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64話 チェーン みんなと別れる 冒険者養成所 60日目

 ストアとの試合が終わるとアレクシスがチェーンの元に走ってくる。



「チェーン師匠 簡単な初動を捉える訓練ってありますか?」


「ちょっと待ってくれ」



 そういうとリュックの中から長さが7㎝ぐらいの鉛筆サイズの鉄の棒を取り出した。


 

「これは棒落としという遊びだよ 最初は長い棒でだんだん短くしていくんだよ 慣れると両手でするんだ」



 そういうとストアを呼んで遊び方を披露した。



「懐かしい棒遊びだ 覚えているか」


「小さい頃 よく遊んだよね」



 チェーンは棒を掴むとストアは手を開いて待っている、チェーンが手をゆるめて落とすと素早く掴んだ。


 

「感覚を覚えていたよ」


「ストアができなきゃ 初動の訓練にならないからな」


「アレクシス君もやってみるか」


「はい やってみます」


「私の手とつながるぐらいの近さに持ってきてくれ」


「こんなかんじですか?」


「そうそう」


「それから足して5という遊びも一緒にするんだよ 私が3と言ったら2で合計で5にする遊びだ すぐ答えないと失格だ」


「わかりました」


 そういうと真剣に落ちる瞬間を捉えようとするアレクシス。


「そうそう 捉えようとする感覚だ大事なんだよ」とチェーン



 そう言いながら手をゆるめて落とすチェーン、ギリギリで捕まえたアレクシス。



「最初から掴んだじゃないか」


「なんとか掴みました」


「次は足して5も混ぜてみようか」


「はい お願いします」



 チェーンは鉄の棒を軽く掴み、アレクシスもスタンバイする。



「1」


「・・・4」


「遅いよ もっと早く 2」


「・3」


「まだ 遅い 5」と言いながら棒を落とすチェーン



 するりと棒が下に落ちた。



「あっ」


「やっと 失敗してくれたな 成功したら訓練にならないからな」


「そうですね」


「邪魔が入っても変化に反応できる感覚を養うんだよ この棒は君にあげるよ」


「はい わかりました ありがとうございました」



 アレクシスはただの鉄の棒を大切に持ち続けたらしい、なんでも師匠からもらった物はこれしかないからという理由で。


 その後アレクシスは身体強化の授業でリックやリタと遊んだり、部屋に帰ると子分たちと遊んで感覚を養っていった。


 リックはアレクシスが終わると質問をした。



「チェーン師匠 私も目を閉じる訓練の方法があれば教えて欲しいのですが」


「そうだな 最初はハタキのようなものを使って感覚を養うといいよ それと瞑想だね 心のザワザワをいつでも消すことができると見えてない部分も見えてくるようになるはずだよ」


「瞑想はストアと毎日してたのですがそういう意味があったんですね」


「なかなか体得できないが毎日続けることが大事だよ」


「わかりました 精進します」



 リックは身体強化の訓練の時もハタキの訓練をアレクシスとリタと行うようになった。


 瞑想は生涯続けることになるのである。


 ・・・


 そして夕方近くになりチェーンが冒険者養成所を出るのを見送ろうとみんなついてきた。


「みんな 私を歓迎してくれてありがとう 今度いつ会えるかわからないが会えば気楽に声をかけて欲しい」


「チェーン師匠 グリーンフラワーに来たら私の家に泊まっていってください 宿賃は朝の稽古でけっこうですから」とリック


「俺も いや私もハンブイヒに来たらライドン武具本店があるので泊っていってください」


「ありがとう 時々寄らせてもらうよ 弟子の上達を確認するためにね」


「田舎ですけど私の家にも泊まりに来て下さい」とオリアンティー


「私の家にも来て下さい」とソフィー


「はっはっは 気持ちだけでもうれしいよ」



 そして最後にみんなと握手してチェーンは冒険者養成所を去っていった.


ストアはみんな喜んでくれたことに安心したがすごく疲れもした、その夜は今までにないくらい熟睡して朝の稽古をサボってしまうのであった。

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