テークツー
目の前には俺の足を持って行った例の足曾木婆が再臨したわけなのだが・・・いや、これどうするの!?
「ちょっと、何てことしてくれるのよ!」
「そんなこと言われても、まさかおかわり来ると思ってなかったんだよ!」
一応A市での都市伝説は把握しているわけなのだが、噂では一度であったらおしまいだったはずだ。
まさか出会った全員がそれどころじゃなかったから気づかれていなかっただけで、連続召喚できるような奴だった?
噂通りなら確かにどっちも死んでしまっているわけで、もう一回開けられるような状況ではなかったけれどそういうことなの!?
「そもそも俺鍵壊したところに遭遇してなかったし、無関係なはずだよね!? むしろ巻き込まれたのこっちじゃない!?」
「出てきたんだからそういう事でしょ!」
そんなこんなで焦っていると管狐が宮崎からこちらに飛び移ってきて足曾木婆を威嚇しだす。
「「はぁ!?」」
え、なに? そんな苛立つようなことした?
「あんた、あたしらだけの時は鍵だけ壊してずっと引きこもってたわよね」
「四方山にだけいい顔してんじゃないわよ!」
いつの間に引き抜いたのか早川は銃口を管狐に向ける。おいこら、射線上に俺もばっちり入ってるんだが?
「あのもし早川さん? 今こいつ俺の首に巻き付いてるんだけど? 確実にこっちの額も貫く位置だけど!?」
本気で撃ったりしないよね?
「大丈夫よ」
あ、よかった。さすがに安全を考えて・・・
「ところで脳みそ冷やす用の穴とストロー使う用の穴、どっちがいい?」
考えてない! 早川、お前もっとまじめな突っ込み役だと思ってたのに先輩なんかよりもよっぽどとち狂ってるじゃん!
ここはさすがに俺の安全を考えてこいつもあやまってくれるよね・・・。
プイッ!
おまえぇぇぇ!? なんでそこで否定する!!
「よぉーしかば焼き決定!」
そう言って早川は俺が後ろにいるのに何のためらいもなく数発撃ちこんできた。
しかし、その銃弾は俺たちに届くことはなく、空中に現れた謎の半透明の絵によって阻まれる。それを見て管狐が鼻で笑ったように見えた。
「「「・・・」」」
おまえ、それ絶対バリアとかそういうやつじゃん。あの時宮崎のことそれで守ってたら絶対俺の足持っていかれることなかった奴!
「四方山、それこっちに渡してくれない?」
「OK、そっちで処理しちゃって」
管狐が「え、マジですか!?」とでも言いたげにこちらを見てくるが、流石に挑発までしてかばうことはできない。しっかり反省してきてくれたまえ。
このあと、流石に分が悪いと思ったのか何とかあやまって許してもらっていた。