100.神様、もしいるのなら
嘘だ、と、叫びたかった。
喉が張り裂けて、血を吐いたっていい。
嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ。
体を激しく上下に振られながら、カミラは唇を噛み締めた。叶うことなら駈足じゃなくて、襲歩でロカンダまでの道を飛ばしたい。
でも、それじゃあっという間に馬が潰れる。そうなったらカミラたちはもう間に合わない。
「――ロカンダが……包囲、される……? 何、言ってるの?」
カミラがかつて黄皇国の将軍だったという男にそう尋ねたのは、今から半刻(三十分)ほど前のことだった。
ヴィルヘルム・シュバルツ・ヴァンダルファルケ。
全身黒ずくめで、顔の半分も黒布で覆ったその男は、表情筋をまったく動かさぬまま平坦な声で言う。
「信じる信じないはお前たちの自由だ。だがさっき言ったとおり、俺はかつてこの国の軍隊に客将として迎えられていた。おかげで黄皇国軍の中には顔見知りが多くてな。ここへ来る途中にも南のスッドスクード城を通ってきた。この情報はそのとき昔の顔馴染みから聞いた話だ。報酬は弾むからお前も作戦に加わらないかとな」
「だ、から……だから私を守りに来たって言うの? そのこと、カールさん――宿の人たちには……!?」
「告げていない。事情を話せば長時間拘束されて、お前たちを追跡できなくなると思ったからな」
「なんで……! 私があそこにいるって知ってたなら、あの宿が救世軍の拠点だってことも分かってたんでしょ!? だったら……!」
「言っただろう。俺が受けた依頼はカミラ、お前の護衛だ。反乱軍のお守りじゃない」
黒い隻眼に鋭く見据えられて、カミラはそれ以上何も言えなかった。得体の知れないこの男が恐ろしかったせいでもあるし、混乱の極地で頭が回らなくなっていたせいでもある。
とにかく今分かっていることは――この男の言を信じるのならば、だが――救世軍のアジトは既に黄皇国軍に露見していて、これから殲滅作戦が行われるということ。
それが本当なら、こんなところでのんきに談笑などしていられない。カミラは救いを求める気持ちでフィロメーナを振り向いた。そのフィロメーナが言う。
「……ヴィルヘルムさん。その話を事実だと証明できるものは?」
「あったらとっくに見せびらかしていると思わないか? だから言った、信じる信じないはお前たちの自由だと」
「では他に分かっている情報は?」
「そうだな……俺が聞いた話では、ロカンダ包囲に動く軍勢は精鋭五千。そしてこの作戦は同日――つまり今夜、黄皇国全土で決行される」
「まさか」
「そのまさかだ。お前たちはロカンダ以外にも、各地に組織の支部を持っているらしいな。それが今夜一斉に摘発される。嘘だと思うなら一晩寝てからロカンダへ戻ってみることだ。俺の言葉が真実か否かはそこで知れるだろう」
カミラは胸が苦しくなった。
過呼吸になっているのだろうか、頭がぐらぐらしてまったく思考が働かない。
だが情けない声で「フィロ」と彼女の名を呼んだとき、カミラは見た。
膝の上で重ねられ、握られたフィロメーナの手。
それが小刻みに震えている。
「おい、フィロ。こいつの話が本当だとしたら、スミッツから届いた手紙は」
「ええ……恐らく彼は、黄皇国軍の動きを察知して私に知らせを……」
「なら……なら、早く戻らなきゃ! こうしてる間に、ロカンダは……!」
カミラは真っ青になって叫んだ。傍で座り込んでいるフィロメーナの外套を、縋るように掴む。だがすぐに制止の声が上がった。
「やめておけ。今から戻ったところでどうにもならん。相手は五千の兵力だぞ。そこにこの人数で飛び込んでいくというのは、丸腰で死の谷へ赴くのと同じだ」
「馬鹿言わないで、ロカンダには私たちの仲間が大勢いるのよ! それを見殺しにしろって言うの!?」
「千軍は得易きも、一将は求め難し。お前の祖先の言葉だ。分かるな、フィロメーナ?」
「……多くの兵を集るのは簡単でも、将才を持つ者を手に入れるのは難しい……」
「そのとおりだ。反乱軍……いや、救世軍は総帥であるお前を失えば瓦解する。だが逆に言えばお前さえ生き延びれば再び兵を募り、組織を再建することも可能だということだ。だとすればどちらが賢い選択か、お前もオーロリー家の人間なら分かるだろう」
「それは分かっています! だけど、あの町には……!」
――イークが。
うつむき、額を押さえたフィロメーナの口から、震えた吐息が漏れた。
それと同時に吐き出された彼の名は、薪の爆ぜる音に紛れて誰にも聞こえなかったかもしれない。
けれどカミラは確かに聞いた。
その瞬間、剣を掴んで立ち上がった。
少しふらついたがすぐに踏ん張り、身を翻す。駆け出すと、枯れ草を食んでいた愛馬が顔を上げた。耳をピンと立て、「行くのか?」と尋ねてくる。
「おいカミラ、お前どこに……!」
「私はロカンダに戻る! ウォルドはフィロを連れて北を目指して!」
「馬鹿言え、お前が一人で行ったってどうにもならねえだろうが!」
「それでも行くのよ! 急げばまだ間に合うかもしれない!」
「チッ……おいヴィルヘルム、その作戦が決行されるのは今夜の何刻だ!?」
「そこまでは俺も知らん。だが夜襲の定石は境神の刻(二十一時)以降、深夜だな」
「――今はまだ金神の刻(十九時)前だ。カミラの言うとおり、急げば間に合うかもしれない」
そのとき背後からまっすぐな声が届いて、カミラははっと足を止めた。
振り向いた先には、立ち上がったジェロディがいる。彼の手には銀色の、小さい……懐中時計? 一部の富裕層だけが持っている、装飾品を兼ねた小型の時計だ。
「やめておけ、ジェロディ。危険な賭けだぞ。ここからロカンダまでは馬で一刻(一時間)余り。俺が言ったのはあくまで定石の話で、夜襲は早ければ戒神の刻(二十時)には始まる」
「ダメならダメで、そのときは引き返せばいいじゃないですか。官軍はきっとフィロメーナさんがロカンダの外にいるとは思ってない。彼らの注意は町に向くはずです。だったら外側から様子を伺うくらいできるはず」
「だがお前は大将軍の息子だろう。反乱軍と行動を共にしていることを黄皇国軍に知られたらどうするつもりだ?」
「それならもう知られてますし、今回は念のため顔を隠します。ルシーンの思惑どおりに事を運んでやるつもりはありませんから」
「ジェロディ」
「ケリー、マリー。君たちはどうする?」
渋い顔のヴィルヘルムにみなまで言わせず、ジェロディは尋ねた。すると真っ先にマリステアが立ち上がり、急き込んだ様子で言う。
「わ、わたしは! わたしは、ティノさまが、行くとおっしゃるのでしたら……」
「本当にそれでいい?」
「え?」
「今回ばかりはもしかしたら、後戻りできない事態になるかもしれない。ヴィルヘルムさんの言うとおり、もし僕がまだ救世軍と共にいることを知られたら、もう二度と国へは戻れないだろう。それでも?」
ジェロディの言葉の揺るぎなさに、カミラは胸を衝かれた。それは彼の体を貫く覚悟の表れのように思えた。
二度と国に戻れなくなるかもしれない。そうと分かっていながら、自分たちと共に行くと言ってくれた彼の想い。
その想いが胸に刺さって、図らずも視界がぼやけた。けれどちらと目を向けた先では究極の問いを受けたマリステアが胸を押さえ、うつむいている。
「わ……わたしは……それ、でも……」
「無理しなくていいんだ、マリー。君まで僕の我が儘に付き合う必要はないよ。それでなくともこの一ヶ月、君には怖い思いやつらい思いをいっぱいさせた。僕が、君を巻き込んだから――」
「――っそれでも、わたしはティノさまと一緒に行きます! マリステアは何があっても、ティノさまのお傍を離れません……!」
突如響き渡ったマリステアの叫びに、ジェロディが目を丸くした。他の面々もその声量に面食らったようで、ぎょっとしながら彼女を見ている。
「たとえもうお屋敷に戻れないとしても……ガルテリオさまに会えないとしても、わたしは……わたしはティノさまのお傍にいます。絶対に、離れません……!」
「マリー」
「だってティノさまはそうやって、何でもお一人で抱え込んでしまわれるから……そういうところ、ガルテリオさまにそっくりで……心配、なんです。いつかお一人で壊れてしまわれるんじゃないかって」
「マリー、」
「それに、ガルテリオさまだってきっと分かって下さいます。だって竈神祭の日に……わたし、ガルテリオさまに約束したんです。いかなる苦難が待ち受けていようとも、マリステアはこれからもティノさまのお傍を離れません、と」
「……」
「だから……だから、どうか一緒に行かせて下さい。それがティノさまとガルテリオさまにお仕えする、わたしの忠義です――そうですよね、ケリーさん?」
大きな瞳を潤ませながら、しかし笑ってマリステアは尋ねた。
彼女が見下ろした先には、未だ地面に腰を下ろしたままのケリーがいる。彼女は立てた片膝に右腕を預けた体勢で、一度うつむき――そして、笑った。
「ああ、そうさ。よく言ったね、マリー」
「ケリー」
「ティノ様。あなたを恨んでいる人間が、わざわざ腹に大穴を開けてまで魔物と戦うとお思いですか? 我々はこの先も――たとえあなたがどんな選択をしようとも、ティノ様の味方です。どうかそのことを、ゆめゆめお忘れなきよう」
言って、ケリーは立ち上がった。
見上げたジェロディの瞳の中で、赤い炎が揺れている。
それが少しだけ滲んだように見えたのは、カミラの目の錯覚だろうか。
彼は二人の家族を前に顔を伏せ、噛み締めるように、言った。
「ありがとう」
――そして今、カミラたちは街道を馳せている。
各々が馬を急がせながら、まっすぐ南へ。
手綱を握っている手に汗が滲んで、滑りそうだ。
だから改めて力を込める。情けなく震える拳に。
(もうすぐ戒神の刻――)
ヴィルヘルムが、早ければ夜襲が始まると言っていた時刻。
間に合うだろうか。いや、間に合わせなければならない。
何せあの町には大勢の仲間たちがいる。
カールが、アルドが、ギディオンが――イークが。
『無事に戻れよ』
別れ際、彼からかけられた言葉が脳裏をよぎった。
ぶつけた拳の温かさが、熱いくらいに甦った。
途端に涙が溢れてくる。こらえよう、と思う暇もなく。
(ああ、神様。もしいるのなら――)
歯を食い縛り、上体を屈めて、泣きながらカミラは祈った。
(お願い……みんなを守って……!)
◯ ● ◯
駆ける馬の背に揺られながら、ジェロディはぼんやりと前を見ていた。
前、というか先頭を行くヴィルヘルムと、彼の後ろを駆けるフィロメーナの背中をだ。
ヴィルヘルムはあのあと、どうあってもロカンダへ戻るというカミラの主張に折れた。彼女の護衛が自分に与えられた任務だから、このまま見殺しにするわけにもいかないと同行を申し出たのだ。
そのヴィルヘルムにカミラを守るよう頼んだという人物のことは気になる。依頼人は彼女たちがチッタ・エテルナを拠点にしていることを知っていたようだから、救世軍の機密を知る人物か、あるいは今夜の襲撃作戦を企てた黄皇国側の人間――ということになるのだろう。
もしも後者ならば、依頼人は国を裏切る覚悟でヴィルヘルムを雇った、ということになる。そこまでしてカミラを守ろうとするのは、本当に彼女の父親との友情だけが理由なのだろうか。
しかしジェロディには今、それ以上に気になって仕方がないことがあった。
「――ジェロディ」
とフィロメーナに呼ばれたのは、今から半刻ほど前のこと。
ちょうど野営地を引き払い、ロカンダへ向けて出発する準備を整えていたときだった。皆が慌ただしく荷造りする中、一足早く馬の鞍に荷物を括りつけていたジェロディのもとへ、彼女の方から歩み寄ってきたのだ。
「ありがとう。ヴィルヘルムさんを説得してくれて」
フィロメーナの顔色は暗闇の中でも分かるほど悪かったが、それでも彼女は微笑んだ。たぶん無理をしているんだろうな、と思いつつ、ジェロディも可能な限りいつもどおりを装って、小さく首を横に振る。
「僕が説得したんじゃありません。押し切ったのはカミラですよ」
「だけど突破口を作ってくれたのはあなただわ。だから……ありがとう」
言いながら、フィロメーナは己の腕を摩るように体を抱いた。その肩が微かに震えているのを見て、ジェロディは何と言葉をかけるべきか、束の間悩む。
「あの……フィロメーナさん」
「何?」
「僕もロカンダへ戻ることには賛成しましたけど、でも……ヴィルヘルムさんの主張も正論です。こんなのは正直自殺行為だし、あなたが生き延びればまだ希望はある。だから、カミラが言っていたように……フィロメーナさんとウォルドだけは、このまま北へ向かうという選択肢もあるんじゃないでしょうか。いえ、むしろ救世軍のためにはそうした方が――」
「――イークはね。私の恋人なの」
は、と、思わず間抜けな声が出た。
いや、それは声というより、気の抜けた吐息だったかもしれない。
「気づかなかった? 彼が異様に私の身を案じていた理由」
「そ、れは……すみません。僕はてっきり、フィロメーナさんの存在が救世軍の要だからかと……」
「ふふ……確かにそれもあるのでしょうけど、そのことだけがあの過保護の理由じゃないわ。心配症なのよ、彼。私の浮気だとか、そんなことは一つも心配しないくせに、私が泣いたり傷ついたりすることには敏感で……」
とても優しい人なの。
そう言ってフィロメーナは目を細めた。正直それを聞いてもイークの印象を〝苛烈な人〟から〝思いやり溢れる温かな人〟へ改めるのは至難の業だが、そんなジェロディの胸中を知ってか知らずか、フィロメーナは話を続ける。
「ジャンが軍に殺されたあと、ね。彼は必死に私を支えてくれたわ。来る日も来る日も泣くことしかできなかった私に代わって、救世軍を去ろうとする人たちを引き留めて……それでいて私には何も言わず、黙って傍にいてくれた。口下手な彼らしいわね。最初から最後まで、慰めの言葉一つかけてはくれなくて……だけど私には百万の気休めの言葉なんかより、彼のその沈黙が救いだった」
そう告げたフィロメーナの瞳から、ぽろり、と涙が零れた。
けれど彼女は笑っている。さっきまでのぎこちない作り笑いじゃなく、本当に愛しい者の名を呼ぶときの顔で。
「けれどイークが救世軍に入ったのは、私が巻き込んだからなの。私があのとき共に来てと言わなければ、彼は……なのに私は、ジャンだけでなくイークまで……」
「フィロメーナさん」
「だから私は行かなくちゃいけないのよ、ジェロディ。たとえそれが愚かな行為だと分かっていても……自分のしたことの、責任を取るために」
依然涙を零しながら、しかしフィロメーナの声は決して揺れていなかった。
彼女はまっすぐにジェロディを見つめてくる。
何もかも悟ったような、透明な笑みを浮かべて。
だからジェロディは頷いた。そうする以外に選択肢を持たなかった。
彼女は悪くない。きっとイークはそう言うだろう。
だけど前に進めないのだ。己の過ちを償わなければ。
「――フィロ! こっちは準備できたぞ!」
少し離れたところからウォルドの呼ぶ声がした。見ればジェロディとフィロメーナ、二人以外は銘々の馬に跨っていつでも出発できる体勢でいる。
「分かったわ、行きましょう。それじゃあ、ジェロディ」
「はい」
続きはすべて終わったあとで。そう意味を込め、もう一度頷いた。フィロメーナも頷き返し、軽やかに身を翻す。
そのときだった。
突然、ぶわっと闇が巻き起こった。
宙空から煙のごとく噴き出したそれは夜闇よりも暗く、黒く、渦を巻く。
何だ、とジェロディは目を見張った。
ちょうど水の中に絵の具を垂らしたみたいに、闇はゆっくりと蠢き、広がる。
その闇がすうっと引き寄せられるように、フィロメーナを追いかけた。
駆けてゆく彼女の後ろ姿が、黒い煙に呑み込まれる。
「フィロメーナさん!」
まるで不定形の蛇が、毒牙を剥いて彼女に絡みついたみたいだった。
だからとっさにそう叫ぶと、闇の下から覗いていた彼女の足がぴたりと止まる。
それからフィロメーナは不思議そうにこちらを振り向いた。
瞬間、彼女にまとわりついていた闇がパッと消える。ジェロディは目を疑った。
今のは、幻……?
「どうかしたの、ジェロディ?」
「い……いえ……すみません……何でも、ないです――」
――あのときはああ答えるしかなかった。自分は昼間あんな重症を負ったあとだ。神の力で傷は完全に癒えたとは言え、やはり血を流しすぎたか、疲れていたのかもしれない。
だからあのように奇妙な幻を見た。そう考えるのが一番妥当なような気がした。
なのに何なのだろう、この胸騒ぎは。
瞼に焼きついて離れない、蜷局を巻いた黒き闇。
あれを思い出す度全身に粟が立つ。不気味でおぞましく――空恐ろしい。
(昼間のあの光と言い、僕は一体どうしてしまったんだ……)
ジェロディは馬に揺られながら、無意識に額へ手を当てた。何か考えようとすると意識が茫洋として、上手く思考がまとまらない。
それもやはり血を流しすぎたせいだろうか。だとしたら同じく重症を負ったケリーは大丈夫だろうか――ととりとめもなく思案したところで、パタッと何かが頬に触れた。
指先で掬い取ってみると、水滴だ。
雨でも降ってきたのだろうかと頭上を仰ぐが、空は晴れ。
星影の少ない夜空には、蒼い満月が皓々と輝きながらかかっている。
ならばこの水滴は――と視線を下ろしたところで、はっとした。
カミラ。
泣いているのだろうか。
ジェロディの少し先を行く彼女は、顔を上げて乱暴に目元を拭っている。
ならば今さっき僕の頬を濡らしたのは、彼女の……。
そう思ったら、得も言われぬ感情に胸を締め上げられた。――苦しい。
(そうだ。今はぼんやりしてる場合じゃない)
自分に活を入れるため、頭を大きく左右に振った。
すると頭の裏側で、シャラシャラと金細工が音を立てる。
――いきなさい、ティノ。
そう言われたような気がした。
だから今は前を向き、きつく手綱を握り締める。
(行こう、ロカンダへ)
ジェロディはもう迷わなかった。だって昼間の戦いで分かったのだ。
自分は彼らを死なせたくない。
共に生きたい、と。