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第七話  野心

 本命では、設定からして大した物が出来なかった宗教ですが、本作ではもっと上手く絡めたい。

 ウォルデ大陸  ガレバル地方



 ウォルデ大陸東部に位置するガレバル地方は、多数の都市国家が乱立する地域である。

 至る所に山や丘が走っており、その困難な地形的条件から人口が集まりつつも広域を支配する統一国家が成立せず、城塞都市と多少の農地や村を持つ都市国家が次々と誕生した。

 温帯気候に属する快適な地域ながらもやはりその地形が仇となり、人口の増加と共に各国の状況は厳しさを増した。

 事態の打開の為、各国は外部へ目を向ける事となる。

 戦乱が頻発する中、その渦中で翻弄される民衆は救いを求めた。

 それが、宗教の勃興した瞬間であった。

 それぞれが求める救いに応じて様々な神が想像され、祈りを捧げる神殿が建立された。

 結果としてガレバル地方は多神教となるに至り、後にこの世のあらゆる概念に神が宿ると解釈された。

 現在でも一般人レベルで様々な神が想像されている他、時には学者が提唱した法則に応じた神が大勢に想像される事もあり、その場合には神殿が建立される例もある。

 とは言え、明確に何教と定義されている訳ではなく体系化もされていない為、誰がどの神を信じて祈るかは自由であり、自宅で神棚を作って自分の想像した神に祈る者も多い。

 尤も、太陽や海と言った身近な概念はかなり強く、そうした神は最高神とされて立派な神殿が建立されており、国王や大臣も年の節目等に祈りに行く習慣が存在する。

 その結果、最高神の神殿が最初に建てられた国は強い影響力を持っており、神殿によって周辺国と中々開戦に踏み切れないバランスが保たれる事となった。

 しかし、その様な中で最近異質な新興宗教が現れた。

 それが、クルティリス教である。

 創始者は「現状の信仰はあまりにも無分別であり、これは神を冒涜する行為である」と主張し、信仰の一本化を掲げて活動を始めた。

 それは、唯一神を信仰する一神教であった。

 その上で、自由に神を想像する行為こそが無分別の根源であるとし、体系的な組織作りと宗教形態の創造を行った。

 だが、これは既存の概念を全否定する行為に等しく、下手をすれば暗殺を受けかねない程の危険があった。

 それを回避する為、既存の神(神殿が存在する神のみ)は唯一神の使途として存在すると解釈して全否定を避けた。

 こうして体系化された解釈は解りやすく、既存の神も纏めて祈る事が出来るお得感もあり、瞬く間に一定の支持者を集める事に成功したのである。

 また、更なる差別化の為に宗教施設を神殿とせず、教会と名を変えて新たな解釈を教える場として活用する事で素早く理解者を増やし、更に進めて教育の場としても機能させる事で知識階層を多く抱え、独自に学者を輩出するに至った。

 そうして輩出された学者の中に、エイスティア王国出身の変人がいた。

 ガレバル地方の東端に位置するこの国は、一帯の都市国家の中ではお世辞にも発展しているとは言えず、はっきり言ってしまえば辺境の片田舎である。

 そんな中、王国でも東端に位置している村に於いて、昼間に彗星が毎日目撃されているとの報告が上がった。

 誰もが一笑に付したが、例の変人だけが真面目にこの問題に取り組んだ。

 半年に渡る調査の末、彗星を追って未踏の地であったケミの大森林を越え、その先にある新たな勢力との接触を成功させたのである。

 彗星の話はともかく、森の先の話は国中を沸かせるのに十分であった。




 ・・・ ・・・ ・・・




 エイスティア王国  王都エイスティア



 上空から見れば、いくつもの都市が各所に点在する中で、東の端に小高い丘を隔ててポツンと孤立した都市がある様子が確認出来る。

 それが、エイスティア王国である。

 多数の都市国家が互いに刺激し合い、文化を熟成させて来たこのガレバル地方に於いて、この国は交流に於いても物理的にも外れにあった。

 それだけにあらゆる面で他国に遅れをとっており、誰もが歯牙にも掛けない辺境の小国として扱われていた。

 無論、それで良しとしようとは誰も思わず、周辺国に追い付き追い越せと日夜様々な努力を続けている。

 そんなエイスティア王国だが、一つだけ強みがあった。

 王国の位置はガレバル地方の東の外れにあり、その場所は険しい地形の外れである。

 つまり、王国から東はなだらかな地形が続いており、領土拡大が容易となっているのである。

 こうして、数世代に渡って開拓を続けた結果、今では有力な農業国としての地位を確立し、地形的な問題から農地の拡大が行えない各国へ食料を輸出するに至っている。

 とは言え、それはたった一つだけの特技が出来たと言う見方が強く、相変わらずその地位は低く見積もられている。

 いつまで経っても変わらない状況に鬱屈とした気分が募る中、教会に所属する学者であるコルタの報告が舞い込んだ。

 大した政治的価値を持たない報告と、荒唐無稽な現象の報告ばかりが上がって来るとうんざりしていた所へ、遂に注目するに値する報告が入ったのである。



 王城



 四方へと延びる街道の中心地。

 この国の中枢である王城では、これまでとは異なる興奮に包まれていた。

 最上階の謁見の間にて、

「・・・と言う次第で御座います。」

 謁見の間の最奥、数段高い位置に座る国王 カロリス は、目の前で跪く文官の報告を聞いていた。

 帰還したコルタは早速、事のあらましを上層部へ報告した。

 相手は、自身の所属する教会関係者と、国に所属する学者である。

 その学者が更に上へ報告すべき内容だと判断した結果、更に上へ上へと報告されて行き、遂には国王の耳にまで届いたのである。

「ふむ・・・中々興味深い報せだな?」

 顎髭をいじりつつ、下段の左右に立つ臣下を見遣る。

「左様で御座いますな。広大な未開の地が広がっているとあらば、単に版図が広がるのみならず、豊富な資源が獲得出来る可能性も御座います。」

「そうなれば我が国は、周辺国を凌駕する地位を得る事も夢では御座いますまい。」

 次々と明るい展望を語る臣下達。

 そんな中、ある一言が冷や水を浴びせた。

「しかし、それを発見したのが教会関係者とは、残念でなりませぬ。」

 明るいざわめきは一瞬で引き、誰もが難しい顔をする。

 地位の低いエイスティア王国は、宗教に於いても様々な弊害が付いて回っている。

 通常、影響力の強い神を祀っている神殿は、各国へ支部となる神殿を建てている。

 当初は、祈りを捧げる為に他国へ渡る手間を省く事が目的であったが、次第に各国はその神殿の持つ影響力を利用する方向へと傾いた。

 その結果、今では信仰の集まる神殿を誘致出来るかどうかが一種のステータスとなっているのである。

 その点でも、エイスティア王国は後塵を拝していた。

 だが、その状況を変えたのがクルティリス教である。

 彼等の無分別な信仰の批判は、逆を言えば平等な信仰を志しているとも言える。

 散々不平等な扱いを受けて来た王国の人間にこの姿勢は大いに歓迎される事となり、同時に各地で信仰されている神を祈る事が出来るのも(神ではなく使徒扱いだが)大きなポイントであった。

 その上、理解が簡単な解釈と洗練された教育によって王国の知識階層が増加し、開拓事業を効率良くこなせる様になった事もプラスであった。

 更に、東にはいくつかの未開の部族が存在したが、交戦状態となると戦術面でも遅れている王国は苦戦を強いられた。

 すると、教会関係者は命懸けで布教を行い、改宗に成功した事で同じ信仰を持つ同志となり、穏やかに併合を成功させた。

 この様に、エイスティア王国に於けるクルティリス教の功績は絶大であり、その立場は決して国に劣る事のない所まで来ているのである。

 通常、ガレバル地方に於ける宗教は、大きな影響力を持っていようとも国家に優越するものではなく、あらゆる方針は国によって決められる(占いに頼る場合もあるが、それでも最終決定権は国にある)。

 しかし、それが逆転しかねない状況に置かれている事が、この国の難しさであった。

「うーむ・・・確かに、これまで原住民を従えて来た様に再び彼等によって併合の流れに至るとすれば、更なる功績を積み重ねる事となります。」

「その上、今回はこれまでとは大きく異なります。つい先日まで認知すらされていなかった未開の地なのです。古くから我が国が開拓を志していた未開地ではなく、何の思惑も存在せぬ真っ新な地なのです。」

「それでは、彼等が布教を成功させた暁には、独自の領土を持つも同じではないか!」

 国家に所属する筈の一介の宗教が、国家に匹敵する権威を持つのみならず、私有地に等しい大地を手に入れる。

 それは最早、独立国家である。

 その様な事になれば、王国との立場が完全に逆転する展開も現実味を帯びて来る。

「陛下、やはり教会に主導権を握らせる訳には参りませぬ。本件は何としても国の管轄とし、教会は例の学者のみを派遣させる程度で押し留めるべきでしょう。」

「お待ちを、彼等の布教相手が見付かった時の行動力は非常に高い。恐らく、根回しをする間も無く独自に動くでしょう。ならばいっその事、軍を進めて制圧し、力づくで主導権を握るのです。」

「賛成致します」

「私も賛成で御座います」

「私も同じく」

 強硬策を提示されると、賛同する者が次々と現れる。


 「お待ち下さい!」


 誰もが賛意を示す中、一際大きな声がその流れを断ち切った。

「将軍、大声を上げてどうしたのだ?」

 将軍と呼ばれた男は、軍指揮官の一人として名を馳せる ラーヴィス である。

 彼は、王国内に存在する五つの軍団の内の一つを預かっており、実戦経験豊富な人物として国内では有名人となっている。

 指揮だけでなく剣士としても一級の腕前であり、公開模擬戦や御前試合に何度も出場している。

 また、戦闘以前の情報や内情等の前提条件を何よりも重視しており、それが数々の武勇を支える原動力となっている。

 視線が集中する中、カロリスの問いにラーヴィスは答える。

「陛下、我が国は長年に渡り東方への拡大を続けて参りましたが、その実情は未だケミの大森林に隣接する地域の開発すら覚束ない有様で御座います。今より更に広大な領域を手中に納め、どの様に活用されるおつもりでしょうか?」

 開拓を進め、農業生産を向上させ、徐々に人口を増して来た王国であるが、それでも未開拓地は広く、現状の領土の維持が精一杯と言う状態である。

 まして、突破が困難なケミの大森林の先にある領域となると、持て余すどころの話ではない。

「将軍、貴方は御自身の立場を理解されていないのか?今の発言は無礼に過ぎますぞ!」

「左様。ラーヴィス殿は英雄なれど、お国の飛躍の機会を前にして引き返す様な言動は、流石に見過ごせませぬ。」

 軍関係者が、その権限を持つ者達を差し置いて、国の一大方針に口を出す。

 その事実に不快感を覚えた者達は多かったが、それに加えて教会に対する焦りが批判の声を上げさせた。

 大多数がこの様な声に同調する中、ラーヴィスの発言を真剣に吟味している者もいた。

 財務関係者と一部の軍関係者、そしてカロリスである。

「静まれぇ!」

 カロリスが片手を上げると、傍らにいた宰相が声を張り上げる。

「ラーヴィスよ、そなたの進言は尤もだ。だが、余はこのままで良いとも思わん。」

 ラーヴィスとその反対派、双方を立てる物言いに場のボルテージが下がる。

 冷静さが戻った事を確認し、更に続ける。

「教会が力を持った先には何があるのか?それを考えた事はあるか?」

 教会のみならず、神殿を含む全ての宗教施設は、その維持の為に国から助成金が出ている。

 同時に、一般の信徒からの寄付もあり、この集金能力は権威の一翼を担っている。

 王国に於いては、教会の権威が増大する毎にその集金能力は増大の一途を辿り、更には助成金も増額を余儀無くされる状態が続いている。

 それはつまり、教会によって国の富が吸われ続ける構図が強化されている事を意味する。

 そして、あくまでも維持を目的とした金の使い道が、得られる金が増えれば持て余し、いずれは様々な事に使われ始める。

 資金力が上がれば人が集まり、遠からず国すらも乗っ取られる事態にまでなりかねない。

「ラーヴィスよ、これが我が国の現状なのだ。何もしなければ、我が国は教会の物となる。」

 この場の全員が顔色を悪くする。

 現状が続けば碌でもない事となるのは漠然と理解していたが、此処まで具体的な予測を立てている者は他に誰もいなかった。

「陛下、それならば助成金を減額するのが最も良い方法かと。」

「その様な事をすれば、多大な功績を上げた教会を国が冷遇していると民も信徒も見るだろう。誰もが怒り、その怒りは我等に向くのだ。既にそれ程までに、教会の功績と権威は絶大なのだ。」

 とうの昔に機は逸している。

 国王の断言は、非常に重いものであった。

「だからこそ、我等はこの件を奇貨とせねばならんのだ。他の方法を探すなどと申すな。それ程の時間はもう無いのだ。本件で教会が成功すれば、覆す機会は永久に失われるのだ。」

 誰も言い返せない。

「だがラーヴィス、そなたの言う通り、現状の我が国にこれ以上領土を広げる余裕は無い。そこで、まずは穏やかに接触するのだ。例の学者の報告を見る限り、話は通じる様だからな。そなたにも向かって貰うぞ。」

 言い終えると、ラーヴィスはその場で平伏した。


 その後、国王肝入りの事業として、ケミの大森林の先へ向けた使節団が編成された。

 代表として外交関係の副大臣を任命している事からも、どれ程力を入れているかが窺えた。

 そして、護衛としてラーヴィス率いる兵団が従軍する事となった。



 クルティリス教エイスティア王国本部



 王都の中でも端に位置する場所に、一帯でも一際大きな建造物がこの街の教会である。

 尚、位置が位置である為、移動の手間を考えて複数の小規模な礼拝所が各所に設置されており、それら全てを統括する本部としての役割を担っている。

 その夜、そうした日々の業務を行う執務室には、青と白の正装に身を包んだコルタと、本部長 イーダ が話し合っていた。

「・・・つまり、布教を前に押し出すのは悪手だと言いたいのか?」

「ええ、その通りです。彼等は、余所者との接触そのものを嫌っている節があります。」

「なら、土産物を持って行けばどうだ?」

「どうでしょうか・・・少なくとも私が出会った者達は、賄賂に興味を示す様には見えませんでした。」

「口が過ぎるぞ、渡すのはただの土産に過ぎん。」

「失礼しました」

(全く、コイツは優秀ではあるが本当に疲れる・・・)

 イーダは、野心が強い男である。

 そんな彼にとって、この国で存分に権威を振るえる教会は正に天職であった。

 だが、人の欲には際限が無い。

 次に湧いて来たのは、支配欲である。

 教会はこれまで王国に於いて多大な功績を上げており、国のそれを上回ると言っても過言ではない。

 にも関わらず、その立場は相変わらず国よりも下となっている。

 実体は国と同格に近いと言えるが、彼が望んでいるのは自らが支配者として見下ろす事である。

 露骨に国を乗っ取ろうとすれば、流石に誰もが反発する。

 だが、それ以外の地で君臨するならば・・・

 コルタの報告は、不可能と思われたイーダの野心に火を点けていた。

「今後はどう動くべきだと思う?」

「それは勿論、彼等と打ち解けるべきです。最低でも世間話が出来る程度に持って行くべきでしょう。そして、彼等が何を隠しているのか、それを突き止めるのです!」

(それが目的かコイツは!)

 イーダは、コルタが布教や勢力拡大などに全く意識を向けていない事に気付いた。

 対するコルタは、自分が本音を隠しながら話せていると思っていた。

「良いですか?先程言った様に、あの地の更に先には彗星に見える何かが降りたのです。もしかしたら、それは神に関する何かかも知れませんよ?」

(何が神に関するだ・・・)

 イーダは、神の存在を信じていない。

 あくまでも宗教の機能として神を見ており、所詮は人心掌握のツールに過ぎないと認識している。

 そんな内心はおくびにも出さずに答える。

「彗星の話は何度も耳にしてる。それで、それが神に関すると何故言えるのかね?」

「確信が持てないからこそ、調べる必要があるのです。彼等はこう言っていました、信用出来ない者に見せる物は何も無いと。それはつまり、信用を得ればその何かを調べる事も出来るでしょうし、布教の足掛かりも得られるのです。」

「落ち着け、少し離れろ!」

 興奮状態のコルタは、いつの間にかイーダにかなり迫っていた。

「失礼しました。それで、どうでしょうか?」

「だが、あそこはケミの大森林の先だぞ。ただ行くだけでも危険だと言うのに、そんな事が出来るのか?」

 本心ではさっさと承認したいイーダだが、あくまでも部下を案じる上司としての態度を取る。

「それでしたら心配ありません。」

「何故だ?」

「あの地の噂は市井の間でも出回っておりまして、興味を惹かれた冒険者達が次々と動き出しています。彼等を雇えば相当な戦力になります。それに、既に森のルートは私が啓開済みです。」

 冒険者とは、比較的若い世代の日雇いで生活している者達である。

 浮浪者による治安悪化を懸念し、各国は日雇いの仕事を斡旋する事務所を設置しており、そこであらゆる端仕事をさせている。

 その内容は様々であり、荷物運びから傭兵、果ては娼婦まである。

 彼等が冒険者と呼ばれている理由は、厳密には何処の国にも所属しない自由な立場で動き回っているからである。

 稼ぎが十分な者は、よくあちこちを旅しては各地の話を語って聞かせる。

 その話は、吟遊詩人等を通して市井の耳にも届き、その様子に憧れを抱いた者がまた冒険者となる。

 その様な経緯から冒険者には好奇心旺盛な者が多く、今回の話にも大いに興味を持っているのである。

(冒険者を雇って戦力にするか・・・)

 精力的に開拓を続けているエイスティア王国は、猛獣対策等で冒険者を頼る事が多く、他国と比較して(装備はバラバラだが)実戦経験豊富な者が多い。

(何故、それに気付かなかったのか・・・!)

 冒険者を大量に雇うだけで、まとまった戦力を得る事が出来る。

 雇用費も、財力豊富な教会であれば問題無い。

 それに思い至る原因が、よりにもよって目の前の変人であった事に妙な悔しさが滲み出る。

「よし解った、お前の言う通りにしよう。そして、この件はお前に任せる。」

「有り難う御座います」

「ただし、目的は布教だ。調査も良いが、教会の存在理由を忘れるな。」

「・・・はい」

 不服そうに返事をするコルタ。

「下がって良い」

「失礼します」

 コルタが退室すると、深く息を吐く。

「全くあの変人は・・・まぁ、これでまた暫く顔を見ずに済む。」

 この国の教会関係者全員の本音を代弁し、その後すぐに眠りに就いた。



 申し訳無いですが、今年の投稿はこれで最後にしたいと思います。


 良いお年を(ノシ

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