ダカラナンデソウナルノ
生徒会長と病院に行くことに(強制)になったわけだけれど、よくよく考えれば眼鏡の弟の件も解決しないといけないんだよね。
まぁ、そっちはオカ研に来て相談するように言ったしそもそも自分が行ったところで解決できるかどうかわからない。なるようになるか。
さて、こっくりさんメモの情報が手に入ったわけだけれど、生徒会長も眼鏡も俺も今すぐ動くことができない。明日俺がいなくても世界はまわっていく。それが世界の理なわけ・・・。
「うん、かっこよくいっているところ悪いけれどちゃんと授業は受けようか」
「はい・・・」
今の痛いセリフ口に出てた?
あの後、善は急げということですぐにでも病院に向かおうと提案したわけだけれど、生徒内で長を務め成績トップクラスの二人、当然許してくれるわけもなく。時間に猶予があるならばちゃんと授業を受けろとおとがめを受けた。
おかしいな、一応生徒の命ががかかった緊急事態のはずなのに。所詮は他人事なのかな・・・。
あ、そうか。二人とも女性がダメなんだった。
生徒会長は女性恐怖症で、風紀委員長は女性嫌い。大丈夫かこの学校。
でだ、そんな俺が授業を逃げ出さないように教室まで連行されているわけなんだけれど。
「で、なんでこの体制で運ばれてるの?」
そう、何故か生徒会長に抱きかかえられた状態で運ばれているわけだ。
今朝も翔君にお姫様抱っこで運ばれて、午後は女子のあこがれの的の生徒会長に運ばれる。しかも人気上位の風紀委員長が隣を歩く状態でだ。
もう抱えられることは二回目だからあきらめわついたけれど、女子の嫉妬の目とひそひそ声が痛い。
「当然逃がさないようにさ」
これがイケメンじゃなくてイケジョからのセリフだったときめけたんだけどなー。
当然セリフの前には授業をさぼろうとしたと付くんだろうけど。そんな勘違いしそうなセリフやめい。
「その体制、もしかして抱きかかえられるのに慣れていたり?」
その体制というのはたぶん生徒会長の首に抱き着くような形で身を任せているように見えるからだと思う。
まぁ実際は肩に手をかけていたり、背筋を伸ばしていろんな場所に体重が分散するように体制を整えたりと色々と工夫している。
抱えられる側は楽してそうに見えるけれどそういった心遣いができるだけでかなり楽に運んでもらうことができる。
ここら辺は中学時代に覚えた。あの頃は面白がっていろいろと調子乗ってたから、高校ではおとなしくしてようと思ったんだけどな・・・。
それ考えると暴れている状態の俺を軽々と運んで行ったけれど、翔君ってかなり力持ちなのか、逆にこっちの体重が軽すぎるのか。
「いろいろとありまして・・・」
「中学時代からもてたんですね」
そうだよ(切れ気味)。
なんやかんや言っているうちに教室までたどり着いてしまう。
「おう、勇太。なんで運ばれてるの?」
「やぁ、君は確か四方山君のボーイフレンドだったね?」
「その言い方やめてもらえません?」
間違ってはないはずなんだけれど、それ普通女子でした使わないやつだから。
「堂々とさぼり宣言をしてきたから、逃げないようにね。はい後頼んだよ」
「あ、はい」
「「おおー」」
そう言って翔君に手渡されて・・・。
「いや、降ろして!?」
なんで自然に翔君に渡されたの!?
こっちはこっちで受け取るんじゃない! 抱き寄せるんじゃない! そして歓声を上げるんじゃない外野ども!
「じゃ、四方山さん。また放課後ね」
そう言って軽く手を振って戻っていく生徒会長と律儀に「失礼しました」と軽く会釈する風紀委員長。
女子からの甲高い声がうるさく一部の嫉妬の目が痛い!
「勇太、ちゃんと授業は受けたほうがいいぞ」
「はーい。じゃなくって降ろして!?」
この後席まで運ばれた。
主人公がもてるのはそれぞれの理想の女子像の一つに当てはまってしまっているから。
生徒会長 →ペットのような妹
風紀委員長→ちょっと面倒がかかりそうなかわいらしい従妹
翔 →いいリアクションの幼馴染
なお、美人過ぎないそれなりの美少女に限る。
美人と勝手にカップリングされたり、自覚している美女に言い寄られやすいと見た目がよすぎるやつには拒絶反応を起こすイケメン結構多いのよ。