5.帰還する馬車の中で
前回抜けていた地理的情報を含んだ補足説明っぽい内容になっています。
ほとんどの内容がダブってますが・・・。。
そして次の日。
記憶が無くなっているものの健康状態に問題はない、との判断で早々と退院(?)の許可が下り俺は領主館が置かれているメラーラの街に帰還する馬車の中にいた。
いかにも中世ヨーロッパという感じの田園風景が流れる車窓を眺めながら俺は物思いに耽っていた。
「五年以内に軍事力を整えてみせるさ」
などと大口を叩いたはいいものの領地の現状を全く把握できていない今のままでは何をしたら良いのかわからず、俺は頭を抱えていた。
ここでこれまでのおさらいをしてみよう。
日本でありふれたオタクな大学生であった俺は転生してここ、プロリア帝国の貴族であるメラーラ伯爵になった。
どうやら伯爵が病気で亡くなったところに俺が滑り込んできたようだ。
で、伯爵となった俺は記憶喪失を装ったのについつい執事に大口を叩いて頭を抱えている今に至る。
次に本来のメラーラ伯爵についてだ。
年齢は26歳。
これは先代のメラーラ伯がかなり早死したことが原因のようだ。
統治はかなり穏やかで帝国一領民を思いやる貴族とも呼ばれており、領民からの支持もなかなかのものだ。
領地は元の世界で言うドイツの南西部ザール地方からスイスにかけての一帯とかなり広大で帝国の食料供給の一翼を担っている。
主要な産業は農業と製鉄だが、領内に鉱山の類はまだ発見されておらずルール地方を所領とするラインメタル男爵からワルター侯爵領を挟んで資源を輸入している。
フランスにあたるセリン共和国と国境を接しており軍事力を必要としているが騎士団の保有を禁じられている関係で、ワルター侯爵隷下の騎士団が駐屯している。
その駐屯費用はかなり高額で財政をかなり圧迫している。
目下の目標は騎士団に頼らない軍事力を整備してワルター騎士団にお引き取り願うこと。
うん、目標はシンプルだ。
おさらい終了。
とにかく何をするにもまずはこの世界の技術レベルと教育水準を知らなければならない。
こうして伯爵の領内視察が決定されたのであった。




