表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/170

79話 リリーの想い 冒険者養成所66日目

 昨日の晩は新しいダンスのステップをリックに教えてもらっていたストア、微笑みながら教えるリック、それを見て気持ち悪がるクリストファー。



「リック ストアを笑顔で見るな」


「一生懸命でかわいいじゃないか」


「両手をつないで言うことじゃねえ」



 ストアは下を向いて足の一連の動きを確かめるのに必死になっていた。



 今日のダンスの練習をする時間になったがいつものようにカトリーヌ達が来るまでは剣の稽古に励むリックとストア、子分達は昨日の美女軍団とのスキンシップの話で盛り上がっていた、アレクシスはだらしない子分達に気合いを入れるのだった。


「俺 カミラちゃんに2回もヒールかけてもらって 大丈夫?なんていわれてさぁ」


「俺はダコタちゃんにちゃんと効いてるとかいってみつめてくるんだよ」


「おい お前ら そんな話は稽古が終わってからにしろ」


「わかりました」


 そしてカトリーヌ達が来る頃には真面目に稽古に励む男子軍団になっているのである。



「今日から新しい踊りね」とカトリーヌ


「この踊りの方が難しいから時間がかかるかな」


「私 ちょっと心配」とソフィー


「とにかく合わせてみないとわからないよ」とストア


「まずカトリーヌと僕が個別に踊り次に二人で踊るよ」



 そう言うとカトリーヌとリックは距離を開けて踊りを始めた、それを見ながら体を軽く動かしてチェックするストアとソフィー、リック達が二人合わせて踊るとうねるように大きく上下して回転して同じことを逆回りで踊る、ゆったりしているようで足は踊りに合わせて左右に伸ばしていた。



「お互い反っているのにお腹は引っ付いてるように見えるね」とストア


「足もお互いの歩調がピッタリだね」とソフィー


「上だけ見ると優雅だけど足の動かし方は前のダンスより難しいね」


「うん 慣れるまで大変そう」


 

 そう言い合うとストア達も合流して個別の踊りを一緒にする、次にリックとソフィーがペアになりストアとカトリーヌがペアになり踊った、ソフィーの方はリックのリードで上手に踊れているように見えているがストアの方は動作の確認といった感じのカクカク感がひどかった。



「まぁ 最初だから仕方がないわね ストア君はしばらくリック君の後ろでマネするのがいいんじゃない」


「俺もそう思ったよ」


「リック君とはソフィーと交互に踊るから休んでいる人はストア君のチェックね」


「うん わかった」



 それから4回ほど踊り休憩に入った。



「だんだん よくなってきてるよ」


「じゃ そろそろ一緒に踊ってもいいんじゃないか」


「休憩後は一緒に踊ってみるよ」



 そんな事を話していると歓声があがる、美女軍団が来た合図だ、リック達が休憩しているとわかると早歩きで近づいてくる。



「新しい踊りを見れなかった」とニーナ


「これから見れるじゃない」とカミラ


「ニーナが待ち合わせに遅れるからじゃない」とダコタ


「ちょっとだけじゃない」


「もう リック君の前なのに」とペギー


「今日のレッスンはしなくていいのかな?」とリック


「もう イジワル」とニーナ


「どちらにしても今から踊るからね」


「たのしみ」とカミラ



 みんなに目配せするとソフィーの手を取りみんなから離れるリック。ストアとカトリーヌも続いた。


 前の回転を続けるダンスと異なりうねるように上下して回転する優雅なダンスに自分が踊っている想像をしてため息をこぼす美女軍団。


 ストアとカトリーヌは結果を出すべく真剣な表情で踊る。



 踊りが終わるとリックがカトリーヌに語り掛ける。



「どう? 交代できそう」


「休憩までこのままがいいと思うわ」


「わかった 続けよう」



 そうして連続で4回踊り、休憩に入った、待ってましたと集まる美女軍団。



「優雅な踊りね」とカミラ


「素敵だったわ」とペギー


「はやく教えて」とニーナ


「順番に順番に」とリック



 一方、ストアの方もいつものメンバーのリリーとブロッサムが集まってくる。



「段々うまくなってるよ」とリリー


「ありがとう やっと踊りになってきたよ」



 ブロッサムはいつものように手を取り踊りの催促をしてくる。



「ブロッサム 最初はねえ つま先立ちして落ちる感じだよ」



 ストアはブロッサムと一緒に同じ動作をするように促す、ブロッサムもストアの動きに合わせた。


 次に足を後ろに伸ばすこれを連続するとうねるような動きになるんだ、そうやってブロッサムと一緒になって踊る、ブロッサムは一生懸命やろうとするがうまくいかないようだ。



「じゃ リリーもやってみる?」


「うん」



 リリーは何も考えず遊んでいた小さい頃を思い出していた、何も考えずただ日常をワクワクしながら遊んでいた小さき日々をいつの頃からか人の注目を一身に集めるようになった、父が牧師であったのもあるが品行方正を求められている気がしていた、いつも話をするたびに人は褒めてくれるけれど求めるものはそんなものではなかった、この何げないこのひと時がただ楽しいと思える自分がいる。



「やっぱり うまくいかない」


「俺だってまだまだだよ」


「ゆっくりでもいいから進んでいけばいいよね」


「そうだね」



 二人をじっとみつめるブロッサムはネコの目だった。



 そして休憩時間が終わり、ソフィーとも踊るようになった、やはりカトリーヌと踊るようにはいかないが二人とも始めた時よりスムーズになっていった。



「これなら明日までにはなんとかなるんじゃないか?」とリック


「そうね 違和感がないくらいにはなると思うわ」とカトリーヌ



 こうして今日のダンスの練習は終わった、男子軍団は待ってましたとばかり美女軍団のヒールの練習台になるのだった、そしてリリーとブロッサムはヒールを使わせてもらえなかった、ふくれるブロッサムを慰めるストアの姿があった、そしてリリーは横で微笑んでいた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
投票お願いします 小説家になろう 勝手にランキング  
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ