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第四百九十話 やっと再会


 


 

 

 

 フィリップは内門から外門へのルートは無理だと考えた。

 あっちの方には王や女王の護衛、兵隊が山程いるのだ。

 彼は左に曲がり馬小屋を回り込むルートを選んだ。

 このルートなら兵士の類いは手薄だろう。

 少しはいるかもだが何とかなる。

 彼自身暗殺業務を行ってきた手練れなのだ。


 (よし、突っ切るぞ!)






 マリーはフィリップを追って走り出したがすでにかなりの距離ができていた。

 しかも足が意外と速い。

 急がねば見失いかねない。


 (ここは全速で!)


 マリーは彼女独特の右手と右足、左手と左足を出す走り方で疾走する。


 




 馬小屋の入り口を通過し、裏手に回り込むルートを目指すフィリップ。

 今の所誰にもかち合っていない。

 フィリップは馬小屋沿いに角を曲がろうとしたその時。


 角から突然人影が出現した。

 逆光を浴びて姿はよく見えない。


 『!?」


 人影はフィリップに対し真正面に立つ。

 しかもその人影は両手を大きく広げフィリップを制止しようとしてきた。

 

 (こいつ……やる気か!)


 フィリップは懐のナイフ二本を取り出した。

 容赦をする暇は無い。

 相手が間近に迫った瞬間、フィリップは両手のナイフを同時に突き出した。

 



 

 

 マリーは全力で走っていたがフィリップとの距離は中々縮まらない。

 フィリップの速力は相当なものだったのだ。

 そのフィリップの速度が急に落ちた。


 「?」


 マリーが不審に思う間もなくフィリップは完全に停止してしまった。

 そして次の瞬間。



 彼の体が宙に浮いた。

 

 「あっ!」


 思わず声に出すマリー。

 フィリップの体が反転し頭から落下した。

 もうこの動きは疑う余地がない。

 

 ごんっ!


 地面に頭が突き刺さったフィリップの体がゆっくりと倒れ、その背後に人影が立っていた。


 マリーの足が止まる。





 …………体が震え上がった。


 鼓動が跳ね上がった。


 夢にまで見たその人がそこに立っていた。


 マリーの思考が、感情が、心が硬直してしまった。






 「姫様、お久しぶりです」







 「ヒバリコ先生…………」



 マリーは震える身体で足を踏み出した。



 




 ついに再会してしまった。

 色々と元凶とも言える人だし。

 再会したら何がどうなるんだろうか?

 

 

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