mission、可愛い女の子の隣
「あっ……雪」
俺は外に出るなり小さな声をあげた。
講義前まではちっとも姿を見せなかった雪がチラチラと舞っていた。まるでスノードームのようだ。
「春原くん雪見たがってたよね?クリスマスデートらしくていいね!」
榎本さんは、なぜか得意気な笑顔でそういった。
俺は雪見たいなんて言ったかな?と疑問に思ったがすぐに忘れてしまった。
「ん~どこに行こうかなぁ……」
デートなのだから当たり前なのだが、俺のとなりには榎本さんがいる。それだけで、舞い上がってしまいそうな俺だった。
そんな俺のとなりで榎本さんは楽しそうに笑う。
俺は榎本さんと歩き商店街のような所についた。
服や本、花、野菜など……ここに来たら色々揃いそうな便利な商店街だった。
「クリスマスだねぇ」
辺りはクリスマス1色だった。
どこを見てもサンタがいて、クリスマスツリーが美しく飾り立ててあった。
普段は古き良き商店街といった佇まいなのだろうが今日は、特別華やかだ。
一際大きなツリーの前で俺らは足を止めた。
そこは榎本さんの身長くらいのサンタの置物が佇んでおり、写真撮影スポットになっていた。
俺は、ツリーやサンタを眺めながら口を開いた。
「うん。なんか、イベントって感じがしていいね」
無難な回答しか出来ない俺は精一杯考えた結果だった。
その回答がどうであれ、榎本さんは楽しそうに会話を続けてくれるのだった。
「だよね♪私こういうイベント好きだなー!」
榎本さんは、楽しそうにツリーのオーナメントをつつく。キラキラとした丸いボールがつつかれる度クルクルと回転する。
「そーだ!デートだから、王道で行こうよ。」
「王道?」
彼女いない歴=年齢の俺にはなかなか難しい言葉だった。
「よく漫画とかで初デートは、映画館じゃん。
やってみようよ!映画館デート‼」
その発案に榎本さんはノリノリで押しきられるように俺は映画館へと連れて行かれた。
まぁ楽しいからいいのだが、俺がリードしてやるぜ!みたいなのが出来ないので(性格上無理だ)男らしさをアピールする場面もなく少し悲しい俺だった。
主人公なのに!春原くん喋って下さいよー!
榎本さんにグイグイと連れていかれ初デートです。
さてさて、春原くんは男を見せられるか?注目です(笑)




