【番外編】獅子の牙⑥
船を出して数日が過ぎた頃……
ブレイン達は、ワイバーンの島を見つける。
「おいおい! ここは……」
「ワイバーンの島……」
「ここで、定期的にワイバーンを狩る事が出来れば……」
「私達は、一生安泰ですね。
このパーティーに入って本当に良かったですわ!」
喜び! 笑い合う。獅子の牙のメンバーは、島に上陸すると——島を捜索する。
そして、少し進むと……岩の上で傷を癒す手負のワイバーンを見つける。
「おい、ボロボロのワイバーンが居たぞ……」
「でも、なんかアイツ普通のワイバーンと雰囲気違くないか?」
「確実に、あの時——取り逃したワイバーンでは無いわね……」
「そんなの何だって良い。怪我してるて事は、弱いって事だ!
あの細身の尖ったワイバーンも、きっと縄張り争いに負けて怪我を負ったのだろう」
「そうですね。確かに、見た目は細身で尖っていて普通のワイバーンとは違いますが……
大きさもそれ程、大きくはありませんので——そこまでの脅威では無いかと思います」
「そうだよな! 今回は、武器も揃っている。
中型のワイバーンくらい普通に倒せるんだ。
あの程度の大きさのワイバーンにビビる事なんてないさ——ッ!」
「それもそうですね……」
「では、参りましょう!」
そうして、ブレイン達は——細身の尖ったワイバーン……閃光のワイバーンに近づくと——。
「弱気者よ……何を求めて、ここに来た……」
「わ……ワイバーンが喋った!」
「我は、ある……強気者を待っている……そして、その者と戦う為に……体を休めておる……
しかし、お前達の……返答次第では…………」
「返答次第では、何だって言うんだよ!」
「あ"あ、そうだ! 言ってみろ——ッ」
「我の本意では無いが……弱気者を……この島から排除する……」
「排除……戦うって事だろ!
こっちは、はなっからそのつもりだ——ッ。
かかって来い!」
「よかろう……身の程を教えてやる…………」
*
*
*
その後、ワイバーンの島を一隻の船が出航する。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………何だったんだよ。あのワイバーン……」
「……かすることも出来なかった…………」
「そんな事より……あのワイバーン。全く本気を出している様には見えなかった……」
「それじゃー……
あのワイバーンは、俺達を舐めていたって事か……?」
「舐めてなんて、いないわよ……
相手にすらされていなかったのだもの。
私達は、手も足も出なかった……」
「あのワイバーンは、何故!? 私達を逃したのでしょうか……?」
「そんな事、分からない…………」
「俺達は、ドラゴンスレイヤーの称号を持つ。
勇者パーティーだぞ! 俺達に敵う相手なんて、魔王だったんじゃねーのかよ!」
「知らないわよ。そんな事……」
「俺達は、これからどうすれば良いんだ……
誰か教えてくれ——ッ!!!」
それから、自信をなくした獅子の牙のメンバーは……王都に戻ると少しの間、大人しく過ごす事となった。
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