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その日の放課後。

私は、資料本を取り出し、せっせと作業に取りかかる。

何やら、教室内が騒がしくなり周りを見渡せば、男子がベニヤ板を室内に運んでいた。


「お~い、木崎。何処に置くんだこのベニヤ?」

男子が二人係で5枚の板を運んでいた。

「邪魔になら無い場所って何処だ?」

彼が口にした言葉を聞いて、私も室内を見渡した。

あっ……。

私は彼の元に行き。

「木崎さん。」

と声をかける。

「どうした、珠稀?」

彼が不思議そうな顔をして聞いてきた。

私はある場所を指して。

「そこの…、窓側の教壇横なら邪魔にはならないと思うけど……。」

そう告げると彼もそこに目線を滑らせ。

「確かに……。」

そう口にして何か考えてる。

廊下側だと足を引っ掻けたり、教室の電気を点ける時に邪魔になりそうだったから、そう提案しただけなんだけど。

「お~い。窓側の教壇横に縦ではなく横向きで立て掛けるぞ。」

彼はそう口にして、ペアーの人と一緒に移動してゆっくりと床に下ろして立て掛けるとそれに習うようにして残りの四枚も立て掛けられた。

横にしたのは、もしもの場合を考えてだろうと思う。

板を無事に立て掛け終わった頃に。

「木崎、これは何処に置く?」

とこれまた大きな段ボール箱を二人係で運んできた男子。

「中は暗幕だよな? ロッカーの上で良いんじゃないか。」

と指示する彼。

昨日話した事なのに、今日運び込んでしまうとは思わなかった。

まぁ、暗幕もベニヤ板も数が限られてるから、早めに確保しておくに越したこと無いんだけど、置く場所が、ね。

「後、旗の布も一緒に渡されたから持ってきた。」

男子の言葉に。

「あ~、それどうするかなぁ……。汚れるのも不味いしなぁ……。」

彼が困った顔をして言う。

確かに余分は無いだろうし、管理をきちんとしておかないといけないよね。

「取り敢えずは、暗幕の箱の中に入れておけば良いんじゃないか?」

誰かの声が聞こえた。

下手に汚される危険性もあるから、それが妥当だと私も思う。

「そうだな。そうするか。」

彼が段ボールに近付いて蓋を開けて、自ら布をし舞い込んだ。

「今日の作業は以上だ。手伝いありがとうな。」

彼が労いの言葉を掛ける。

「あっ、明日残れる奴居たら手伝いを頼みたい。十人+αで。後、絵の具の筆、パレット有る奴、持って来て欲しい。無ければ無いで別に構わないから。」

明日やる事を前以て予告して、解散させる彼の手腕に感服した。


皆、彼には絶対の信頼を寄せているのが解る。

じゃあ、私は……。

って、比較してどうするんだって話だ。

自分のやる事をやらねば……。



その後、自分の席に戻り黙々と資料を写し始めた。


そんな彼を頼もしいと思ったのは、私の中での秘密事です。









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