第69話 閑話(とあるお茶会)
すいません。後々を考えた結果、一話入れることにしました。
(今回は会話のみです。誰が話しているかは想像がつくかと)
*この世界は一か月30日で年360日。地軸の傾きは少ないが公転軌道は(彗星のような)楕円形。月のような衛星はない(この世界の住人はお空に興味が湧かない)
「なあサリー?」
「なんだ?」
「陛下って結構」
「それは言ってはダメ」
「そう、我々は移籍したとはいえ騎士団員なんだから~」
「第一騎士団か……」
「重みが違う」
「これからは雷系を使えるようにならないと」
「アレって以外と難度が高いんだよな」
「団長は『気にするな。得意系統を伸ばせ』と言ってたぞ」
「シーラ様がいるじゃん」
「そう〜。魔法はシーラ様から〜」
「んで剣は団長?」
「山水様は?」
「サリー専門」
「獲物が刀だからね」
「未だに早朝素振りしてるの?」
「お前らは?」
「「「…………」」」
「こりゃ差は縮まるどころか開くばかりだな」
「けど休む暇もなし? せめて休暇くらい欲しくない?」
「私達はまだましだって」
「そう。殿下達は悲惨」
「今も【特使】として隣国に行かれてるし〜」
「確かに。スンマセン」
「で費用は?」
「好きなだけ使えって」
「ギルドにも話は付けてあるって~」
「ま、そっちは何とかなるだろう」
「その根拠は?」
「チート持ちが増えたからな」
「「「あ──シーラ様か」」」
「魔力、凄いことになってたわ」
「確かルーナ様の力を取り込んだとか~?」
「それより驚いたのは団長じゃん」
「ん、色んな意味で驚愕」
「まさか【変身】するとは」
「山水様は元からだけど、あの三人は我々とは次元が違うよね」
「「「確かに」」」
「実際、どうなの?」
「どうって?」
「陛下が言われた『百二十日内に人が暮らせる環境を整えよ』ってやつ」
「師匠とシーラ様が組めば街の一つや二つ、十日もあれば」
「「「…………」」」
「問題は水だな」
「「「確かに」」」
「南部は港がある最南端を除き雨が殆ど降らない」
「森の方から水を引けないの?」
「確か水が沸いていたわよね〜?」
「調査した」
「いつの間に」
「シーラ様が同行してくれた」
「じゃあ空から?」
「正解」
「こわ!」
「高いとこ嫌い?」
「ち、違う!」
「でどうだった?」
「結構あったけと街を賄うには到底足りん」
「では魔鉱石で水を生成?」
「飲み水くらいなら」
「街の規模なら生活用水は無理だね」
「ならトイレは~?」
「昔ながらだな」
「「「……それはヤダ」」」
「ただ師匠は「考えがある」と」
「どんな?」
「さあ?「現地を見ないとなんとも言えない」とだけ」
「なら結果次第では」
「始末は自分達で」
「いやそれより魔獣対策」
「森か街を川で囲まないと」
「そちらは気にしなくていい」
「「「なんで?」」」
「そちらは『なんとでもなる』と師匠とシーラ様が口を揃えて言ってたぞ」
「あの二人が言うのなら」
「でも」
「気が重い?」
「休みが欲しい」
「でも陛下の命令だから~」
「そう落ち込むなって。コレはお前達の為でもある」
「どこが?」
「時がくれば分かる」
「そういやマーサは今後はどうするの?」
「どうって~?」
「家」
「私はどのみち独立することになるから~」
「ん、三女。男子もいるし家督とは無縁」
「というかお前ら全員、陛下から【ナイト】の称号、頂いたんだろ?」
「「「…………」」」
「形だけだが準男爵。立派なお貴族様だ」
「準男爵は領地無し」
「収入も給金のみ」
「その給金は増えたんだから文句を言わない」
「そういえば……」
「なんだ? アタイをジロジロ見て」
「……お姫様?」
「フッ、過去の話だ。今はアラナート国民」
「戻らないの?」
「アタイの居場所はココ」
「たまには帰ってあげな」
「余計なお世話だ」
「ところで眼鏡は掛けないの?」
「アイツが治してくれた」
「そんな事も出来るんだ〜」
「らしい」
「それより魔族なんでしょ? 信用出来るの?」
「師匠曰く『気を使わず普通に扱え』と」
「ん〜見た目は何処にでもいそうな少女だけど、中身を知ってるとね」
「舐めてかかると瞬殺されるぞ」
「ってことはやっぱり強いのよね〜?」
「シルヴィア様が言うには『師匠 〉団長達 〉シーラ様 〉パイモンだが、場面によっては二番目以降が入れ替わる』そうだ」
「やはり危険」
「元々私達の「敵」では無い。その証拠にお前らが強くなれたのは誰のお陰だ?」
「「「…………」」」
「自覚してるなら結構。こちらが悪意を持って接しなければ危険はない」
「「「分かった」」」
「そろそろ団長達は国境に着く頃?」
「いや、多分既に交渉は開始している」
「はや! あっシーラ様か」
「でコチラは何を要求するの?」
「将軍が戦死してるし」
「金? 土地? 人?」
「交渉の中身までは知らない」
「決裂するかもしれないし」
「それは無い」
「何故〜?」
「アチラの戦力の大半は捕虜になるか戦死している」
「王様もね」
「指揮官もいない。つまり軍の体裁を保てていないと〜?」
「そう。一応、王子が王位を引き継いだらしいがまだ若い」
「確かに私達と然程変わらなかった気がする」
「ならロザンヌ様の独壇場」
「あれ? もう一人、継承者がいたよね?」
「王女」
「「「…………!」」」
「まあその辺りが落とし所かも」
「ま、まさかここに?」
「それは無い」
「根拠は?」
「皆、というか陛下が絶対に認めない」
「そうなの?」
「そこは私も同意。私が陛下でも認めない」
「理由は?」
「感情の問題」
「では誰に下賜されるの?」
「「「…………」」」
「普通に考えれば一番の功労者だな」
「なら山水様?」
「だから師匠じゃないって」
「「「…………」」」
「最近、男爵から子爵に陞爵した貴族が一家、あっただろう? 多分、そこに与えられる」
「「「……成程」」」
「上手くいくかしら〜?」
「負けたとはいえ一国の姫だし」
「家長は父を殺されてる」
「なら見せしめとして側室に?」
「いや陛下も宰相も裏の事情は知っている。その辺りは上手く纏めてくれる」
「今後の両国の友好?」
「それだと思う」
「他人の心配をしているが、お前らも立派な貴族だし、そろそろ自分の心配をしろ」
「「「……自覚?」」」
「一応言っておくがお前らはナート侯爵の【寄子】になる、いやなっている。だから嫁に行くのではなく、婿を貰う立場。それを踏まえた行動をするように」
「「「…………」」」
「その時がきたら多分、領地を与えられる」
「「「…………」」」
「今回の領地視察は「将来の領地の下見」だと思えば気が楽に」
「「「いやいや!」」」
「ん?」
「それ聞いてない!」
「言って無いからな」
「う、嘘でしょ?」
「当たり前の話だか? マーサなら分かるよね?」
「……確かに」
「「「…………」」」
「まあ諦めろ」
「「「…………」」」
「良い場所は早い者勝ち」
「「「!」」」
「ま、それ以前に相手を探さないとな
「「「…………」」」




