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最強女勇者と魔王城に攻め込んだらロリ魔王とロリアラクネが可愛くてそのまま魔王城でスローライフ  作者: 焼肉一番


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凄いよりキモい

「随分頑丈そうな扉ですけど……中から凄く良い匂いがすると言うか……」


「匂い? 俺には何も分からないけど……」


 どの部屋もそうだがカギは掛かっていなかったので中を調べてみる。するとそこは色々な設備が整った……言わば研究室だった。


「えええええ~~~! 何ここぉ~~?!」


「なっ……何が?!」


 シュリが目をキラキラさせている理由がテオには分からない。


「凄い! 勇者城の研究室とは比べ物にならない設備ですよ! あらゆる実験に必須な備品、良く使われる材料、広さも強度も……!!」


「ああ……そうなの?」


「こんなのまである! わぁっ! これは使えそうだなぁ! おっ! こっちは?!」


 シュリはすっかり興奮しきって研究室の設備を走り回りながら確認している。


「何だか魔王城のしすてむ? も凄かったし、こういう部分は魔族の方が進んでるのかな」


「ああ、僕ここに住みたい。勇者さまも一緒に閉じ込められるなら実験対象も居るわけだしその辺に落ちてる魔族の毛とかも使えると思うし!」


「ええ~、こんな地下に籠るの? 絶対身体に良くないよ、さぁもう上に行こう?」


「いやだぁ~~もうちょっと見させて~~」


「すぐ出られるから分からないし、とりあえず一通り見ようって」


「わぁぁ~~~ここに住みたい~~」


 半ばシュリを引きずってテオは一階へ上がる。

 一階はずいぶんと広い空間で、細かく部屋が並んでいたりはしなかった。勇者城の謁見室と同じ様な作りで玉座が置いてある。しかし当然ながら魔王は座っていない。

 他はテオ達には価値の分からない調度品ばかりだった。


 二階。部屋数もグッと増える。おそらくここに住まう魔族がそれぞれに気持ちの良い部屋なのだろう。

 窓が一切ない部屋。棺桶が一つだけの部屋。周りが全部鉄製に作り変えられた部屋。入ってすぐ巨大な浴槽がある部屋。実にそれぞれだ。だが特にあやしい設備などは見当たらない。


「これだけあって人間に快適そうな部屋が少な過ぎますね」


「そうだね、やっぱり人間と魔族は相容れないのかなぁって思っちゃうよね」


「別にそれは今更思う事じゃないですけど」


「ははっ、そうか。でも今住み分けが出来ていて……この辺りってずっとどんよりした雲が立ち込めているだろう? 人間が快適に思わないところまで進出する必要はないよね。ましてや原住民を追い出してまで」


「そうだけど魔族側が襲って来るまでボーっとしてるわけにもいかないでしょ。やられてからじゃ遅いんですよ」


「うん……、シュリは凄いね」


 またシュリに正論をぶつけられて眉を下げるテオ。


「テオはお人好しです。それにしても逃げ遅れた魔族とか特におかしなものとか居ませんね。本当に魔王城を自分の好きに使えそう、ふふ。あ、階段見えてきました。さっさと上の階も見ちゃいましょうか」


 この状況にもだいぶ慣れて来て、地下に自分好みの研究室を見つけたシュリが暢気にそんな事を言うと、まるでフラグだったかの様にそれらが姿を現す。

 逃げ遅れた魔族と……、何かおかしなものだ。 


「すぺっ……!」


 まずは上の階から、逃げ遅れた魔族がぴょーんと飛んで来て出会い頭にテオを踏む。


「ぶふっ!」

「ええーっ?!」

「すぱー!」


 魔族は人型に近い程強いのだが、その魔族はちょうど上半分が美しい人型だった。

 人間ではあり得ない様な、不思議な紫色の長い髪に、透き通るような白い肌、そして瞳はルビィ同様、鮮やかな赤である。それらがまだ幼さを残す少女を神秘的に作り上げていた。

 しかし、その下半身は……。


「うわぁーーーっ! 蜘蛛! 怖いぃぃぃーっ!!」


 蜘蛛だった。

 髪と同じ色の胴体に、四本ずつ左右に足が付いている。そしてこれも瞳なのか、大小様々なサイズの丸い水晶の様なものがへその下に並んでいた。


「待ってくれぇぇぇーーっ!!」


 それに少し遅れて、何かおかしなものもやって来る。


「えっ……? この声……」


 踏み付けられたままのテオが首だけを動かして階段の方を見ると、蜘蛛と人間の魔族、アラクネを追ってティモシーが飛んで来た。


「うわぁーーーっ! 変態! 怖いぃぃぃーっ!!」


 ブレイズオーブを奪って姿をくらませていたティモシーは全身が糸でぐるぐる巻きの状態だったのだ。それなのにだいぶ自由に動いている様である。どうやらアラクネを追いかけ回しているらしい。


「お前は……シュリ?! テオも!」


 シュリの怯えた声を聞いて反応するティモシー。


「ちもしーさま?! いやいやキモい! アラクネに襲われたんですか?! 何でその状態で自由に動き回れるんですか?! 申し訳ないけど凄いよりキモいのが勝っちゃってます!」 


「ご無事だったんですねティモシー様! 今魔王城が……!」 


 かなり遠慮のない言葉をぶつけるシュリと、アラクネに片足で踏み付けられながら無事を喜ぶテオ。

 しかしどちらの声もあまり聞こえていないらしい。床に這いつくばった状態のテオにティモシーは厳しくこう言った。


「おい誘惑するな、そこから離れろ!」


「え?! これ俺誘惑されてるんですか?!」


「違う! お前がアラクネを誘惑してるんだ! すぐに離れろ!」


「いや踏まれてんですよ!! 助けて下さい! 今魔王城に障壁が出来ちゃったとかで普通に魔族たちも避難している状況なんです!」


「そうなのか? だがこちらも状況は良くなくてな」


 それは見れば分かる。手足の自由を奪われてすべて思惑通りだとはならないだろう。ブレイズオーブを奪って逃げると言う理解し難い行動を起こした犯人だが、ティモシーもティモシーで大変だった様だ。今はどうにかしてアラクネを仕留めようと言うところだろう。

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