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005『電車、遅れた』
■ 電車、遅れた
同じクラスのA君が、学校に遅刻してきた。先生は彼に尋ねた。
「遅いな。珍しいじゃないか。どうした?」
「電車……、遅れました……」
A君は嘘をつかない真面目な少年だが、海外から来たばかりの外国人なので、言葉がまだうまく話せない。そのような事情をよく知っている先生は、優しい言葉で彼を席につかせた。
「電車が遅れたんだな。それは仕方がないな。遅刻扱いにはしないよ」
あれ、おかしいな。A君とは同じ路線で通学しているが、今朝は電車は遅れなかったぞ。そこで、休み時間に聞いてみると、彼はこう答えた。
「電車……、遅れた……、寝坊……」
寝坊? そうか、電車が遅れたんじゃなくて、電車に乗り遅れたということか。




