな紅色の髪の女性。私の行動を止めなかった右後方にいた騎士。

 幻惑魔法を解いて騎士の甲冑が消えた姿はベルデュエル随一の美女といえる。緩く波打つ髪を後ろで一つに結っていて、令嬢が着ないような軽装に身を包んでいるがスタイル抜群のその美貌は色あせていない。


 カメリア・ポア・レイレッド。ベルデュエルの騎士団団長を務めるレイレッド侯爵の娘。彼女自身も剣の腕が立つ騎士である。ディザイア子爵令嬢のたった一歳上なだけであるのに、女性といって差支えない大人びた雰囲気の令嬢。

 六年も前から私と交流のある、仲間の一人だ。


 そして、王太子の元婚約者でもある。


「カメリア…!何故君がここに」


「気安く名を呼ばないでいただけますか王太子殿下。やっと婚約を破棄されて関係が終わったのですから」


 つり上がり気味の意志が強そうな金の瞳が、王太子を捉えて不快気に細められる。


「やっと?よく分からないが、またレヴェリエを貶めるつもりなのか!」


「ふう…だから以前にも申し上げたではありませんか。ワタクシはレヴェリエ嬢を虐めてなどおりませんし、婚約も政略結婚の一環なのですから、特別な感情を抱いたことはないと」


「レヴェリエが嘘をついていると?それに多くの令嬢たちが君に指示されてやったと証言している!」


「きちんと証拠集めをしたのですか?自分だけが助かりたい者は他者を陥れてでも犯人を仕立てあげますのよ?」


「それは…っ、だが」


「話になりませんわね。結局、公平だと言われてきた殿下は女に狂いその他大勢と同様に視野が狭くなり、信じたいことのみしか信じなくなってしまわれた…」


 痛いことを言われた、といような顔で王太子は俯く。ディザイア子爵令嬢が絡むと公平に物事を見れなくなっている自覚はあるようだ。


腹が立つ。私の騎士に悲哀の感情を与えている王太子に。


「…ミーリャ、そんな顔をするな。共にいるのが私たちだけでは不満か?不満なら、不満を感じる暇がないほど構い倒すが」


「ルノー様っ…いいえ。不満に思うだなんてありえませんよ!でも、今以上に構っていただくのも魅力的です…嬉し過ぎて死んじゃうかもしれません」


 頬を手の甲で撫で彼女の愛称を呼びつつ聞くと、手を添えてふにゃりと緩んだ笑みを浮かべた。私の騎士は最高に魅力的な女性だな、うん。私の愛称を呼び返してくれるのもポイントが高い。


「あー…閣下、あまりカメリアばかり構うと拗ねてしまう仲間が何人かいるのでほどほどに」


「そうなのか。ではミーリャと同じくらい皆を構うことにしよう」


「……どうなっても知りませんから」


 ははは、分かっているさ。どこぞの恋愛小説の鈍感な主人公ではないのだ。私に好意を持ってくれている女性たちや、好意に近い忠誠心を持ってくれている女性たちがいるのは知っている。

 大切で可愛い仲間達だ…しっかり全員を構うに決まっているだろう?


 さて、丁度よく息抜きも出来たことだし、本気でこの王宮から出るか。


「今度こそ、行こうか」


「はい」


「ええ」


 いつの間にか残っていた騎士を無力化して床に転がしていたらしいミーリャも横に並び――やはり半歩後ろぎみの地点に――立ち、私はヴェルデとミーリャを両脇に赤い絨毯を歩き出す。



「分かったわ、カメリアが転生者なんでしょ!じゃなきゃ本来わたしがいるべきバルノワ様の隣にいるのはおかしいものっ!」



 後方からあの女が訳のわからないことをほざいているが、面倒だから無視だ。


うるさいですわね…追ってくるかもしれません、黙らせましょうか?」


「いや、いい。もうヴェルデが何かしたんじゃないか。あの女が駆け寄ってこないし」


「はい、土属性の拘束魔法をかけておいたので、しばらくは大丈夫かと」


 土属性はヴェルデの得意な魔法だ。ならば王宮から出るまで外れないだろう。歩きながら謁見の間にいる私たち以外の全員を拘束していくヴェルデ。

 納得顔で頷くミーリャを愛でつつ、出口へ。






『楽しかった?“フェレス”』


「ああ、楽しかったというか、すっきりしたな」


 謁見の間から出るとテネブライが可視化する。

 私の左肩に座る、手のひらサイズの人型。真っ白な髪とくりくりとした大きな赤い瞳。背に生える蝶のごとき半透明の黒い羽が美しい。


「ようやく纏わりついていたしがらみを取り除けたからな。ここからは自由にやれる」


『そう。今まで以上に“フェレス”のやりたいことが出来るようになるのね!もっと自由に生きる“フェレス”を楽しみにしてるわ』


「もちろんだ」 


 両脇の二人にはテネブライの声が聞こえない。森人エルフのように元から聞こえる体のつくりでもしていないと普通は聞こえないらしい。

 私に聞こえるのは彼女から祝福を受けたから。精霊から祝福を受け、名をもらうと祝福をくれた精霊の声が聞こえ、魔法が使いやすくなる。


 姿は精霊の意志によって見せたり消したりできるそうだ。ちなみに、精霊からもらった名を他者に教えてはいけない。精霊はとても気紛れだが、自分のお気に入りに対する独占欲がとても強いのだ。






 王宮の門を出て足早に私たちの拠点へ向かう。ヴェルデが言っていたように、皆王国から出る準備は終えているはずだ。


 待機させていた地味めの馬車に乗り込み、郊外にある貧民街へ急ぐ。王宮から兵が派遣される前に王都を出なけれなばらないからな。



 ガタゴトと馬車に揺られて幾ばくかすると、目的地に着いた。

 廃墟同然の建物の前には整列した仲間達の姿。人間以外にも、獣人や鉱人ドワーフ小人ホビットと、多種多様な人種が入り乱れた構成。


「準備は終わっているな?」


 自然と上がった口角のままに尋ねる。



「とーぜんです!」


「待ちくたびれましたよぉ。準備万端っす」


「どうでした王宮は?ま、どうせバカ貴族の集まりだったでしょうけど」


「はあー早く行きましょうよ“クロ様”。もう待ちきれないですよー」


「指示された荷物はこちらに」



 思い思いに返してくれる仲間達に号令をかけて、軽く三十名は超える大人数に改めて問いかける。



「もう後戻りはできない。逆賊として追手が来るかもしれないが、私に後悔はないよ。むしろ楽しくて最高の大舞台をやりきったと言える。皆はどうだ?」


「今更っすね。もちろん、後悔なんてないっすよ!」


「あたし達も最高に楽しかったですっ」


「“クロ様”についてくって決めてるんで」


 矢継ぎ早に答えてくれる仲間達。浮かんでいるのは笑顔のみ。

 ああ、この仲間達の笑顔を見ただけで、王や王太子、あの女の不快さが吹っ飛ぶ。



 私たちは間違いなく大罪を犯した咎人。多くの者を自分たちの都合で陥れ、多くの血も流し許されない悪行を行ったのだ。


 だがそれを悔いてはやらない。始めたきっかけが冗談みたいな遊びで、自分たちのためだった。なら終わるときも終わった後も、遊び気分で自分たちの主観から歓喜して流してしまおう。



―――罪でもなんでも、したいことをして後悔しない人生を送ればいいんだよ―――


―――人生楽しんだもん勝ちだろ!悪くない人生だったって言えれば幸せなんじゃねえの?―――



 まさしくその通りだと思うよ。

 今は亡き獣人の親子を思い出し、同意する。


 私がこのベルデュエル王国にしたことは悪行以外の何ものでもない。

 しかし法を犯したと言われ兵士に殺された獣人の親子は、善意から行動し過剰な偏見からいき過ぎた処罰を下された。


 獣人の親子は悪だっただろうか?断じて否だろう。否だと思うのが彼らの近しい友人であった私と仲間達だけ。

 では兵士が悪だったのだろうか?それも違う。国が人間以外の人種を排他する人種差別を推奨していた中で、偏見が生まれないはずもない。私も幼い頃は多少偏見があった。


 結局、どの立場のどういう視点で見ているかで世界の悪も正義も主観で変わるのである。



 だから楽しもう。生きたいように生きよう。心から悪行をする悪人だろうが、演じているだけの悪役だろうが、どんな目で見られても構わない。


 仲間達と楽しく歩めれば、最期は笑っていられるに違いないから。





「いやーすごかったですねぇ、面白かったですねぇ。どうも“クロ様”。貴方の仲間として活動していた者です。あ、もちろんこれからも一緒についていきますよ?ただ、もっと波乱万丈で愉快な道を増やしたいと思いまして」


 仲間の一人が前に出てくる。確かそれなりに古株で、五年前から仲間に加わった女だ。

ヴェルデとミーリャが警戒して一歩前に出る。


「私、実は魔族でして、魔王城でもけっこう上の地位なんですよぉー。で、人間の情報を大量に持っていてうまく情報を扱える人を勧誘したいわけです。どうです?一緒に魔族以外の全種族に敵対してみませんか?」


 楽しんでいたらほら。もう次の好奇心が刺激される未来の道が出てきたぞ。


「ははっそれはまた大物が出てきたものだ」


 魔族は全ての種族の中で最恐と言われる人種。しかし、不思議と恐怖はない。


「そうだな、じゃあ―――」


 勧誘に返答して、さらに楽しい日々が始まった――――。






読んでくださりありがとうございました、猫佐都です。

本当は短編予定だったのに書いているうちに長くなり、気づけばこんな状態に…。



一応本作品の補足説明と裏設定を少々。



【主人公】

主人公のバルノワ・リオ・ディセンドは転生者です。ただし記憶が薄く、本人無自覚。

あってもなくてもいいような設定に感じますが、転生者であったことで闇の精霊であるテネブライに興味を持たれ、気に入られます。

精霊は好奇心が強い設定です。

加えてテネブライの存在があったからこそ、バルノワが愛に飢えるような性格にならずにすみました。

その代わり真っ直ぐ?歪んでしまったのですけれども。

容姿は紺色の髪に群青の瞳でイケメン、色彩は祖母からの隔世遺伝だったりします。

しなやかな筋肉がついていて、高身長。豹みたいなイメージ。

バルノワがかつて王子だった時の名前はシュヴァルツです。

闇属性だと発覚したのが七歳頃。発覚と同時に王弟に養子として引き取られました。



【乙女ゲーム】

また読者の方はお気づきかと思いますが、面倒くさい女、レヴェリエ・ウィズ・ディザイア子爵令嬢も転生者です。こちらははっきりとした記憶持ちです。

彼女が前世ではまっていた乙女ゲームの舞台がベルデュエル王国にそっくりだった、という設定。

その王国にゲームヒロインのポジションで転生したのがレヴェリエ嬢。

ちなみに彼女の一押しキャラがバルノワ様だったのです…。

悪役ではありますが攻略キャラの一人として存在したのがバルノワで、ゲーム版のバルノワは精霊の祝福を受けておらず、ただの闇属性の適性者でした。

最後までレヴェリエ嬢は原作と現実のバルノワの相違点に気づけず。

…転生者がいると気づけたところまでは良かったんですがね。おしい。



【王族の数】

王族についてですが、王様の子供はバルノワを含めて五人。

バルノワが第一子で次にシーリアス殿下、他国に嫁いでしまっている長女の第一王女、学園に通う第三王子、学園に入学したばかりの第二王女という順で生まれました。

王様の側室は二人しかいません。片方はバルノワの計画で襲撃され死亡済みです。



【国崩し】

バルノワ達の国崩し計画では、王太子がバルノワが首謀者である証拠を集めて断罪できなかった場合、王様と正妃と側室以外の王族、つまり子供たち全員を殺す予定でした。

後継者不在の王国。荒れますねー。そりゃあ存続危うくなりますよね。

あと、王太子がバルノワに辿りつけたのはバルノワがお膳立てしたからです。

街中で都合よく子供たちが内情を喋ったシーン、あれは子供たちがバルノワに指示されてやったことでした。演技やばい、こどもコワイ…。

建物内での仲間達の会話は素です。会話を王太子たちが聞けるように防犯システムを切っておくよう、これまたバルノワが子供たちに指示していたのです。

あの後バルノワが事情を説明したので子供たちが大人組に怒られることはありませんでした。



【顔を見せない鍛冶師】

その存在しか登場しなかった謎の鍛冶師。バルノワの仲間の一人で、バルノワに忠誠を誓っています。

製作者の印である群青の三日月と黒い蝶は、バルノワをモチーフにしたもの。

仲間内ではバルノワに闇の精霊がついていることが有名で、黒い蝶はテネブライを指しています。

群青の月はバルノワの瞳の色で、闇属性なので夜をイメージしてつくられました。



【レイレッド侯爵家】

王太子の元婚約者であったカメリア・ポア・レイレッド侯爵令嬢ことミーリャちゃん。

彼女はレヴェリエ嬢を虐める悪役令嬢として乙女ゲームに登場していました。

しかし、現実では虐めておりません。傍観もとい静視していただけ。

ミーリャちゃんと王太子の婚約は政略的なもので、ミーリャちゃん自信は恋愛感情が皆無。

むしろ、婚約当初は王太子がミーリャちゃんに好意を寄せていました。

婚約したのはミーリャちゃんと王太子が十歳だったとき。二人は同い年です。

婚約からおよそ三年後くらいにミーリャちゃんとバルノワが出会い、その一年後にはミーリャちゃん仲間入り。

レイレッド侯爵家は教育に厳しく、リアルでいう体罰も普通にあり、ほとんど虐待の域でした。

家族間の情もなく、冷えきっていた家庭。よく耐えたねミーリャちゃん。

そのせいかミーリャちゃんも少々冷めていて割りきりのよい性格に。

出会ってすぐミーリャちゃんはバルノワに惚れてます。初恋です。

悪どいことしてもルノー様って格好いい、とか思ってます。



【世界観】

異世界プレアソードは三大陸といくつかの浮遊大陸で構成されていて、ベルデュエル王国が位置するのは三大陸の内、真ん中の大陸、中央大陸。一番人間が多い大陸です。

作中で名前が出た混沌大陸は東南に位置する三大陸の一つで、半分くらいが荒野や砂漠、山脈など大自然で、かなり過酷な環境設定なのです。

そして魔族が住む大陸は浮遊大陸。魔王が治めています。



【魔道具】

魔道具とは魔力で作動し、効果を発揮する道具の総称。照明や通信機なども魔道具。

電気の代わりに魔力を使用して動かしているとお考えください。



補足説明と裏設定は以上です。

何かご不明な点がありましたら感想と共にお聞きくださると幸いです。


本作品を最後までお読みくださったこと、とても嬉しく思います。

お気が向くようでしたら他の作品にも目をお通しください。



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