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番外編~繭花ちゃんたちの結婚式 最終話~
「良い結婚式だったな……」
帰り道、田川君がポツリと呟いた。
「うん」
差し出された手を握り返し、私たちはゆっくりと並んで歩き出す。
ふと見上げた星空は、驚くほど綺麗だった。
式場で、小野君から聞いた長塚君の“今”。
どうやら、かなり遊び人になっているらしい。
それを聞いて、少しだけ胸がチクリとした。
それでも──
私と過ごした時間に、嘘はなかったと。
そう、信じている。
「優里?」
ずっと黙っていた私を、田川君が心配そうに覗き込む。
「ねぇ、聡」
「ん?」
「ずっと、隣に居てくれてありがとう。これからも……よろしくね」
微笑んでそう言うと、
田川君はゆっくりと、私の身体を抱き締めた。
「俺の方こそ……俺を選んでくれて、ありがとう」
その声に、胸が熱くなる。
今では、大切な人生のパートナーになった田川君の胸に、
私はそっと顔を埋めた。
出会いは、友達の好きな人だった。
クラス替えで隣の席になり、
友達のために、何気なく発したこの一言から──
すべては始まった。
「田川君、田川君。背、高いね。身長いくつ?」
あれから、ちょうど十年。
私たちは、新しく芽生えた命とともに、
同じ苗字で、家族として人生を歩いている。
私の隣には、田川君がいる。
それは、この先も──
ずっと、ずっと。
─── 完 ───




