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第28話 『魔法で筋トレ』

砂漠で仕留めた大獅子の肉は高く売れた。

具体的に言えば金貨200枚だ。


俺達もあの後流砂の下で肉を食べたが、

牛肉と鶏肉の中間の様な味がして、

中々、美味しかった。


基本人間に害を与える事は無いので、

この肉が市場に出回るのは、

俺たちと同じく、12の難行クエストを受注した物好きが運良く大獅子を倒せた時である。


12の難行は1階位クエストである。

基本1階位クエストの内容は、

対人の場合は戦争関係が多く、

魔物の場合、複数の龍を同時討伐するなど、

恐ろしい難易度のクエストばかりである。


しかし12の難行クエストに出てくる龍は、

毒首龍(ヒュドラ)ただ一匹。

後は幻獣の類がほとんどを占める。

この時点で1階位クエストに届いているが、

無論、難行である故に、別の内容のクエストもある。


採取クエストや、対人クエストである。


採取クエストはその名の通り、

指定されたものを取ってくるものであるのに対し、

対人クエストは、

盗賊団の壊滅や、吸血鬼などの討伐、

貴族の護衛や、英雄の暗殺まで様々である。


今回、採取クエストで頼まれたものは、

ある程度高い山の山頂付近に生えているバーガッジ草である。


バーガッジ草は古くから治癒魔法の代わりになっている草で、

高価で取引されている。


……という事で俺たちは今、獣魔大陸の東の端、ヘリル王国から西にしばらく進んだ辺りにあり、

魔人の住む国との国境にもなっているボルバッタ山に来ている。


前世で言えば富士山より少し高い程度で、

地元の人からは不吉の象徴だとか、

凶悪な魔物が出るだとか噂されている。


「な、なぁ、爺さん。

一体あとどれくらい登るんだよ?

もう足が砕けそうなんだが…?」

「犬っころは体力がないのぅ!

まだ登り始めたばかりじゃろうが!」


いつもこの爺さん(ギーモン)の体力には驚かされる。

レオラ砂漠の大獅子を担いで、

アバルディア王国まで1日で戻り、

半日で肉を売りさばき、

頭を兜に加工するため、防具屋に依頼をし、

そこから夜中まで山中ハイキングだ。

まぁ俺は風属性の魔法付与(エンチャント)で、

追い風を出しているので、

あまり疲れは感じていないが。


今回はどうにか楽そうにクリア出来そうだ。


なんて甘い考えはすぐに打ち砕かれるのだが。


「ほっほっほ!楽そうじゃのぅ!

ロミーや!魔法で筋トレ、やってみてはどうじゃ?

ほっほっほ!やるぞい!ほーれ体が重くなったじゃろう!」


足が地面に吸い込まれていく。

ギーモンの忠告がなければ、恐らく何本か骨が折れていただろう。


重力魔法だ。


実際は補助魔法や強化魔法系に属す、特殊魔法で、

武器を振り下ろす際の切断と組み合わせて使われることが多い。


しかしそれを俺にかけて来たのだ。

しかも最大出力で。


「お、じぃ……さまぁ!?」

「ほっほっほ!喋ることが出来るなら十分よ!

そのまま登ってみるといい!

良い筋トレになるぞ!」



足の骨が折れるたびに、

治癒魔法をかけられ、

何度も激痛を味わう羽目になった。


最初はギーモンを睨みつけていたが、

段々と睨みつける気力も無くなり、

歩く事に集中し始めた。

勿論風属性魔法付与(エンチャント)全開で。


山の中腹まで登った辺りで、

ヴォーラフが倒れた。


「なんじゃ犬っころ。疲れ果ておって。

分かったわい。今日は休憩にしよう。

ほれ、ロミーも休憩じゃ」


重力魔法が解除され、

全開の風属性魔法付与(エンチャント)が暴走して、

空高くまで飛んでしまい、

着地の際に足の骨が粉々になった。

ギーモンがいなければ治らなかったので、

感謝しようとも思ったが、

原因にはギーモンがあるので、

よくよく考えれば感謝する義理もない。


結局その日は足の怪我を治癒されながら、

ゆっくりと眠りに入っていった。


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