雪の花束
「ゆうちゃん!?ゆうちゃん・・・・・・!!」
ゆっきに手を引っ張られて、お外に出たらママがいて、ゆうこのことをギュッとだっこしてくれました。
「ママ・・・あのね。けむたくて、あつくて、苦しかったけどゆっきが助けてくれたんだよ・・・」
ゆうこはそう言ったんだけど、ママはゆうこばっかりほめてくれます。
変だな、と思ってゆっきの手を引っぱったら、そこには何もありませんでした・・・。
「ゆっきー・・・」
すべてが終わった後、僕は玄関で立ち尽くしていました。
あの時、玄関から出ようとしたまさにその時、ゆっきーは燃え落ちてきた火柱から、僕たちを護ってくれたのでした。溶けてゆくゆっきーを僕はただ泣きながら抱きしめることしかできませんでした。やがてその体は水になって空へ飛んでゆきました。僕は高く、高く空へ昇りゆくゆっきーをずっと見送ったのでした。
【費やした時間はときには愛の真贋の証明になるかもしれなません。だが共に過ごした時間が短くともふたりの友情は確かにそこにあったのです】
「雪だるまたちとのお別れはすみましたか?」
「太陽の精さま・・・」
僕は優子ちゃんの家をまわって、あるものを集めて回りました。
「ええ、これですべて終わりました」
「いえ、まだよ。風の精よ、あそこをご覧なさい」
「えっ?」
まだ熱い目元を拭いながらサブは太陽の精が指差した場所を見ました。そこはゆっきーが消え去ったまさにその場所。・・・そこに『風のリング』はあったのです。
「どうしてリングがここに!?さっきまで何も無かったのに・・・」
(・・・まさか!?)
あれだけ探しても見つからないはずです。そうです、リングはゆっきーの体にあったのです。
いえ正確には、彼の頭と体を繋いでいた『キレイな金属』、優子ちゃんがたまたま拾い上げたモノ・・・それこそが風のリングだったのです。
「あはははは。ゆっきー、リング、見つかったよ・・・。それもこれも君のおかげだよ・・・。だけど、どうして?どうして君はここにいないの・・・」
「風の精よ。残念ながらこの世の命はすべてゴミか熱でしかないの。だけど・・・少なくとも、雪だるまの彼らはゴミなんかじゃないわ。彼らの命は太陽より熱く輝いていたわ。もちろん規則なんかに怯まないで、友と共に危険に立ち向かった。そんなあなたも・・・ね?」
僕は太陽の精の言葉にうなずいて、手に持っていたソレを玄関の脇に供えました。
「風の精よ、行きましょうか・・・」
「・・・はい」
太陽の精に促されて僕たちは飛び立ちました。その時に僕はソレを見つめ、ゆっきーと約束を交わしました。
(これからは君の代わりに、僕が優子ちゃんを見守り続けるよ・・・)
心のなかでそう呟き、僕は彼らの生きた証に誓いをたてました。
玄関に供えられた寒椿の束、その『雪の花束』に誓いを-




