↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/13

第1話

もし重要なのが「価値」であり、「利益」であり、「なぜそんなことをするのか」「何のためにやるのか」と他人に疑問を抱かせない行動をすることなのだとしたら、サラブリーの娼婦のほうが僕はよっぽど価値があるということになる。

世の中には、承認欲求の塊やチャンネル登録者数稼ぎに飢えて、くだらないことばかりしている奴らがもう十分に溢れている。それなのに、なぜ僕までわざわざそんなくだらないことをしなければならないんだ?

今の時代、みんな生きるために毎日必死で、とても苦しんでいる。そんな人たちが、なぜ僕のようなつまらない人間の話に耳を傾けるというのか。僕がシュレーディンガーの猫についてくだらない説明をするのを、一体誰が好んで聞いてくれるというんだ。

私は愚かで無能だ。私は役立たずで、価値もなく、存在する意味もない。価値なんてないし、役に立ちもしない。なぜやっているのかさえ分からない。

エルヴィン・シュレーディンガーの猫は、シュレーディンガーによって、内部にシアン化合物(毒ガス)の放出機構が設置された不透明な箱の中に閉じ込められた。放射性物質が崩壊して放射線を放つと、その仕掛けが作動して毒が放出され、猫は死ぬ。

しかし、放射性物質が崩壊するかしないか、箱が開けられない限り、猫は生きている状態と死んでいる状態が同時に重なり合っている。

そのため、二つの並行世界パラレルワールドが生まれる。猫が死んだ並行世界と、猫が生きている並行世界。私は猫が死んだ並行世界にいる。私は猫が死んだ並行世界そのものだ。私は死んだ猫だ。私は愚かで、間抜けで、価値のない、頭のおかしい存在だ。

僕は価値のない、小さくて弱い白ウサギだ。これまでずっと、僕は価値のない人間だった。一度だって価値があったことなんてない。価値のある人間になる方法なんて分からない。価値が何なのかさえ、さっぱり分からないんだ。僕は「価値」というものを知らない。ねえ、僕に価値というものを教えてくれないか?

僕は価値がなく、役に立たない。僕のすべての行動は「なぜやるのか」「何のためにやるのか」という疑問を生む。もし僕がうさ耳少女の姿に変身して、ソープランド『ポセイドン』で働けば、僕にも価値や使い道ができて、「なぜやるのか」「何のためにやるのか」なんて二度と誰からも聞かれずに済むんだろう?

[闇の魔法少女の日記より 第1話]

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。