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野郎二人はフリーダムッ!?科学+魔法=オーバーキルな異世界生活   作者: 皇 竜胆
第一章 勇者じゃなくて冒険者になる!
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第十二話 水戸〇〇の印籠みたいなのを貰った


「ふんぬっ……! ぬぬぬぬぬぬ…………」

「スゥーッ……、フゥーッ…………」


 ソフィーリア、タマキ、クラウディアとのアフタヌーンティーを終え、しばらくしてから入浴と夕食を取った後、優之介と斬波は部屋にこもって【魔力操作】スキルの練習をしていた。

 午前中の訓練のお陰である程度魔力を感じることは出来るようになったので、今練習しているのは制御出来る魔力量を増やしたり、魔力を身体に流し込んで肉体を強化してみようと試みてみたり、少し応用編と言ったところであろうか、もっと魔力を有効活用できないか実験中であった。

 

 ―魔法【身体強化】を取得しました―


 世界の声が優之介と斬波の頭に響いた。

 実験の結果、野郎二人は【身体強化】の魔法を覚えることができた。

 早速野郎二人はステータスを開き、どんな魔法か一応確認してみる、ステータスにはこう表示されていた。


 魔法:【身体強化】

 魔力を身体に巡らせ自身のステータスを強化する。

 腕に魔力を込めれば筋力が上昇したり、足に魔力を込めれば敏捷性が上昇したりと使い方は様々である。

 この魔法を応用することで更なる派生の身体強化魔法を習得することができる。


「これは便利そうだ!」

「そうだな、だけどきちんと練習しないと、せっかく覚えた魔法も宝の持ち腐れだぞ」

「旅に出たらいくらでも練習できますよ」

「あぁ、朝が待ち遠しいなぁ……」


 ―コンコンコン


 部屋の扉がノックされたので実験は一時中断して、優之介は部屋の外で待っていた人物を招き入れた。

 部屋に入ってきたのはソフィーリア、タマキ、クラウディアの異世界に来てから出会った美女三人組だった。


「失礼します、ユウノスケ様、シバ様」

「あ、ソフィーさん、どうぞ♪」

「よぉ来るなぁ」

「だって、明日からお二人共旅に出てしまうのでしょう? それまで少しでもユウノスケ様の事を知りたいですし、ユウノスケ様に私の事を知ってもらわないといけませんわ! 後、お二人に私から渡す物があります」

「優之介はモテモテだなぁ~♪ それで渡す物って?」

「それはこちらでございます」


 ソフィーリアがそう言うとタマキが前に出て綺麗な細工が施された箱を差し出した。

 箱の中には何かの紋章を象った綺麗なブローチが二つ入っていた。


「ブローチ? 綺麗ですね♪」

「ふふっ、ありがとうございます♪ こちらは王家の紋章を象ったブローチです、この仕様は私の象徴でもありますのよ」

「へぇ~、そうなんですか」

「ちょっと待て」


 ソフィーリアの言葉を聞いて斬波が待ったをかけた、斬波の表情には少し焦りと戸惑いの色が見えた。


「俺の【高速思考回路】スキルが警鐘を鳴らしてるぜ、そのブローチ、持ち主はアースカイ王国王女、ソフィーリア・レイ・アースカイの名代である事を意味するものだろう? って事は結局俺らは囲い込まれるって事か?」

「あぁ、そうだ……」


 斬波の指摘に答えたのはクラウディアだった。


「確かに、このブローチを持つ者は王女殿下の名代を意味する。無闇に振りかざし、汚名を着れば殿下の顔に泥を塗ったと判断され、処刑されるであろう」

「そんなおっかねぇもんを渡すな……」

「普段は懐にしまっておけば良い、いざという時の身元引受の為だよ。君達は異世界からやってきた勇者で、その身元引受人はソフィーがなるってだけだ」

「そうか、俺達が旅の途中で死んだら埋葬されることもなく、放ったらかしにされるのを防ぐ為でもあるのか」


 例えば元居た世界で交通事故に巻き込まれて死んでしまった場合、警察や病院の方で身元を特定して遺族に連絡や身柄を送る事ができる。しかし、ここは異世界、野郎二人がもし旅の途中で死んだら、そのまま放置か共同墓地に埋葬されてしまうだろう。

 今回のブローチはそうなって欲しくないけど、万が一を思ってソフィーリアが気を遣ってくれたものだと理解すると、優之介と斬波はソフィーリアに感謝した。


「ありがとう、そこまでしてもらうとなんだか申し訳ないな」

「ソフィーさん、ありがとうございます。このブローチはソフィーさんだと思って大切にします」

「そう言われてしまいますと、なんだか照れてしまいますわ……///」

「(ユウノスケ様はスケコマシなのでしょうか?)」

「(知らん、俺だったら恥ずかしくて言えないような台詞をああも自然に言えるから否定できないが……)」

「さて、要件が済んだところで、ティータイムといこうではないか♪」


 またティータイムかと言わんばかりの微妙な表情をする優之介と斬波だったが、ソフィーリアが上目遣いで「お嫌ですか……?」と聞いてくる。


「嫌ではありませんよ嫌では。ただ、紅茶を飲む習慣がないので……」

(その上目遣いは反則だ! 可愛すぎるッ……!!)

「こんな美女たちからのお誘いなんだ、男として受けなければなるまい」

「ユウノスケ様、シバ様、お茶会を通じて相手とコミュニケーションを図るのが、紳士淑女の嗜みでございます。今後、機会があればそちらから誘ってくださってもよろしいのですよ? 私がご用意しますので」

「これから冒険者になって旅する彼らに、枷になるような事は言うもんじゃないぞタマキ。だが、今回が出発前最後のお茶になるだろうから、少し話を盛り上げようではないか♪」


 結局この日は就寝間際までお茶会に付き合わされる優之介と斬波だったが、元居た世界では会えないであろうレベルの美女達とのお茶だったので悪い気はしなかった。むしろ、本当に楽しそうにお喋りをするものだからその様子を眺めて野郎二人はすっかり癒されていた。


(殿下がユウノスケ様と楽しそうに盛り上がるのは分かりますが……。クラウ様とシバ様もお互い意気投合していらっしゃるご様子、これは面白そうですね…………♪)


 このお茶会がきっかけでクラウディアとシバが意気投合していくのだが、それはまた別のお話である。


「あれ? 昼間装備をくれた時にブローチも一緒に渡せば二度手間にならずに済んだようー」

「おっ、おほほほほほほ……、たまたま忘れてただけですわ! ねぇタマキ?」

「はい、渡すのを忘れておけば夕食後、ユウノスケ様達に『渡し忘れたものがある』と言う建前でこうして会いに行けると殿下がお考えに―」

「…………」―シュッ!


 ―バタン!


 ソフィーリアのエルボーがタマキのみぞおちに炸裂した。


「…………」

「………………」

「……………………」

「何も、聞いてはおりませんね?」

「「「…………はい」」」


アクセスありがとうございます。

修正完了まであと少し……あと少し……。

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