セマイクルマナノハタブン・・・
話し合いが終わり、風紀委員長とともに正門前へとやってきていた。
いつもなら夜からじゃないと怪異が姿を現す都合上待たなければならないが今回の相手は人間、常識的な時間帯であればすぐに会いに行けるのはうれしい。
最も怪異が出現している時間は逆に会いに行けないため、夜はまた部品探索をすることになった。
ちなみに今日までに回収していた部品なのだが、全員忘れていたのでこっそり宮崎さんの鞄に入れておいたので、大丈夫。さすがにあんな危険物を持ち歩くのはきがひけるしね。
で、話を戻そう。
今は生徒会長を待つために正門前まで来ている。
病院まで歩いて1時間程度、歩くにはちょっと面倒ではあるがいけないことはない距離だ。
「でも、現地集合で良くない?」
生徒会長の家がどこにあるか知らないけど、一度家に帰っているならわざわざ学校まで戻ってくるよりも病院に直接行った方が時間が掛からないだろうし、こっちも待っているよりも直接行っても面談時間には十分間に合うはずだ。
「ただ一緒に行きたいだけだと思うよ。まぁ車出してくれるらしいし待っててもいいんじゃないかな」
「車ですか」
あまりよくは知らないけれど噂によれば生徒会長の家は鹿島さんやお嬢(金髪縦巻きロールのあの人)ほどではないが結構格式の高い家だと聞いたことがある。
勝手な偏見としてどこかのヤーさんや代々伝わる○○家みたいな和風な大金持ちというのがかなりしっくりとくる。
そんな彼の家の車となるといったいどんな高級車が来るのか。まさかあの2人みたいなリムジンがやっ来たりしないよね。
そんなことを考えていると一台の黒塗りの車が止まり、窓から生徒会長が顔を出す。
「やぁ、四方山さんまった?」
あ、これが生徒会長の家の車か。
特に大きいわけではなく、むしろ今どきにしてはかなり背の低い方で最新の広々ややけに凝った高性能者には全く見えない。
というかこれ某豆腐屋の乗っていた車の黒い版じゃない? これかなり年代物なのでは?
「いえ、今来たところです」
自分で言っておきながらなんだけれどこの切り替えし、待ち合わせ時の彼氏彼女みたいだな。
「おや、俺は無視ですか?」
「圭吾なら俺が遅刻しないことぐらいわかっているだろう? さ、立ち話もなんだし、早く乗りなよ」
そういうと運転席から初老の男性が下りてきてこちらに一礼するとドアを開き乗るように勧めてくる。
おお、この専属の運転士感。これこそって感じだ。
風紀委員長がさきに乗るよう勧めてくるので、俺が真ん中に座るような形で座ることになる。
車が小さいせいか少し狭くはあるが、自分が小柄であるおかげもあって普通に座れる。
というか助手席が空いているのだからそっちに座ればいいのではと思うのは俺だけだろうか?
「ん?」
よく見るとちょっとだけ助手席の部分だけ空間がずれてる?
いや、本当にずれてるかどうかはわからないけれどなんていうかゲームで光学迷彩の演出であるような若干背景と一部分だけずれてるそんな感じ。
生徒会長もえらいさんのところの子だからきっとSPみたいな人でもいるのだろう。
光学迷彩とか服とかだけで透明になれる技術はなくっても車の中ならそういう装置ができてもおかしくない。
幼馴染の風紀委員長も知ってて隣に座ったに違いない。
「どうしたんだい四方山さん?」
「いえ、なんでも」
「ところで四方山さん。君たちが追っている人形の話なんだけれど、どういうものなのか聞いてもいいかな?」
「それは風紀委員長から聞き出したのでは?」
「そうなんだけれど、あくまで主観的な話だから、それだけで判断するのもまずいかと思ってね」
確かにそうだ。今回の話は実際のところほとんどお互いに意見を交換していない状況だったりする。それに風紀委員長はあのこっくりさん以降はこれに参加しないものだと勝手に思い込んでいたので、話していない部分もあるかもしれない。
それにオカルト研究部として興味を持ってくれた生徒会長の見解も聞いてみたい。
ということで改めて今回のメリーさん騒動についての話をする。
「うーむ、それはなかなか面白いことになっているね」
「今の内容、今朝も話したはずですが?」
「四方山さんが探し物をしている部分は聞き流してたが?」
「こいつ・・・」
おお、普段温厚で荒事も優しくいなすような風紀委員長が珍しく怒り気味だ。なかなか珍しいものが見れた。




