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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
神友邂逅~旅立ち~編

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第2話 やってしまった――最初の仕事で殺されかけた

――終わった。


そう思った。


だが。


目を開けると、天井があった。




「……あれ?」




木目の見える、素朴な天井。


柔らかな寝具の感触。


そして――温かい。


誰かの、体温。




「……は?」




ゆっくりと横を向く。


すぐ隣に、誰かが寝ていた。


青みがかった髪が、枕に広がっている。


白い肌。


目の包帯。


そして――




全裸。




「……………………は?」




思わず自分の体を確認する。


上着が脱がされている。


下着姿。


隣には全裸の美女。


そして、彼女はそのままワタシにキスをした。


!!!!!!




「…………………………きゃあああああああ!?」




叫び声をあげた。




「あら、起きた?」




包帯の女性が、むくりと起き上がった。


全裸のまま。


堂々と。




「お、おおおおお、起きた!? 起きてるの!?」




「起きたよ。君がうるさいから」




女性は欠伸をしながら、ベッドから降りる。


そのまま、何事もないようにローブを羽織った。




「ちょ、ちょっと待って! 待って待って!」




ワタシは布団を頭まで被った。




「何をそんなに慌ててるの?」




「慌てるでしょ!? なんでワタシ、半裸なの!? なんであんた全裸だったの!? なんで一緒に寝てたの!?」




「ああ、そういうこと」




女性は、涼しい顔で答えた。




「お礼だよ、お礼。助けてくれた」


「意味がわからない!」


「身体で返したのよ」




断言された。


やってしまったのか、ワタシはやってしまったのか!


しかも初めてを女性で!!!




「冗談よ」




女性は、クスクス笑う。




「あのね――えっと、君の名前は?」


「ア、アビ……」


「アビね。私はアオと呼んでほしい」




アオは、ベッドの横に座った。




「アビ、君は腹に剣が刺さってたんだよ? 血まみれだったんだよ? 服、脱がさないとどうにもならないでしょう」


「……それは、まあ」




確かに。


刺された。


チュウエイに。




「で、回復魔法は直接肌に触れた方が効果が高いと思った」


「……そうなのか?」




聞いたことがないが……




「私も脱いだ」


「なんで!? なんであんたが!?」


「魔力の伝導率が上がる、そんな気がした」


「…………本当に?」


「そんな気がした」




アオは、きっぱりと答えた。


そんな気がするとはどういうことだ。


でも、なんか釈然としない。




「フフフフ」




アオは、こちらをからかうように笑っている。


包帯の奥から、視線を感じる。


見えてないはずなのに、まっすぐワタシを見ているような。




「……見えてるの?」


「これはファッションみたいなものだから、気にしないで。君のことは、ちゃんと見えているよ」


「ファッション!?」


「そう、ファッション」




アオは、何でもないように答えた。




「……それ、スキル?」


「まあ、そんなところだよ」


また、はぐらかされた。


この人、質問には答えてくれるけど――


なんか、大事なことは言わない気がする。




「……で、キスは?」


「え?」


「寝起きに、キスされたんだけど」


「ああ、それね」




アオは、何でもないように答えた。




「お礼よ、お礼」




また、きっぱりと答えた。




「必要だったから、した。それだけだよ」




アオは淡々と言った。




「嫌だった?」


「……いや、その」




顔が熱くなる。


いや、嫌じゃない。


いや、ワタシは何を考えてるんだ。


むしろ、ドキドキした。


というか、命を救ってもらったんだから、キスくらいは。


そう、これは人工呼吸、人工呼吸よ!


ファーストキスじゃない!


ノーカン!ノーカン!




「嫌じゃないなら、いいじゃない」




アオは、にっこり笑った。




「また必要なら、するよ」


「ひ、必要って、どういう時に!?」


「お守りを上げるときとか、怪我をした時とか、色々あるよ」


「色々って!」


「まあ、そんなに頻繁じゃないから、安心して」




安心できない。


全然安心できない。




「さ、朝ごはんにしよう」




アオは、そう言って台所へ向かった。




「ちょっと隠してた食材で作るから」


「隠してた?」


「うん。たいしたものはできないけどね」




そう言って、アオは楽しそうに笑った。


ワタシは、ぼんやりとその背中を見つめた。


――この人、何者なんだろう。


全裸で寝てて、キスして、からかってくる。


でも、命を救ってくれた。


そして――


たぶん、とんでもなく強い。




「ねえ、アビ」


「なに?」


「さっきのキス、どうだった?」


「…………は?」


「だから、キス」




アオが、振り返って笑った。




「良かったら教えてね。参考にするから」


「参考って何に!?」


「次にするときの」


「次!?」




顔が、真っ赤になる。


この人――


からかってる。


絶対、からかってる。


確信した。


だが。


その笑顔は――


なぜか、嫌いになれなかった。

……というか。

きれいだな、と思ってしまった。

それが、一番困った。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


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やるきがでます

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