明日頑張ろう
教室に戻り、俺はユキの手伝いをすることにした。
犯人の候補である神和住はいったん、朝比奈さんに任せるとして今は俺らのクラスに集中しないと。
「あとは食材の買い出し組なんだが……」
ユキがそういうと電話が鳴り響いた。
俺とユキの形態が同時に鳴り響く。俺は電話に出ると、電話の主は千智ちゃん。
『一応、注文はできたけど人数分は無理だって言ってた。とりあえず私と音子、幸村のは作らせてる。ほかの注文を中断させてフル稼働してるらしいからものすごくお高くついちゃった』
「わかったよー。ユキに伝えておく。何着くらいできる?」
『私らのを抜いて3着。それで限界だって。手縫いだから仕方ないといえど心もとないよね』
「さすがに着回すわけにはいかないしね」
となると俺ら以外にあと3人選抜しなくちゃいけないって言うことか。
「ねぇ、3着しか跡作れないらしいけど誰の作る?」
「言い出しっぺの俺と、比較的美人のこのクラスの女子……」
銀太郎がそういうと銀太郎に一斉に視線が向く。殺意の視線。さすがにビビったのか口をつぐんでいた。さすがに失礼が過ぎるよ銀太郎。
「ま、そうね……。私はパス。あまり見た目もよくないものねぇ、比較的美人とはいえど」
「なら私がやりますわ。比較的美人ですもの」
「なら僕もやるかな。さすがに幸村の負担がねぇ」
俵さん、剣に決まった。
八重津 剣と俵さんのサイズはすでに送ってあるからその人のサイズで作ってもらう。明日は交代する人が少ないからあまり周れなさそうだな。文化祭。
「でもさすがに明日6人だけに接客を任せるのはどうかと思うぜ?」
「ずたずたにされたのを補修するってのはどお?」
「とはいってもほとんどが見るも無残だ。これだと補修したとしても作るのと等しい時間がかかるだろうな。直す路線は無理だ」
「そっかぁ」
どれかマシなものをというだろうけれど、マシだと言えるものでもほとんど原形をとどめていない。
時間はたっぷりあったから破壊も丁寧に行われていた。
「接客の6人は比較的タフだ。一日程度問題ないだろう」
「そうかなぁ。僕あまり体力ないほうだけど」
「どの口で。俵は大丈夫か?」
「ええ。こなして見せますわ。来たるべき時のために体力だけはつけておりますの」
あぁ、ライブの物販とか有名バンドになるほど割と激しくなるときもあるし、そういうロックではしゃぐ体力とかのために体力をつけてるのか……。
バンド好きのお嬢様は体力もありそうでマジですごい。
「千智はまぁ、大丈夫だとして……」
「問題は……」
「あはは、私だよねぇ」
俺が問題だ。
この身体は一時的な筋力とかはあるもののスタミナには難がある。一日フルで働けるのかと聞かれたらわからないと答えるしかない。
だけどみんながやるなら……。
「やるだけやってみるよ。私だけ嫌だって言えないし」
「いや……このハプニングは誰も想定していない。断っても誰も責めることはないさ」
「やる。断ったら雰囲気台無しじゃん」
台無しにしてたまるかよ。ここまで来たならやるしかない。
「そうか。わかった。あまり無理はするなよ」
「うん」
気合い入れて明日に望もう。
あとは今日、台無しにする輩が来ないことを願うのみだ。
神和住……。本当に神和住が犯人なんだろうか。
朝比奈さん、なんとか証拠をつかんでほしい。




