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2-15 テンプレ君と協力会社の仲間達

生産ギルドを後にした俺は一昨日の約束通りバンジャマンさんのところに向かう事にする。


バンジャマンさんの所へ着くと役人らしき男達が集まりその中の特に偉そうな奴が何やら喚き散らしている。


「こんな所に勝手にテント広げてるんじゃない!早急に撤去して立ち退け!」


「そんなに早急にに立ち退けと言われましてもどこに行ったらいいのやら。どこか野営できるような場所はあるんでしょうか?」


「ハルムートにそんなものは無い、どこか適当な宿に行けばいいだろうが。もし金か無いんなら門の外に出て行け!そこでならいくらでも野営できるだろう。」


ああ、やっぱりそうなるよな。特にこの街は区画整理が進んでそういった面は非常に厳しい、こんな所にテントを張る許可が下りるとは思えなかった。しょうがないので話に割って入る事にする。


「まあまあ、彼等もこの街のことをよくわかっていなかっただけですから大目に見てあげてください。」


「なんだお前は?こいつらの仲間か?」


「ええ、そうなれればいいなと思っています。彼らもきっと人数が人数なので拠点の確保に手間取ってしまったのでしょう。私の方からよく説明して移動させますのでここはお引き願えませんか?」


そういって喚いていた偉そうな奴にそっと銀貨を数枚握らせる。


「フンッ!わかったお前の顔に免じて今日の所は引き上げよう。ただし明日もまだいるようなら容赦はしないからな!」


役人はそう言いと憮然とした顔のまま引き上げていった。


「重ね重ねご迷惑おかけしてしまい申し訳ございませんでした。実は何度か指摘は受けていたのですが全員を泊まらせる様な余裕が無い為ズルズル居着いてしまいました。」


「大丈夫ですよ、今日はそれも含めた今後の計画のご説明にお伺いしたのですから。今日の所はもう大丈夫ですので中に入ってお話ししませんか?」


「ええ、わかりました。ちょっと散らかってますが中へどうぞ。」


中へ入ると早速今後の計画の話を始める。


「まず拠点ですがすぐに商業区に店を構えるというのは不可能ですので取り急ぎは特定の拠点というのは設けず活動していくことになります。ですが住居に関しましては何時までもここでこうしている訳にはいきませんので私がお世話になっている宿をご紹介いたします。価格は1日1人1Zでが少しでも安くなるよう交渉してみますし食事も厨房を借りられる様に頼んでみますので如何でしょうか?」


「何から何まですみません。余裕はありませんが致し方ありません、よろしくお願いします。」


「続きまして商売の件ですが今の商業権の使用に伴う契約はどういったものですか?」


「そうですね、奴隷の売買における権利の貸与で年毎に1,000Zと売買における利益の30%を納付する契約になってます。今年度分の1,000Zは年初に支払ってます。契約の更新は3年毎で現在3年目となってますが今回の契約期間はかなり売上がかなり落ちてますので次回更新時はかなり厳しい条件を突きつけられるでしょう。」


「そうですか、では今年一杯は奴隷の売買が既存の商業権で可能ということですね。ただ今回ご提案させて頂いた商売を始めるには商業権の問題が出てきますね、来年以降の契約も含めそちらもご紹介いたしますのでご安心ください。ただ新しい商売はテストケースとしましょう、それぞれが仕事を覚える必要もありますし病気の治療もあるでしょうから。」


「商業権の使用契約先までも紹介できるのですか?」


「おそらく大丈夫だと思います、私もそちらからお借りしていますので。」


「そうなんですか、ではよろしくお願いいたします。」


「業務に関しては既に一人一人の年内の予定も考えてみました。デニスさんとタハミーネさんには弊社に所属する冒険者デボラのサポートを正式な仕事として依頼します、契約は月に1人100Zと言いたいところですが協力会社割引として70Zでお願いします。ウマル君は正直まだ仕事を依頼できるLevelには達しておりませんので彼等について同行しLevelアップを図ってはどうかと考えております。エリアさんは弊社の社員セシールについて家事などの仕事を学んで下さい、ただエリアさんには弊社のセシールと共に新しい帳簿方法を学んで頂き来年からは主力として働いてもらいたいのです。コレットさんは治療しながらお世話になる予定の宿の主人について料理のサポートをしてもらいます、そこの主人は凄腕の料理人でもありますので学ぶことは多いと思いますよ。ジジちゃんはみんなを手伝いながら基本的な学習を進めましょう。」


「…、みんなの事までしっかりと考えて頂きありがとうございます。しかも仕事まで頂いて、しかし冒険者なんて危険ではないのですか?」


「お恥ずかしながら弊社のデボラはまだ見習いでして危険な仕事などできる段階ではありません、デニスさんはもともとD級の冒険者ですしタハミーネさんもそれに匹敵する実力を持ってらっしゃいますのでおおいに学ばせていただければなと思いまして。」


「そうですか、お二人を役立てていただければ幸いです。」


「続いてバンジャマンさんへの依頼の件ですが正直私は奴隷の入手ルートが全くわかりません、申し訳ありませんがまずそこから教えていただけませんか?」


「ええ構いませんよ。奴隷の仕入方法は大きく分けて3つあります。一つ目は直接買取です、農村や貧民街を歩いてまわって買取ってきたり店を構えていると逆に売りに来たりします。二つ目は業販による買取です、お話ししたように直接買取ってきた業者から買い取ったりお得意様の依頼に合わせてそれを得意とする業者に打診して買い取ったりですね。最後がオークションです、開催時期は街によって違うでしょうが概ね納税時期が終わり秋の作付が始まる前の8月頃が多いですね。」


「なるほど、私が求める人材を考えると業販かオークションになりますね。ではバンジャマンさんにはまずハルムートの奴隷業者に渡りをつけて頂けますか?それからオークションの開催時期も調べてみて下さい。」


「わかりました、やれるだけやってみます。」


「それから私との接触も今後秘密裏に行いたい、ですのでバンジャマンさんには申し訳ありませんが別の宿に泊まっていただきたいのです。当座の資金とそれなりの身なりに見える服をお渡ししますので。」


そういって俺は鞄から用意していた衣類3着と白貨1枚を渡した。


「みんなとは離れ離れですか、まあ少し寂しい気もしますが仕事ですのでしっかりやらせてもらいます。しかしこんなに頂いてよろしかったのですか?」


「構いませんよ、依頼人に経費としてしっかり請求しますので私の懐は全く痛みません。ところで商業ギルドには所属されてますか?」


「ええ一応、出ないと入街税でパンクしてしまいますので。」


「それは好都合だ、商業ギルドとも懇意にして内情や動きを探って頂けますか?」


「わかりました、そちらも調べておきます。みんなの事よろしくお願いします。」


一通り話しが終わるとバンジャマンさんは今の話しをみんなに伝えテントなどを片付け移動の準備を始める。


準備終えるとバンジャマンさんは先程の打合せ通り自身の宿の準備や今後の活動の段取りの為一度別れることになる、ただ木漏れ日亭の紹介や契約などがある為夜にでもこっそりこちらへ来てくれる様にお願いする。因みに馬車はバンジャマンさんに乗って行ってもらう、旅をしている設定なのに馬車が無いのはおかしいからな。俺はみんなを連れて木漏れ日亭へと向かった。





木漏れ日亭へ着くと3人は昼食の準備をしているところだった。


「随分大勢連れてのおかえりだな、どうしたんだ?」


俺は主人に事情を話し宿賃の事も相談する。


「そういう事ならまとめて1日5Zでいいよ、ただ厨房を貸すってのはちょっとな。なんならそのコレットさん?調理を手伝ってくれよ、そしたら飯代はいらねえからよ。」


「ガストンさん、それはさすがに。…しかし現状を考えるとここは素直に甘えさせていただきます。」


「まああんまり気にすんな、それよりおまえさん方飯はまだなんだろ?今準備してっから一緒に喰っちまおうぜ。」


そういうと主人は厨房へと入っていった。


「しかしガストンさんは人がよすぎるな。」


「ユーゴ様も大概だと思いますが?」


俺の独り言に後ろからセシールがツッコミを入れてきた。


「セシール、そんな事は無い。俺はいつだって打算的だ。ちゃんと損得を考えてだな…」


「ですが現状明確に得をしているところをお見かけしておりません。」


ぐっ、セシールめ。さすがによく見てやがる、確かに俺はまだ全然稼げていない。しかしこれからなんだ、これから大きく得をするんだ。そう伝えようとした時には食事ができた為準備をしにセシールは厨房へさっさといってしまう。くそう、これが娘を持つ父親の気持ちか。子作りの相手もいないけどな!


みんな席に着いた為早速食事を始めるとコレットさんが驚愕の声をあげる。


「こっこれは!?なんでこんなに複雑かつバランスのとれた味になるの!?」


やはり料理人、一口食べてレベルの違いに驚いている。


「コレットさん、ガストンさんはこの街でも恐らく右に出るものはいない凄腕の料理人です。先程バンジャマンさんにもお話ししましたが今年一杯は治療のかたわらガストンさんについてお手伝いをお願いしたいのです。その間ガストンさんから学べるだけ学んで下さい。ガストンさん、話しが前後してしまって申し訳ありません。コレットさんは一流店で修行されていた経歴の持ち主です、ガストンさんが知らない料理や調理法など知っていると思うので二人で研鑽して互いのレベルアップを目指してはいただけませんか?」


「ユーゴは持ち上げすぎだ、俺はそんな大層な料理人じゃねえよ。しかしあんたそんなにいい腕の料理人だったのか、俺の料理は我流の部分が多いからちゃんとした料理を教えて貰えんのはありがたい。よろしく頼むよ。」


「いえ、こちらこそよろしくお願いします。これほどの料理をお作りなる方と働けるなんて願っても無い事です。」


「まあそれぞれの紹介や今後の予定の説明などは食事が終わったらまたちゃんとやるとして、まずは食事をいただいてしまいましょう。」


そうして食事を終えると互いの紹介を済ませ今後の予定も伝える。その後俺はさすがに疲れていた為休ませてもらう旨伝え解散する。


部屋に戻る前今夜デュルケーム紹介の新たな門出を祝うパーティを開きたい旨を主人に伝え金を渡し準備を頼んむと、部屋に戻ってそのまま仮眠をとって過ごした。

毎々お読み頂き誠にありがとうございます。


誠に勝手ながら明日・明後日と更新をお休みさせて頂きます。


どうぞよろしくお願い申し上げます。

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