リッチ
そこから数日経った頃には、ダンジョンにある不思議な噂が流れていた。
人知れず冒険者を助けては名前も名乗らず去って行く、さすらいの冒険者の噂——。
いつも、血だらけの……鮮血の女剣士。
魔力切れで酔って、ダンジョンにゲロを吐き散らかす。美少女魔道士……マーライオン!
それから数週間後……。
ショウが二人に会うと、二人は——まるで別人の様なオーラを放っていた。
そして、ショウに跪くと……
「「主人様……師匠……ウェポンマスター様と賢者を——どうか消しては頂けないでしょうか……このままでは、私達は死んでしまいます。どうか、どうか、お願いします!」」
二人が必死なので、仕方がなく。二人に言われた通りに師匠と賢者様を消すと、二人は安堵の表情を見せると——ショウは、そこから二人の話を聞くと……二人と師匠達との特訓は過酷を極めるものであった。
アカネは、モンスターの群れの中に連れて行かれるとポーションを使い回復をしながら不眠不休で戦わされ続けた。
そして、剣技の熟練度が3を超えて上級になると——次は、剣を取り上げてられて——素手で戦わされる事となった。
武器が無くても戦い続けられる様にと言う師匠の無茶振りである。
しかし、闘気を扱えるアカネは——その修行を得て【格闘】のスキルも上級になっていた。
なので、ショウは——もっとアカネが強くなる様に——後で、こっそりとアカネのアイテム袋に前に試作で作った様々な武器を忍び込ませて置こうと思った。
そして、シルクは魔力量を上げる為に魔法を使ってはMPポーションを飲むを続けた。結果——魔力総力が数週間で、俺に匹敵するくらいな増えていた。
シルクが体験した賢者様の修行は、自分も経験者だ。その為、あの気持ち悪さと辛さは痛いほど分かっている。
だが、今の俺には応援する事しか出来ない。頑張れ! シルク……
まあ……しかし、さすがと言うべきか。その甲斐あってシルクの使える魔法は格段にレベルアップしていた。
なので、二人の異常なまでのレベルアップも含めてダンジョンでの師匠と賢者様の修行は、嬉しい誤算だったので……
ショウ達は、強くなった二人と共に、一気にダンジョンの三十階層まで進む事にした。
そして、30階層に新たな拠点を構えると前にも増して厳しい修行を行った。
それから数週間が過ぎた頃に、ショウは階層主の部屋を発見すると——アカネとシルクと合流した。
「次の階層に進むには、ここの階の階層主を倒さなくて前に進めない。
だから、階層主に挑むのだが——お前達の準備は大丈夫か?」
二人は、大丈夫と言わんばかりに大きく頷いた。
そして、三人は階層主が待つ部屋へと踏み込んだ……
*
階層主の部屋は、大きく広がっていて……出現する魔物は、かなり大きなモンスターかと思ったら、奥に見えたのは人型の魔物であった。
その魔物は、ショウ達が近づく前に——初手から炎の雨を降らせて来ると……
それをシルクがプロテクションで、軽々防いだ。
そして、魔物が放なつ。魔法の終わり際に合わせて——アカネが、タイミング良く。プロテクションから飛び出すと、一気に距離を詰めた。
そして、アカネが魔物に向かって渾身の一撃を喰らわせたかと思った。その時……
その魔物は、アカネの攻撃を回避する為に空へと飛び上がった。
すると、アカネは魔物を追うのを止めて——体勢を立て直す為に後ろへと下がった。
それから、三人は飛び上がった魔物を見つめると……それは、骸骨がローブを羽織った。
リッチと言う、アンデッド系の魔物であった。
リッチは、魔法系の攻撃が得意で遠距離系の攻撃を放って来る。厄介な敵だが……
逆くに接近戦は、あまり得意ではないタイプなので——ショウとアカネは、距離を積める為に飛び出した。
そして、二人に注意が行かない様にシルクは氷の刃——アイスクルランスで応戦する。
それに注意を削がれたリッチは、ショウとアカネの攻撃をもろに食らうが……砕けた骨は、みるみる回復して行く。
「回復魔法……自動回復……!?」
「どちらにしろ、回復出来ない程のダメージを一撃で加えるしかない。
俺が精霊の力を借りて、聖なる力を極限まで高める。
だから、その間——二人でリッチの相手を頼む……」
「「分かりました!」」
そう、今の未熟なショウ達には、その方法しか無かったので……
ショウは精霊の力を借りて聖なる力を溜めると……
その間も、アカネとシルクがリッチを追い詰める。
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