ソノアシダレノダ
突然足が生えてきたことに困惑しているとコンビニで買い物を済まし早川が戻ってきた。
最初驚きはしていたが、「そんなこともある」となんとも適当なことを言っていた。
その後少し難しそうな顔をしていたことを考えると、似たような事例に心当たりがあるのだろう。あの銃に十字架みたいな細剣、異常な怪我に対する応急処置の慣れ、お前どう見ても一般人じゃないだろ。でも、能力者とはなんか別な気がするんだよな。
宮崎に関しては「まさかあの婆の関係者じゃないのか」とメアリーのことを疑いだして、死ぬんじゃないのかと慌てだした。どういうことか聞いてみると、都市伝説では足を奪われたり足をつけられたりしたらどちらにしろ死んでしまうらしい。
そもそもメアリーはあの婆さんとは全く無関係なわけなのだが、足を付け替える姿を見てどうも紐づけてしまったようだ。
まぁ、そんなこんなで、念のためと早川に足を見てもらっているのだが、
「・・・すごいわね」
「なにが?」
まさかこの足人間の物じゃないとか? 実はこれは悪魔の足で、とんでもない性能を発揮できるとかそういう中二心くすぐるような感じのやつか?
「すごい、足すっごくすべすべ。しかも太ももむっちむちなのに脹脛とか足先まで細っこくてバランスのいい美しさしてる」
「きも・・・」
「あ?」
うわ、女子にあるまじきどすのきいた声出してきた。
確認のために指とか這わして触診してるのかと思ったら単にセクハラだよ?
「一応触診の為よ」
一応ってなんだ一応って。やっぱり触りたくて触っただけじゃないか。
「まぁわかっているとは思うけど、これあんたの足じゃないわね」
いや、そんなの誰でもわかるわ。
「みゃーちゃん、この煮干し足見ればわかると思うよ」
そう言いながら俺の足をつつく宮崎。
煮干しってなんだ。確かに俺の足もともと細かったけども!靴下子供用じゃなければすぐにずってきたけれども! あと変な生物でも触るように木の棒でつつくんじゃない!
「あとは女性の足ってことくらいね」
「それも見ればわかるよ?」
めちゃくちゃ突っ込まれてるし。
毛に関してはもともと薄い方だったし、肌質も前の足と大して変わらない。足の太さはむしろ前のほうが細かったくらい。なら何が女性と決定づけているか。
この足、何故かハイヒールはいてるんだよ。それも真っ赤なやつ。
で、ハイヒールを脱いでみる。お、ピンクのかわいいネイルしてるじゃん。
足の指を動かす。うん、特に違和感なく動くな。なんか唾をのんだような声が聞こえたが、気のせいだろう。
軽く立ち上がって腰をひねったり跳ねたり、ターンしてみる。うん、いつも通りちゃんと歩けるようだ。まぁ、大方問題なし。これ、ズボンきついし靴下きついし散々だぞ。足ちぎられたせいでズボンが短パンになったのがせめてもの救いだ。
「よかったじゃない、美脚になれて」
「美人の美脚が自分についてもうれしくねーよ」
ああいうのは美人についてるからこそありがたみがあって、自分についていてもなにもうれしくない。
まぁ、足が生えてきたなら宮崎もなにも心配することがなくなっただろう。それにしてもだ。
「この足、だれの足?」
そう口からこぼすと、どこかで少女の笑い声が聞こえた気がした。
よもやまはびきゃくをてにいれた!
みりょくち(だんせいむけ)が15あがった!




