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うちの会社には変わった女性社員がーーー増えている。




「ねぇねぇ、見て!受付にキラキラしたイケオジが来てるよー!ロマンスグレーって素敵!

取引き先の人かなー?」



「うーん、何?どこどこって、、、、あぁ。

あの人、前にシルバー派遣で清掃員してたおじさんじゃん。」



「えっ?あんな素敵な紳士見たことないけど、、?」



「あんた忘れたの?

居たじゃん、でっぷりお腹の汗かきツルツル頭(サンシャイン)さんが。」



「確かに居たけど、、、っ!!?うそっ!!同一人物?

信じられないんだけど!?

確かに徐々に清潔感がある容姿になってきて好感度は上がってきてたけど、、じゃああのフサフサなロマンスグレーってヅラってこと?じゃないとおかしいし、、、さすがに毛根復活は無理じゃね?不治の病だし。」



「ふっ。その不可能を可能にするのが我が社のイケメン製造機(金田美鈴)でしょ?」



「彼女にかかれば髪の毛など造作もない事。

異常なまでの(ぽっちゃり)愛で男達の全て(コンプレックス)を解決してしまうのよ!」



「なんて恐ろしい子!

で、いつもの様にまた被害者(報われないイケメン)を製造した、って事であってる?」



「ふっふっふっ。と、思うでしょう?

所が今回は新たなパターンを生み出したんだよ!

聞きたい?!聞きたいよね?!」



「落ちついて!聞く聞く、聞かせて下さい。(この子製造機ネタ好きよね。)」



「あのね、いつもの様にイケメン製造機がぽっちゃりに目を付けて押しに押しまくってた訳なんだけどさ、見れば分かるでしょ?年齢が離れ過ぎてた訳よ。」



「確かに。今受付で向かい合ってる金田さんとイケオジの姿、完全に親子って感じー」



「そう!そうなの!だから清掃員のおじさんは娘のように感じたらしくて猫っ可愛がりしたのよ。」



「珍しく恋愛には発展しなかったんだー。

まぁでも金田さんそれを良い事に親子のスキンシップってかこつけてハグしたりでじわじわ距離詰めていきそー。」



「はい、正解!社内では適正距離だったけど社外では何かにつけてはくっついてグイグイ行ってました!

ちなみにハグついでに汗の匂いを一杯嗅いで頬を赤らめていたの私は見たわよ!」



「その状況をどこで見たかは聞かないでおいてあげるね、ストーカーちゃん。」



「たっ、たまたまよ!たまたま町で見かけたり、たまたま隣の駐車している車が製造機の車でたまたま残業時間が被って車内が見えたり、、、ね?」



「、、、うん。。(怖っ)」



「もうっ、それは良いのよ!

で、そうなるとおじさんはさすがに汗が気になり出して、で体型も頭も気になり出して、、、娘に嫌われたく無い!一緒に居て恥をかかせたくない!てな感じで別方向からいつものベクトルへ向かっていったの。」



「なんだいつも通りじゃん。

好きなぽっちゃりがイケメンになったので『さよならー』でしょ?」



「残念、違いまーす。

清掃員さん、、いやイケオジか、そのイケオジはある人に見初められました。」



「横槍きた〜、新展開!

いつも製造機しか見ないイケメンだったけど今回は娘感覚!はいっきたねコレ!!」



「そうなの!

でイケオジを見染めたのが島田咲子常務なのよ!仕事一筋25年で上まで昇りつめた女傑!

誰にも靡かない鉄壁女史が製造機で鍛え上げられたイケオジの紳士さに落ちたのよ!!で、火のついた常務の猛アプローチの末に結婚に至ったの。」



「いやーそれはめでたいわね!常務が最近柔らかくなったのってそうゆうことだったんだー。

、、、ん?って金田さんはどうしたの?

まぁイケオジになった時点で関係ないって態度っぽいけど。」



「ふふふふふっ。そう、製造機はもうイケオジには関心は無かったの。でもね、イケオジは自分を変えてくれた娘(のような存在)を忘れるはずがなかったの。彼女()を幸せにしたい。

それを常務に相談したら表面上ニコニコとしていたけど内心は大荒れよね!血の繋がらない若い女を、自分の夫が気にかけるんだもん。」



「金田さんピーンチ!それで?!それで?!」



「『あなたの大切な(彼女)の為に私が一肌脱ぐわ。実は彼女、我が社でも有名(・・)なとても優秀な社員なのよ。

だから彼女の望む大きい(人達が沢山居る)世界へ送り出してあげようと思うの!我が社期待の海外支社よ!

彼女の幸せの為、親として笑顔で送り出してあげましょうね、あなた。』ってな感じでトントン拍子に話が進んで本日、製造機の本社出社最終日となるのよ。」



「うわぁ、、、た、確かに栄転にはなるけども、、完全に常務に左遷(遠ざけられた)じゃんか。。

で、当の金田さんは大丈夫なの?」



「まぁ製造機を見てみない。あの輝かしい瞳。上気した頬。新たな出会いにワクワクが止まらないって姿よ!」



「さすが、金田さん。揺らがないわー。。

でも、製造工程を間近に見られなくなるのは残念だなー。」



「そうよね。。やはり臨場感溢れる製造工程は見ていたいわよね、、。っと、よいしょっと。」



「、、、ところで気になってたんだけど、あんたのそのダンボール箱なんなの?」



「えっ?えーと、籍を移すからデスクの荷物まとめたのよ?」



「えーーーっ!?聞いてない!!いきなり過ぎない??で、どこに転部するの?」



「ーーーか、海外。」



「、、、、、、、、、、。(ジトーー。)」



「た、たまたまよ、たまたま、海外支社の籍が一つ空きがでて、たまたま社内試験で一番とった私が行く事に、、、ね?」



「、、、、、、、、、、。(ジトーー。)」



「あっ、もう行かなくちゃ。

また連絡するからね!アデュー⭐︎(さぁイケメン製造機、新たなステージよ!見逃せないわ!ワクワクすっぞ!あははははーーん⭐︎)」



「()の部分声に出てるし。。、、、変なの金田さんだけじゃ無いじゃん。いや、ある意味これも金田さんが製造したってことか、、。業が深いわ、、、金田さん。」



「、、、、、あの子に海外リモート実況頼もうかな。」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「美鈴ちゃん、寂しくなるけど海外支社で頑張ってね。私は君の第二の父親として応援しているからね。もちろん、咲子さんも。」



「はいっ、ありがとうございます。お父さんの(元の)姿が見られなくなって寂しかったですけど、新たなビッグバディ(希望)も見えて来たので頑張りたいと思います。」



目の前の人を見る。見る影もなくイケメン紳士だ。

また、一人理想のぽっちゃりが消えてしまったことにため息が出そうだったが、今の私は前を向いている。


そう、新たなステージ海外支社。


日本には居ない海外サイズに思いを馳せ期待に胸が躍っている。




私はどこにでも居るような普通のOL金田美鈴28歳、独女。


仕事はそこそこ、人付き合いもそこそこ、容姿もそこそこの全て平均値の様な人物だ。



私は海外で理想のぽっちゃり(男性)を射止めてみせる!!


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