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俺の選んだこと

停学中はできたゲームも休日だけしかやることのできない日常に戻ったある日、在原のおじさんと私的な集まりで顔をあわせた時のこと――



俺がいるということは妹も一緒だ。

外出中は女子トイレの中まで初音に付いて行くことにしている。勿論、妹はトイレなんか行かないが。


俺は思い切って在原のおじさんに進路のことを相談することにした。


「俺、初音を守れるようになりたいから、卒業後はアメリカに渡って傭兵学校に入ろうと思うんだ」


「お兄様・・・」


妹は困った顔をしている。何故かほんのりと頰が赤い。


「凪君? 射撃場に行くだけじゃ駄目なのかい? それとも武術をたしなむとか」


「俺は初音が高校を卒業するまでに妹を守れる力を身に付けたいんだ。ボディガードをするには子どもの頃からなにがしかの武術をしていないと無理な部分があるし、入隊して拘束期間が増えるのも嫌だし、それなら傭兵学校だろう?」


「・・・」


「ボディガード・・・」


在原のおじさんは溜め息を吐き、痛みを堪えているような顔で言った。


「ご両親と相談しなさい」



この時、在原のおじさんの頭の中にヴィレッジ・ピープルの曲が回っていたと後日、親父から聞いた。

そして、「間違えて海兵隊に入るな」と言われた。


何故だ?






――――――――――――――――――――




聖痕学園を卒業した2年後――


アメリカに渡った俺は宣言通り傭兵学校に通ったり、向こうにいる親父の知人のところで見習いをさせてもらったりしていたが、妹も聖痕学園を卒業するので帰国することにした。


向こうでできた友人も一緒について来たが、そこはまだいい。


向こうでできた他の友人たちもその後次々と追っかけてきた。


そして妹にプロポーズしやがった。


「すまん、初音! お兄様が危険を招き入れて! きっちり、始末するからな!!」


そんな俺に妹は言った。


「大丈夫よ、お兄様。害虫駆除は慣れているから、お兄様は気になさらないで(あの方々からも守ってあげますわ)」


何て、できた妹なんだ!!

初音は俺の妹にしておくにはもったいなさすぎる!!


「初音、こんなお兄様でごめんなさい」


「本当にお気になさらないで。お兄様はいつものお兄様でいてくださること、それだけで充分ですわ」

アメリカ国籍がないとアメリカの海兵隊に入隊はできない、とは思いますがそこは突っ込まないで下さい。


太刀原 凪が男なのに悪役令嬢ポジにいた理由はBL主人公属性だったせいでした。

生徒会のメンバーにとって、奏に対する自分の気持ちへの脅威だと無意識に感じ取った結果が第1話です。

ブラコン妹がいつも守っていなければ、BL展開に行きかねませんでした。

おかげで凪は男友達もいないボッチ(今は捕食者が友人面しています)。

しかし、教養として英会話ができたのが運の尽き、あっさりアメリカに行って捕食者に目をつけられてしまったのです。


最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

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