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閃光のワイバーン

 激しくぶつかり合う両者——ッ!!!

 見ている方から見ると、互いの力は拮抗している様に見えるが……

 実際、体力を削られ! 息が上がっているのはショウの方だけであった。


 一見、閃光のワイバーンの最大の武器は——ワイバーンの鱗で作られた鎧も溶かし貫通する。高熱の閃光かと思われるが……


 実際に、対峙してみた者だけに分かる。

 その圧倒的なスピード……


「風の精霊の力を借りても……

 魔法を使っても追いつかない……」

 

 そして、閃光による攻撃を受け流す為に——次々とダメになって行く、武器や盾……このままでは、ジリ貧だと思われた。


 その時……


 深刻な顔のシルクによって、届けられる。アカネの【バーチャルリメイク】が……

 

「安心して下さい。アカネは、一命は取りとめております!」


 それを聞くと、ショウは安心して【バーチャルリメイク】を受け取った。


 そして、精霊術、風魔法、バーチャルリメイクを駆使しても、あと一歩! 閃光のワイバーンのスピードには、届かなかった。


「くそッ……あと一歩……あと一歩なのに……」


 直線的なスピードでは、追いつくのに方向転換をされると逃げられてしまう。


 なので、ショウは考える……


「閃光のワイバーンにあって、自分に無い物………………そうだ——ッ!」


 そして、ショウは【シャドウ】を使うと自分自身の背中に漆黒の羽を生やした。

 

 その姿は、まるで悪魔……

 しかし、翼による軌道変更により。ショウは、閃光のワイバーンの速度に追いついた。


「ここからが、本当の勝負だ——ッ!!!」



 それから両者は、数時間にも及び激しくぶつかり合う——ッ……


 閃光のワイバーンの鱗は、至る所が剥がれ落ち……鮮血を見せる。


 ショウに至っては、意識を保っているのでやっとなくらいボロボロであった。


 そして、両者が最後の力を振り絞りぶつかり合う——ッ。


「我をここまで、追い詰めるとは——。

 やりおる……ここまで……強い人間が居たとは……大きな……誤算であった……」


 閃光のワイバーンは、ショウの一太刀によって片目を失うと——ッ……


「今にも、あの魔法使いが——この辺り数十キロを吹き飛ばす程の魔法を放ちそうだが……まあ、良かろう。

 今日は、痛み分けと言う事で引く事にするが……次は、必ず……仕留めてやる……首を洗って待っておれ!」


 その言葉を残して、閃光のワイバーンは去って行く。


「待て……」


 そう発言するショウは、片腕を失い……今にも意識を失いそうであった。

 その為、言葉では止めてはいるが……本当の所、閃光のワイバーンが帰ったお陰で助かったのはショウの方であった。


 そして、閃光のワイバーンの姿が見えなくなると——緊張の糸が切れたのか……ショウは、意識を失い——地面に落下する。


 それをシルクが【宝珠】で、受け止めると——すぐさま治療を行った。



 それから数日後……目を覚ました。

 ショウは、自分の失った腕を見ると誇らしげに笑って見せた。


 それに怒ったのは、アカネとシルクだった。


「「笑い事じゃありません!」」


「一歩間違えは、死んでいたんですよ——ッ!!!」


 そう、一度。アカネは、自分の命をかけてショウを守ろうとした事で、ショウに怒られている。

 だが……今回は、そんなショウがアカネに怒られる。逆の立場になっていた!


 しかし、ショウは少し笑うと……


「考えてもみろよ。

 完全に、あの閃光のワイバーンは格上の存在だった。

 そんなアイツが、王都に行ってた思うと……確実に国は滅んでいた。

 そんな奴を俺達は、三人で止めたんだぜ——ッ!」


「確かに、そうかも知れませんが……」


 そう言いながらも、心配する二人に対して閃光のワイバーンとの一戦を話すショウの顔は、好敵手を見つけた少年の様であった。


 そして、二人は……そんなショウを見て思う。

 この人は、こんなにも身体を張って命懸けで——国を守り。

 数々の偉業を達成しているのに、誰からも称賛も感謝もされない。

 それも全ては、呪いのせいである事は分かっているが……二人は、納得出来ない。


 だからこそ、二人は自分達だけでもショウを推し耐え続けようと心に誓った。


「私共は、ショウ様に生涯仕えると共に一番の理解者でありたいと思っております。

 なので、望みが有れば何なりと私共に——お申し付け下さい!」


 その言葉を聞いて、ショウは二人に優しく微笑むと……


「また、戦いたいなぁ……」


「「それは、ダメです!」」

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