繭花の日記
季節は流れ、春が来て、夏が来て、秋が来て、そして冬になり……
また、春が来る。
私の大好きな二人は、今も変わらず寄り添うように歩いている。
喧嘩はしたことがないらしい。
たまちゃん曰く、
「毎日が口喧嘩だからね」
たまちゃんは知らない。
田川君が、たまちゃん以外には寡黙だということを。
でも、それは知らなくていいことなのかもしれない。
私も石橋君と結婚し、二人の娘に恵まれた。
あんなに遊び人だった石橋君が、今では教育に厳しくて驚いている。
子育てに追われながらも、
たまちゃん家族や、小野君夫婦と一緒に旅行へ行ったり、遊びに行ったり。
気付けば、家族ぐるみの付き合いになっていた。
初めはバラバラだった苗字が、
月日を経て、三つの苗字になった。
あの修学旅行の班決めから、
こんなにも長く続く関係になるなんて、当時の私たちは想像もしていなかった。
きっと、私たちの子どもたちも、
いつか同じように悩み、迷う日が来るのだろう。
その時は、そっと背中を支えてあげられる母でありたい。
俯いて、自分を卑下していたあの頃の私に、今なら言ってあげられる。
──大丈夫だよ。
もうすぐ、幸せな未来が待っているから。
きっと私たちは、
おじいちゃんとおばあちゃんになっても、
六人で縁側に並んでお茶を飲んでいる。
そんな未来を思い浮かべながら、
私は今日も、穏やかな時間の中にいる。
【完】




