対面-1
――――ルーナから手紙の返事をもらい、孝太郎はマリアの待つ青い旗の所にやってきた。次はルーナが来るまでにクウサを連れてこなければならない。
「悪い、もう一人連れてくるから、十五分後にまたここで落ち合うことにしてくれないか?」
「はい、私は構いません。ルーナさんもそのくらいに来るのでしょうか?」
「ルーナはすぐ来ると思う。隣町に住んでるらしいから」
「わかりました。では、待ってます」
悪いな、と言葉を残して孝太郎は空を飛んだ。目指すはクウサの家だ。
――――クウサは家にいた。ちょうど帰宅したばかりとのことだ。孝太郎は、神を倒したい人達が集まっていることを説明し、クウサも来るように言った。
「ちょっと待ってて。今準備する」
二、三分待つと、クウサの準備が整った。
「もういいのか?」
「うん。行くよ」
二人は家を出て、青い旗の元へと向かった。
目的地に向かう途中で、孝太郎は気になったことをきいてみた
「あのさあ、あの青い旗ってなんか意味あるの?」
「あれは平和を願う旗なの。なぜ青なのかはわからないけど、多分青の勇者の伝説を元にしてるんだと思う」
「伝説?」
「大昔にもこんな事があったの。魔王と王女が手を組んで……それを青い勇者が仲間と共に倒したって話。今となっては伝説よ」
「昔は魔王が悪だったんだな……」
「そうね。この世界の常識が崩れたのは今の神になってから。魔王が変人で優しい人じゃなかったら世界は終わってる」
「へぇ……。あ、ルーナとマリアさんだ」
二人の前に見えてきたのは、青い旗の下に立つルーナとマリアだった。二人とも、まだお互いのことに気付いていないようだ。
「ルーナ! マリアさん!」
孝太郎が声をかけると二人は振り向く。そこではじめて、彼らは相手が孝太郎の知り合いだということに気付いた。
街の中に立つ青い旗の下に、神を倒さんとする者達が集まった。
「えーと、まずは軽く紹介でもしようか。今俺と一緒に来たのがクウサ。こっちがルーナ。で、この人がマリアさん」
「クウサ・ラムよ。よろしく」
「僕はマシュリク・ルーナ。エアリス人で、ルーナの方が名前」
「マリア・クウォークです。私もエアリス人です」
紹介が終わると、三人は孝太郎の顔を見た。
「で、どうするの?」
クウサが問う。
「マオウの元に向かう。一度全員で顔合わせした方がいいだろ」
「そうね。なら、早速行こうか。――――サーバス!」
クウサはいち早く宙に浮かんだ。
「あ! 待てクウサ!」
「何?」
「マリアは魔法が使えないんだ。なんとかして運んでもらえないか?」
「そう。わかった。――マリア、しっかりつかまって」
そう言うとクウサは、マリアを『お姫様だっこ』をして天へと上った。マリアの悲鳴が聞こえる。
「……俺達も行こうか。フライヤー」
孝太郎も天へ上る。
「まって。ヤティール!」
ルーナも後を追った。
――――やがて四人はマオウの住む岩にたどりついた。
孝太郎は扉を五回叩く。
「孝太郎だ。マオウ、いるか?」
しばらくしてシラキが扉の向こうから出てきた。
「マオウはこの中だ。入れ」
シラキは一同を中に入るよう促した。
中に入ってすぐに階段が現れた。それを下りると、書斎のような部屋が現れた。
机の上の高く積み上げられた本の中からマオウが顔を出す。マリアは唖然とした。
「魔王……様?」
「マリア、こいつが魔王だ。見ての通りただの変な奴だよ」
「お、新しい仲間が増えたのか! マオウ・タカヤマだ。マオウでいいぞー」




