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終末の地球を渡る僧侶  作者: 仲居雅人


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第3話 海を渡って

 日本という国は、第二次世界大戦という戦いの終盤で二度も核ミサイルを落とされた。そこだけ聞けばやり過ぎにも思えるが、その戦争のきっかけとなったのは日本だそうで、実にいい薬である。


 そんな日本に雲隠れした各国の政治家が集まっているという話を耳にした。私が上海にいるのは、日本へ向かう船に乗るためだったのだ。


 興味があるのだ。10年間自分達の国を放置した者達は逃げた先で何をしているのか。



 運が良い事に、日本へ渡る船が港から出ようとしていた。


「日本行きの船と聞きました。どうか私を乗せていただけませんか?」

「そう言われてもねぇ…」


 乗船のために必要なのはチケットではなく、船内で活きるスキルだ。力がある者、航海の知識がある者、料理が出来る者は特に歓迎される。


「もう必要な人材は揃ってるからなぁ。そもそもこの船、いつもの船とは違うんだよ」

「いつもの船と違う…というのは?」

「…あんまり大きい声で言えないけどな、お偉い方が乗ってんのよ。戦争が終わってから環境が落ち着くまでずっと、北京の地下に隠れてたんだってさ。セコいよな…」

「それは初耳ですね」


 どうやら日本に政治家が集まっているのは事実のようだな。わざわざ北京からここまで来るなんて、一体そこまでして日本に行く目的はなんだ?


「ところであんたはどうして日本に?」

「こんな見た目ですが私は僧侶です。世界を見て回っているのですが、今度は日本へ行こうかと」

「僧侶か…うん、縁起が良さそうだ。作業員として乗せてやる」

「ありがとうございます」


 乗船前に原子人か確かめるために放射能を測定された。しかし船の前に来るまでになるべく多くの人間がいる道を通って来たので問題ないはずだ。


「放射能無し。よし、乗ってくれ」


 こうして日本行きの船に乗る事ができた。私は日本に着くまでの間、船内で作業をしながら政治家達の姿を見る機会があった。

 緊張した様子だった。表向きでは日本の調査隊ということだ。自分達が政治家であることは伏せてるようだし、いつ襲われるか気が気でないのだろう。彼らを守る者達も相当の手練れだ。


 しかし私の目的は彼らを殺す事ではない。この船が向かう日本で一体何が起っているのか確かめることだ。今は大人しく、船内で与えられた仕事に専念しよう。

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