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教室に辿り着くとやけに静かで、三人で顔を見合わせる。

どうしたのだろうかと見れば一部のクラスメートが瑞歩を取り巻くように居た。

何が始まろうとしてるの?


遠巻きで見ていれば。

「委員長をだしにしたの?」

と一人が言い出す。

委員長とは、私の事だろうか?

彼では無いことは確かだ。

「そんなの、あなた達には関係ないでしょ!」

刺のある言い方で返す瑞歩。

一触即発な雰囲気で、このままじゃクラスの雰囲気まで悪くなってしまう。

それは良くない。

だから、私は行動に出た。

っても、自分の席に着いただけだが……。

それでも的面で、皆が此方を見た。

私に習ってか、星香も同じように席に着き。

「ねぇ、珠稀。団旗どれにするか決めた?」

と此方を見ながら話しかけてきた。

その声は、静まり返った教室には充分聞こえるだろう大きさだった。

星香の言葉に周りは呆気に取られる。

雰囲気の悪い中で、話す事じゃないんだろうけど、それでも今一番話題になりそうなのが、団旗だった。

「あっ、俺は決めたぞ。」

その話しに乗ったのは、彼だった。

その言葉に彼の選んだものを聞こうと、周りが耳を澄まし出した。

「何にしたの?」

私が聞けば。

「それは、採決の時に。」

と言葉を濁した彼。

一体どれにしたんだろう?

首を傾げながら、彼を見る。

「何をもったいぶってるんだか……。」

星香の呆れ顔。

「え~、ここで俺が言ったら、それに集中するだろ? それは個人の意見には成らないだろ。だから、敢えて言わない。」

したり顔で言う彼。

「あ~、確かにそうかもね。」

星香が納得するように頷く。

周りも、彼が言わんとする事がわかったのかザワメキ立つ。

彼が選んだ絵に集中するのが目に見えているからだ。

「珠稀は?」

彼が、私に振ってきた。

「私は、まだ決めかねてる。あんな素敵な絵の中から一つ選ぶのは難しいよ。」

私の言葉に共有な意見なのか、周りは頷き合いながら仲間どうしで話し出す。

何とか瑞歩を孤立させずに回避できて、ホットしてると。

「助けてくれなくても良かったのに……。」

と声がした。

「何、偽善者ぶってるのよ。」

と言う言葉も。

声がした方を向けば、顔を俯けた瑞歩だった。








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