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誕生日

◆西暦2000年5月5日(金)◆


 今日も朝食を取った後はフランちゃんのお勉強の時間だ。あずさちゃんも隣で予習をしている。

 あ、言ってないけど、毎日朝の日課はちゃんとしてるぞー。そろそろ短剣術が上がって欲しい。

(昨日、生活と特別活動、道徳はスルーすると言ったが、あれは嘘だ!)

 だって、教科書があるのに一度も開かないとか意味無いでしょ?だから一応音読の練習を兼ねて一通り読んでおく事にした。

「うーん、道徳はまだ読んでて為になるけど、生活と特別活動は実践が伴わないと勉強している感じじゃないね」

「そだねー」

「うんっ」

 フランちゃん、分かってるのか?

「国語って一応読む練習はしてるけど、これってどうやって教えればいいんだろう?」

「あ、それならドリルとか買ってきて、それをやらせてみたらどう?」

「ドリル?」

「うん、問題集になってるの」

「おぉ、そうか。なるほど。なら後で買いに行こう。もちろん、あずさちゃんのもね」

「ありがとー」

「?」


「今日は子供の日だし、その後はのんびりしようか。

 …あ、あれ?ちょっと待って。むむ?何か大事な事を忘れている気が…何だっけ?」

 思い出せー、私。これは私的に非常に重要な案件なはずだ。

「何でしょう?」

「?」

「いや、忘れちゃいけない、とても大事な事があった気がする…うーーん」

 フランちゃんはさっきから?マークばかりだ。可愛いからいいけど…ね。とフランちゃんを愛でていると、

「フランちゃんは相変わらず可愛いなぁ。

 ・・・

 ・・・・

 ・・・・・

 あぁーーーーーーっ、思い出したー!!」

「「ひゃっ」」

「あ、ごめんごめん。思い出して良かった~、ふぅー」

「それで何を思い出したの?」

「たの?」


「よくぞ聞いてくれました。

 な、何と今日はフランちゃんの誕生日なのですよー。パチパチパチー」

「そうなの?フランちゃん?」

「分かんない」

「をい」

 それからフランちゃんの市民カードを取り出して再度確認をしてみる。

「ほら、ここに誕生日が5月5日って」

「あーっ、本当だー」

「ほんとだー」

「いやいや、フランちゃんが知らなくてどうするの」

(あ、もしかして孤児院ではお誕生会とかしてなかったのかもね。知らないって事はきっとそうだ)


「そうと決まれば七面鳥を買わなきゃ」

「何で七面鳥なの?」

「何となく?」

「そんなの売ってないよ。せめてチキンにしようよ」

「うん、そだねー」


 それからみんなで七面鳥、もといチキンの丸焼きを売ってるとこを探した。

「どうやら、このジミ〇ってとこに売ってるみたいね。おっ、ケーキも美味しそうじゃん」

「「じゅるり」」

「どうせなら多めにかって院長先生のとこ行ってみんなでお祝い…してもいいのかな?

 あれ?フランちゃんが知らなかったって事は多分今までお祝いしてないのよね」

「フランちゃん、孤児院にいる頃、誕生日お祝いして貰ってたの?」

「お祝い?ううん?してないよ」

「そっかー。お姉ちゃん、してないって、どうしよう」

「むむむ、そんな大事なイベントしてないとは。無念なり…」

「他の子も一緒だよね、きっと」

「うん、そうだよー」

「そこは”そだねー”って言うのよ」

「そだねー」

「よーしよしよし」

 頭を無茶苦茶撫でてやった。って犬か!


「うーん、みんなで祝いたいし、他の子もその時には祝ってあげたいけど、これは私たちだけでは決められないね。

 ちょっと院長先生のところに行って相談してくるよ。ちょっと待っててね」

「うん、いってらっしゃーい」

「いってらっしゃーい」


     *     *


 それから異世界に転移し、孤児院に入っていった。

『あ、お姉ちゃん、おはよー』

『おはよー』

『お姉ちゃん、いらっしゃーい』

『フランは元気か?』

「おはよー、うん、元気だよ。院長先生いる?」

『呼んでくるね』

『あ、私が…』


 暫く待っていると院長先生がやってくる。

「あらあら、ひなたさん、いらっしゃい。今日は早いのね」

「おはようございます、ちょっと相談があって」

「そう。それじゃ上がって頂戴」

「はい」


 お土産にお肉を出してから話を始めた。

「院長先生、つかぬ事をお聞きしますが、こちらでは誕生日のお祝いとかしてますか?」

「誕生日のお祝い?いえ、してません。この町ではそういった習慣はありませんよ」

「えっ、そうなんですか?」

「ひなたさんいたとこではやってたの?」

「はい、私のところでは毎年必ずやってます」

「そうなのね。大変ね」

「大変か…」

(世界が違うとこんなにも違うのか…残念だな)


「それでその誕生日のお祝いがどうしたの?」

「実は今日はフランちゃんの誕生日なんです。

 それでもし良ければこちらで一緒にお祝いしようと思ったのですが、フランちゃんに聞くとそういうお祝いはした事がないと聞いたので、どうしたものかと。

 もちろん、フランちゃんのお祝いをするからにはここの子供たちも毎年祝ってあげようとは思うのですが…」

「そうですねぇ…」

 暫く思案顔で考える院長先生。そして、

「やはりそれは止めた方がいいかと思います」

「そうですか。それはどうしてでしょう?」

「ひなたさん、あなたは冒険者ですよね。あの子たち全員の誕生日に必ず来てくれるという保証があれば構いませんが、それがこれからずっと続く事、そして、もし何らかの理由でひなたさんが来れない事があるとその子が可哀想です。

 やはり、フランのお祝いをしたいのはやまやまですがこればかりはお断りします」

「なるほど。院長先生に相談して良かったです。危うく子供たちを傷つけるかもしれませんでした。フランちゃんには残念ですが、きちんと事情を説明しておきます」

「えぇ、そうして頂戴。わざわざ相談してくれてありがとうね」

「いえ」


「それじゃ院長先生また来ますね。今日はありがとうございました」

「えぇ、いつでも来てちょうだい」

 子供たちから引き留められたが、今日は院長先生と話があったからと何とか分かってもらえた。


     *     *


「ただいまー」

「「おかえりー」」

 それからあずさちゃんには事のあらましを説明した。

「そっかー。そうだよね。それじゃ仕方ないね」

「フランちゃん、今日は3人で誕生日のお祝いしようね」

「院長先生とこは?」

「フランちゃんだけお祝いして、他の子はしなかったら可哀想でしょ?だからお誕生日のお祝いは私たちだけでする事にしたの。ごめんね」

「うん、分かった。たくさんいるから大変だよね。我慢するよ」

「ありがとう」

 優しく抱きしめてあげる。何て聞き分けの良い子なの。

 

「お姉ちゃん、それなら透くんとかみっちゃん呼んだら駄目かな?」

「ううん、大丈夫だけど。いいの?」

「うん、楽しい方がいいものね」

「そっか。ありがとうね。

 フランちゃん、あずさちゃんが友達呼んでくれるって良かったねー」

「うん、あずさお姉ちゃん、ありがとう」

 あずさちゃんに抱き着くフランちゃん。う、羨ましくなんて無いんだからねっ。

「お姉ちゃん、夕方でいいんだよね?」

「うん、そのつもりだよ。あ、こちらから迎えに行くって伝えといて。ついでに何も持って来なくていいからねって言っといて」

「分かった」

 早速あずさちゃんはお友達に連絡してくれた。

 

「それじゃ、誕生日に必要なものと、後、ドリルと…カレンダーも買ってこよう。今日みたいに大事な日を忘れないようにね」

「「そだねー」」

 フランちゃんがだんだん染まって来てる。


     *     *


 やる事が決まれば行動が早いのがひなたクオリティ。3人仲良く買い物に出かけた。

「うわっ、ほんとにまるまる1匹だよ。切るのも大変そうだね」

「うん、でも美味しそう」

「じゅるり」

 チキンの丸焼きを買った後、ケーキをホールで購入、蝋燭もフランちゃんの年齢の数だけ包んで貰った。

 それから飲み物や、オードブルもあったのでそれや、美味しそうな総菜とか色々買っていった。

 

 その後居間を飾るべく、パーティーグッズを買いにサ〇エーへ。

 キッズパーティーグッズや三角ハット、面白グッズなどを買っていく。

 1、2年生のドリルやカレンダーももちろん忘れない。

 あずさちゃんにフランちゃんを構ってもらっている隙に、誕生日プレゼントの大きめなクマのぬいぐるみも購入してアイテムボックスに収納した。来てくれたみんなと一緒に渡す予定だ。


     *     *


 自宅に戻ると飾りつけだ。

 パーティーグッズを窓際に飾り華やかにしていく。後折り紙を輪っかになるように繋げて壁に這わせていく。

 そろそろ夕方に近づいたので、あずさちゃんのお友達を迎えに行く。

(あれ?何も要らないって行ったのに何でみんな包み持ってるの?)


 それぞれのお家を梯子し、自宅に戻ってきた。

 突然変わる風景に最初はみんな驚いていたが、不治の病を治して貰った事もあり、直ぐに順応した。


「ようこそ、我が家へ。いらっしゃーい」

「「「「お邪魔しまーす」」」」

「「いらっしゃーい」」


 パーティーの始まりである。

 料理をテーブルに広げ、オレンジジュースを配り、真ん中にケーキをセットして準備完了。

「本日はフランちゃんの誕生日に来て下さり、ありがとうございます。今日は楽しんで行ってね。

 それじゃさっそくケーキの蝋燭に火をつけますね」

 蝋燭に火をつけると、みんなでバースデーの歌を歌う。

「ハッピーバースデートゥーユー、ディア”フランちゃん”…」

 よく分かっていなくてもお祝いしてくれているのが分かってフランちゃんはニコニコ顔だ。

 歌が終わるとフランちゃんの出番だ。

「フランちゃん、蝋燭の日を消して」

「うん。ふぅーっ」

 手こずったけど何とか消すと、みんなが拍手でお祝いしてくれる。

「「「「フランちゃん、おめでとう」」」」

「ありがとうー」

 それからみんなからプレゼントを贈られ最初はキョトンとしてたけど、直ぐに嬉しそうに開封していった。

「フランちゃん、これは私とあずさちゃんからのプレゼントだよ。大切にしてね」

 そう言ってクマのぬいぐるみをプレゼントした。

「くまさんだー」


 そこからはチキンを切って食べたり、オードブルを摘まんだりして、みんなで楽しく過ごした。

 もちろんケーキも美味しく頂きました。

 

 楽しい時間はあっと言う間に過ぎ、パーティーはお開きとなる。

 みんなの誕生日も教えてもらい、カレンダーへ書き込んだ。

「今日はありがとね」

「みんなありがとう」

「ありがとう」

 そう言いながらみんなを自宅へ送って行った。


 帰ってきてからもフランちゃんはプレゼントを大事そうに抱えて遊んでいたよ。その後ベッドまで持ってきた時は流石に注意したけど。

(大きいベッド必要だね。今はいいけどすぐに3人ではきつくなりそう。

 というか、この子たちずっと一緒に寝るの?ま、嫌じゃないけど、とうか大歓迎なんだけど。夏が心配だ…)

今回もちょっと短いです(汗


それから少し煩雑になってきた為、プロットなるものを勉強中です。ここまでの内容をプロットに纏める作業を行っており、次話の投稿が遅くなるかもしれません。すみません。

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