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24話  身体強化の可能性と限界 冒険者養成所 23日目

アイデアというのは知ってしまえば単純にみえますが発想できない人はいくら優秀でも出てこないものですよね

 最初の授業が終わりストア達は身体強化の教室に向かった。


 結構たくさんの人がいる、そして教官がやってきた。


「いつも通りだ 初めて来たものと話を聞きたいものと試験を受けたいもの以外は自由行動だ」


 ほとんどのものが教室を出ていった。



「ここにいるもので初めての人は前に来てくれ」



 ガヤガヤ言いながら前に人が集まってくる。



「身体強化は魔力をまとうと集中させるの2点だ」



 教官は2枚の薄い長方形の板を取り出して見せた。



「薄いただの板だ」



と言って生徒にさわらせた。



「まとうを使ってひとつの板を斬る」



 生徒に板を持たせる教官、そして気合いを入れてもう一方の木を剣の様に振り抜くと持たせた板がスパッと斬れた。



「おお」どよめく生徒達


「これが覆うまたはまとわせることによる武器の強化だ」



 次に木刀を生徒に持たせて、



「腕に力いっぱい木刀を叩きこんでくれ しかしお前 怪力のスキルは持ってねえだろうな」



みんなクスクス笑うが、



「いいえ」


「じゃ 思いっきり来い」



生徒は力いっぱい教官の腕に木刀を叩き込んだ。



「キャー」「おおお」とどよめく生徒達


「みんな来て 腕をさわってみろ」



集まる生徒達、みんな当たった場所をさわったり観察したりした。



「これが覆うまたはまとわせての防御だ もちろん できるようになっても魔力が小さいと効果も減少する、すべては魔力次第だ」



 うなづく生徒達。



「次は魔力を一か所に集中させて使う技を見せる」



 教官はしゃがんでジャンプをした、体の半分ぐらいはジャンプした感じにみえた。



「今のが普通のジャンプだ 足全体と背中に魔力を集中させるとこうなる」



 教官はジャンプした、なんと教室の天井に当たりそうなぐらいの高さまで飛んでしまった。



「おおおお」 みんなは驚いて目を見開いてる


「腕の筋肉を中心に強化すれば怪力になり剣のスピードもあがる」


「怪力のスキル持ちにも負けないぜ」とつぶやく生徒達


「この覆う又はまとわせると集中して能力の向上が一定水準になったら合格だ」



 うなづく生徒。



「この身体強化の世界は無限の可能性がある、速く走れたり、遠く見たり、聞き耳ができたり、魔力が見えたり、私もすべての可能性を追求できてはいない」



 生徒の目が輝く。



「欠点ももちろんある それはこの身体強化というものはスキルと違いブーストで一時的なものだからだ 一時的に持てない物が持てるということは体の負担が大きいということだ」



 うなづく生徒達。



「最初のうちは魔力切れの気絶やカラダに負担をかけすぎ寝込むものなど身体強化は他の系統と違い危険も大きい」



嫌な顔をする生徒達



「一番の欠点は見えないことだ 人にはわからないから指導を受けにくい どれだけ強化されたのか、必要な所だけ強化されたのかわからないんだ」



 考え込む生徒達。



「身体の負担がかからないようにできるだけ短時間で成果を出せるようになってくれ、体が痛い時はその訓練はしないように」


「はい」


「この教室にある金づちがあるだろう 身体強化をまとったらと感じたら自分で叩いて確認してくれ その為にこの金づちはある」



 金づちは先端が尖ってるものと釘などを打ち付ける面のある普通の金づちだった。



「初心者は金づちを持って解散 授業が終わったら金づちを返還してくれ 聞きたいことがある生徒は順番を待っていてくれ」


「はい」



 みんな金づちをもって教室を出て広場に出た。


 二人は外へ歩き出した。



「リック これってライトの魔法の遊びに似てるよね」


「あれをライトにせず魔力のまま維持する感じだな」



 外に出て木陰まで来た。



「よし やるか ストア どれだけ力をいれて叩いてるか見ていてくれ」



 まずは左手を出し右手で金づちを持って左手を叩く、そしてだんだん強くする。



「痛い」と言って叩くのをやめるリック


「次は魔力をまとってみる」



 そしてリックはライトの魔法の様に魔力を左手にまとわせた、そして金づちで叩き始めた、そしてまただんだん強くしていった。



「最初より強く叩いてるよ リック 大丈夫?」



 そう言われてリックは叩くのをやめた、しかしリックはすごい汗をかいていた。



「ハァハァ 痛くないぞ ストア ただ魔力の加減がわからない」


「最初だから仕方がないよ」


「それに身体強化ばかり気にしてたら戦えなくなる」


「気がはやすぎるよ リック」


「そうか・・・」



 そしてしばらく沈黙が続いた。


 ストアは突然、ひらめいたという顔をして、



「リック 俺 いいことを思いついたよ 部屋に帰ってから教えるよ」


「部屋に帰らないとダメなのかい」


「暗い方がやりやすいし」


「ふ~ん」



 ストアもリックと同じように金づちで叩いた。



「ほんまや」



と妙な言葉をつぶやいた。


次に二人で腕相撲を始めた、一人が身体強化して一人はしないと決めた。



「今度は俺からするね」



 腕を組む二人、ストアは筋肉と骨に魔力を集中させる。



「せーのーで」



 お互い力を入れる、ストアはグッと力をいれるとリックの腕が押さえつけられてリックは負けてしまった。



「リック どんなかんじ?」


「凄い力持ちと戦ったみたいだった」


「じゃ 今度はリックの番」



 そういうとお互いの手を組み、腕相撲を始める。


 今度はぐぐぐという感じでリックが勝った。


「ストア どう感じかな?」


「さっきと全然違う 大男と戦ったみたいだ」


「はっはっは そうなのか」



 二人は教えてもらったその日に基本的な身体強化の魔法を習得したのだった。


 これもライトの魔法で遊んでいたからであった。


 それからは木札の数字をどれだけ離れてもわかるのかとか小声で話して聞こえるかなど色々試していたら終了の鐘がなったので教室に帰った。


 食事のあとに部屋に帰ると練習用の武器でチャンバラゴッコを始めた。


 今回は光の剣で遊ぶのではなく当てる場所を光らせるというチャンバラごっこだった。


 よけないで交互に当て合うのだ。


 当てるまでにその場所を光らせないと負けというゲームだった。


 リックはストアは本当に遊んで強くなるタイプだとつくづく思った。


 最初はゆっくりしかし最後の方はかなりはやくなっていた。


 こうして遊んでいるうちに魔力操作が巧みになっていくのだった。


 そして次の日からは授業中は身体強化の可能性を探り合い、稽古ではよけずに叩き合った。


 見ている他の仲間はあきれ顔で見ていた。



「どうしたリック ポーションも」


「防御の練習だよ」


「叩き合ってるだけじゃねいか」



 リックとストアはお互い笑いあった。


 そして夜のチャンバラごっこもスピードアップが止まらず続いたのであった。


 そうこうしているうちに29日がやってきてストアは試験を受けた。



「まだ ここに来て8日目だぞ」


「中途半端かもしれませんが全属性が使えるのでどうしても次の系統に行きたいんです。」


「そうか わかった どちらにしても合格試験にオマケはないからな」


「はい よろしくお願いします」



 試験は木刀殴りとジャンプだった。


 リックと昨日、訓練したのだがやはり気合いが入りすぎ、魔力が切れそうになってフラフラしたりもしたが試験は落ち着いて腕を魔力で覆って、木刀叩きをクリアした。


 教官も数日で結果を出した、ストアに感心していた。



「次はジャンプだ これは魔力の配分が難しい 本当にできるのか?」


「はい 頑張ります」



 ストアはライトの遊びでどこを光らせるかという魔力操作に慣れていたのでジャンプに必要な魔力の集中も簡単にできた、予行演習でそのバランス配分の調整もできていた。


 ストアはジャンプした。


 天井までは届かなかったがあきらかに普通ではないジャンプを見せた。



「うむ 合格だ 君はセンスの塊だな 驚いたよ」


「ありがとうございます」



リックも側に来て



「おめでとう ストア」



とねぎらってくれた。


 帰り道に、



「来週から別々だな」


「そうだね」


「ストア 僕はこの身体強化が気に入ってる まだまだ強くなれる」


「俺も続けたいけど 他の魔法を習えるのも今だけだと思うしね」


「ああ そうだな」



 こうして二人は魔法の世界に踏み込み始めた。

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