祖父からの話
こんんちは。フジリナです。
大変お待たせしました。ずっと不定期で連載してました。
しかし、思った以上に筆が進まないので、不定期とは言えども、これからは毎週の月曜日、金曜日に更新しますのでよろしくお願いします。
僕は、祖父の書斎で見た、レディ・クラリスの日記を見て、そんなにつらい少女時代を送ったのかと思った。すると…。
「ロバート、ここで何してる?」
と祖父の声が。
祖父が仁王立ちで叱ってくるのかと思いきや、祖父はリラックスしていたのだ。
「お…おじいちゃん?」
「お母様の日記を読んだのか。…やはり、お母様は、かたくなに子ども時代のことを話すことはなかった。息子のヘンリーという名前だが、お母様は、『何度も結婚して、国を乱した父の名前を使わないでほしい』と言ってきた。でも…。」
「でも…?」
「先生の名前を使いたかった。そうすれば、先生も喜ぶはずだと思ったのだよ。」と祖父は涙を流した。
僕は黙った。あまりに切ない名前の由来だったとは。
「ところで、サンフランシスコ第一エレメンタリースクールに行くのか?」と涙をぬぐった祖父。
「僕の母校なんだけど。それがどうしたっていうんだ。」と僕。
祖父は一息ついてから、僕に話した。
「…あそこの学校付近がな、国防的にも、魔術的にもちょうど、特異点なんだよ。そう、日系人がたくさん住んでいるのは承知だろう、ロバート。東西冷戦下で、日本はどうしても中国などの東側諸国と対峙しなくてはならない。それで、サンフランシスコでは、かつて、あの小学校が建つ前は、ソビエト側の通信を受信して、監視する基地があったんだ。今は小学校になっているものの、面白半分で地下へと向かってしまうんだ。その際に、盟主さまやお母様も研究をしていたんだ。」
「そこが…かつて、基地だったということ?」
「ああ――。」
祖父は遠い目をしていた。戦争が終わったかと思いきや、急にまた経済思想の対立で、世界が分断してしまったのだ。その過去と、その一線に出ていた先生との記憶を振り返る。
「けれど、なんで僕がいかなきゃいけないの…。」
「あの基地が、かつての過去の亡霊たちの研究者によって、暴走しかねんのだ。お前はかつて、シリコンバレーのとあるIT企業で働いていたんだろう。バイトでな。その知見を活かして、職員として潜入して、早く、その基地の暴走を止めてほしいんだ。」
祖父の決心はにじまなかった。
「―――母は、お前が大伯父様によって、ロバートと名付けられたときに、あの二度と犯してはいけない、取り返しのつかない過ちを、アメリカが犯し、その最先端の技術によって多数の死者が出た、あの日を、思い出してはならぬと、おっしゃった。そののち、わかるだろう。…あの広島のルインをな。」
その時、思った。
「過去に目を閉ざすものは、現在にも盲目になる―――。」そう思えた。
ちょうど、あの科学者の映画がやっていたのだが、その人物を指すのだろうか。とにかく、応募が通ったら、行くしかない。ただ、それだけだった。
また、お会いしましょう。




